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https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202010/0013770558.shtml
「心が折れた」老舗や名店が次々に閉店…新型コロナ影響で客足途絶え
2020/10/10 05:30神戸新聞NEXT
新型コロナウイルス感染拡大による外食離れや外出自粛で、老舗の飲食店などが廃業に追い込まれている。影響は全国チェーンだけでなく兵庫県内にも及び、長年親しまれたりランドマークだったりした店が次々に姿を消し、街の景色も変わりつつある。(末永陽子)
3月から休業し、6月末に閉店した神戸市中央区のそば屋「銀杏(いちょう)庵(あん)」。川上すみ子さん(83)、雅也さん(56)親子=同市兵庫区=が、1980年から営んできた。昆布やかつお節などで取っただしと自家製麺が自慢。特に天ぷらそばが人気で、県外のファンや親子2代で通う常連客もいた。
しかしコロナの影響で3月に入ってから客足がパタリと途絶えたため、当初は3月末までの休業を決意。22席の狭い店内で、「密」を回避する方法は思い付かなかった。
4月には政府の緊急事態宣言が出され、5月になっても再開のめどは立たなかった。収入ゼロの状態に家賃が重くのしかかり、話し合って閉店を決めた。「もう無理、と心が折れてしまった」と雅也さん。
6月末で看板が外され、閉店を知った客から「あの味が忘れられない」と今もエールが届く。すみ子さんは「息子のためにも、屋台や小さい店舗でまた再開できたら」と希望をつなぐ。
老舗ビアホール「ニューミュンヘン」(神戸市中央区)も6月に神戸元町店(同区)を閉店。コロナの直接的な影響ではなく、入居する建物の契約更新のタイミングという。ただ担当者は「コロナで先行きが見通せないのも要因の一つ」と説明。神戸フラワーロード店(同区)などは営業を続けるが、「宴会が少なく、客足が戻るまで時間がかかりそう」という。
1950年代に創業した「餃子のひょうたん」(同区)も6月、画像共有アプリ「インスタグラム」で閉店を発表。6月16日に元町店、20日に三宮店を閉じたと知らせた。
全国展開する有名店も店舗数の見直しを迫られ、神戸を代表する店舗も閉店が決まった。
阪神・淡路大震災があった1995年に旧居留地にオープンした「L.L.Bean神戸店」(同区)は、5月に閉店。緊急事態宣言に伴い臨時休業を続けていたが、そのまま閉めることになった。
ラーメンチェーンの博多一風堂や洋風せんべい「ゴーフル」で知られる神戸風月堂、シュークリームを製造販売する「洋菓子のヒロタ」も神戸市内の一部店舗を閉鎖。東急ハンズ三宮店(神戸市中央区)は、年末で閉店することが決まっている。
東京商工リサーチによると、全国でコロナに関連した負債1千万円以上の倒産は2月〜10月9日の累計で579件で、業種別では飲食業が最多。兵庫県は全国4位の26件だった。
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