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トヨタ新卒採用「学校推薦」全廃の衝撃…社内の悪しき“研究室派閥”と癒着に大ナタ
https://biz-journal.jp/2020/11/post_192837.html
2020.11.28 06:00 文=編集部 Business Journal
トヨタ・豊田章男社長(写真:AFP/アフロ)
トヨタ自動車が技術系の大学生・院生の新卒採用で、学校推薦を全廃し自由応募に一本化する方針を全国の大学に文書で通達した。これまでトヨタと良好な関係を維持してきた大学の研究室に動揺が広がっている。対象は2022年春に卒業・修了予定の理系大学生・院生で、多くの学生をトヨタに送り出してきた研究室に本年度から籍を置いている大学院生らは「たった1年の差で、簡単に就職できた世代と大きな格差が生まれる」と嘆く。
複数の報道や大学関係者によると、理系学部の大学・大学院卒の技術職は新卒採用全体の3割で、その半分が研究室の推薦を受けてトヨタに入社していたのだという。トヨタは今月、幅広い人材を採用して競争力を高めることを意図し、技術職の採用選考を事務系職と一本化する方針を発表した。今後、自動運転や電気自動車の開発にあたって、既存ガソリン車、ディーゼル車などの自動車技術以外の専門知識を持った人材が求められていることが背景にあるのだという。
■トヨタに入社するのが子どものころからの夢で大学院へ
そうした新方針に対して、名古屋工業大の大学院生は「受かりやすくなったのか、門戸が狭まったのか判断できない」と困惑する。
同大はトヨタ関連企業に多くの人材を供給している。昨年8月には次世代車載ネットワーク研究所を設立。ICTを軸とした自動運転技術の研究を推進し、従来、自動車メーカーと交わることのなかった分野の研究室がトヨタなどと連携を深めつつある。
ところが前出の大学院生はそうした先端技術ではなく、自動車業界に強い機械系の研究室を選んでいた。同大学院生は次のように話す。
「子どものころから自動車が好きで、トヨタに入りたいと思って、この学校に来て、今の研究室に入りました。研究室では推薦があるのは来年春までということで、たった1年の差で、まったく違う境遇になるわけです。自分たちは普通の大学生と同じように就職活動の準備がいることになると伝えられ、お先真っ暗になりました。先を見る目がなかったと言われればそれまでですが……」
■「研究室との癒着や派閥化も」vs.「トヨタらしさが損なわれる」
実際、今回の措置をトヨタ関係者はどのように見ているのか。トヨタの企画部門関係者は次のように話す。
「正直、新しい分野の研究職を自由応募枠で入れるのは賛成です。長年にわたるこの推薦制度の影響で、グループ各社と特定の研究室による派閥のようなつながりが少なからずあります。よく言えば家族的なのでしょうが、新しい技術を常に取捨選択していくスタイルが求められている昨今、時代遅れですよね。来年開催の東京五輪には我々の新しい技術の一端をお見せすることができると思いますが、今後は一層、既存の『自動車技術』にとらわれない研究が必要になってくると思います」
一方、製造部門の関連会社に勤める社員は次のように話す。
「自動車に乗ったことのある人ならわかると思いますが、トヨタの車はステアリングを握った時、ブレーキペダルを踏んだ時、明らかに他社の自動車と違う『トヨタらしさ』を感じると思います。それが、各大学の研究室やそこを巣立った技術者たちが長年にわたって蓄積し、改善してきたトヨタ車の骨格となる技術です。今回の措置は、そうした技術を支える人材の供給を断つことになりかねません。
電気自動車の開発・増産や自動運転技術の導入で、新しい分野の研究者が必要なことはわかりますが、移行期間もろくになく、なぜ突然このような措置を取ることになったのか正直わかりません。うちの工場にも毎年、同じ研究室から優秀な技術者が来てくれていました。つまり、22年以降、新規補充はゼロになるということなのでしょうか」
大学の理科系研究室による企業へ推薦は癒着や、採用企業内での派閥化といった問題が昔から指摘されていた。人材の流動化の観点からも、推薦枠の撤廃は時代の要請なのかもしれない。だが幼少期から夢をもって、特定の大学、研究室を選んでキャリアデザインを描き、今、真剣に学んでいる学生や大学院生にとっては、たまったことではないのも確かだ。新しい採用方針が、トヨタの再活性化に本当につながるのか注視したい。
(文=編集部)
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