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(コロナの時代 見えない出口:下)「在宅勤務」の激流、働き方180度:朝日新聞デジタルhttps://t.co/puDyaCDRsa
— ナナシ=ロボ (@robo7c7c) June 29, 2020
■サービス残業や評価方法、課題山積 pic.twitter.com/dXyeA9SRid
多くの企業がコロナを契機に在宅勤務を急拡大させたが、労働時間の管理が難しく、サービス残業につながりやすい。で、こうなる。
— 乱調 (@rantyo3141) June 30, 2020
経団連会長・中西宏明「在宅勤務で勤務時間を管理しても意味がない。成果で働き方を決める方向に行かないとダメだ。」
規制緩和と成果主義強化https://t.co/17jLugQyfj
(コロナの時代 見えない出口:下)「在宅勤務」の激流、働き方180度
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14531063.html
2020年6月30日 5時00分 朝日新聞
コロナ後の働き方への企業の対応
6月上旬の平日午前8時、パナソニック社員の神村圭さん(32)は、都内の自宅で仕事を始めた。向かうのはかつて物置だったスペース。長時間のパソコン作業に耐えられるよう、ネット通販で約1万円のイスを買い、即席の「仕事部屋」に仕立てた。
まずは、オンラインでこの日の仕事内容を同僚と共有。その後も、打ち合わせがオンラインで続く。コーヒー休憩や昼食を挟み、午後2時からはオンライン営業。飲食店向けの機器を顧客に売り込んだ。
2月下旬に在宅勤務になって以降、外回りをバリバリこなしていた神村さんの仕事や生活のスタイルは180度変わった。東京・汐留までの往復2時間の通勤時間や、外回りの移動時間はゼロに。「移動が減り、考える時間が増えた」。妻と1歳の長女と食事ができるようになり、週3回は長女をお風呂に入れている。
パナソニックでは4月7日の緊急事態宣言以降、原則在宅勤務とした。宣言解除後も積極的な活用を求めており、神村さんの職場ではまだ9割程度の社員が在宅勤務だという。
人と人との接触を避ける新型コロナウイルス対策を求められ、企業は在宅勤務の壁になってきた対面重視の日本の商慣行を見直さざるを得なくなった。その結果、会社も働き手も通勤や会議の時間の削減など、生産性の向上につながる利点を実感した例は多い。
日本より厳しい行動規制が行われた欧州では、在宅勤務のルールを定める法制化の動きも出てきた。ドイツや英国で、労働者が企業に在宅勤務を求める権利を法律で定めることなどが検討されている。日本ではそこまでの動きは見られないが、家電製造や保険など、業種によっては在宅勤務の人が7割超という民間調査もあり、第2波の予防策としても定着しそうだ。
だが、多くの企業がコロナを契機に在宅勤務を急拡大させたため、今後解決するべき課題は多い。在宅勤務は労働時間の管理が難しく、サービス残業につながりやすい。いまは労働時間に応じて賃金を支払う給与体系の企業が多く、仕事の成果をどうはかるかを見直す動きも出てきている。
日立製作所は来年4月以降も国内従業員約3万3千人の出社率を半分にとどめる一方、人事制度の転換を打ち出した。仕事の内容で従業員を採用する欧米流の「ジョブ型」に転換し、労働時間ではなく、成果に応じて評価や賃金を決めるという。経団連会長も務める日立の中西宏明会長は「在宅勤務で勤務時間を管理しても意味がない。成果で働き方を決める方向に行かないとダメだ。もう元の働き方には戻れないし、戻しちゃいけない」と言い切る。
だがそれは、労働時間規制を緩和し、成果主義の徹底をめざしてきた財界の従来の主張と重なる。それだけに、在宅勤務の労働者を守る制度をどう整えるのかは、コロナ時代の働き方改革の大きな課題になる。
現場仕事、感染リスクも疲労も 安全確保や特別手当、限定的
働き方の見直しが進むなか、どうしても感染リスクと隣り合わせで働かざるを得ない「エッセンシャルワーカー」の待遇も課題になる。
「小田原の倉庫内で感染者が出て、従業員に不安が広がった」。ネット通販大手アマゾンジャパンの首都圏の倉庫で働く男性は、3月下旬ごろの様子をそう話す。
同社の神奈川県小田原市内の倉庫は国内でも最大級。ここで3月下旬から4月上旬にかけ、感染者が2人出た。1人目の感染発覚後、作業はいったんストップしたが、半日後には再開。関係者によると、濃厚接触者や感染経路について従業員に知らされたのは、約1週間後。同社は1月ごろから従業員の間を2メートル開けるなどの対策を取っており、感染発覚後はさらに対策を強化したという。
米国では、アマゾンの従業員らが感染予防策の強化を求める抗議活動も盛んになったが、日本では同様の動きは見られない。アマゾンジャパンの直接雇用ではなく、協力会社の従業員が大半で、「声を上げづらい仕組みになっている」と男性はいう。
客足が途絶えた飲食店の頼みの綱になった宅配代行サービスでも、配達員の不安は増している。
都内でウーバーイーツの配達員として働く男性(43)は人通りの多い商店街を自転車で通るたびに、感染のリスクを感じる。商品を受け取りに、飲食店がある商店街や狭い路地を通らざるを得ないことは多い。
配達員からマスクや消毒液の配布を求める声が上がり、ウーバーもこれに押される形で4月下旬、約90万枚のマスクを配布すると発表した。男性は「物流や宅配はもはや社会のインフラ。在宅勤務できない私たちには、それなりの手当があってもいい」と話す。
小売りや外食などの労組を束ねる日本最大の産業別組織「UAゼンセン」は5月27日、現場の労働者の安全確保に関する要請書を加藤勝信厚生労働相に手渡した。ゼンセン傘下の労組の働き手の多くは、スーパーの店員や配達員らエッセンシャルワーカーで、疲弊がピークに達していた。「従業員はマスクをしているのに客には売らないのか」と客から非難されることもある。
大手スーパーやドラッグストアでは、従業員に特別ボーナスを出す企業も出ているが、まだまだ限定的な動きに過ぎない。日本企業はリーマン・ショック後、得られた利益を配当増などで株主に還元しつつ、残りを手元にため込んできた。企業の「内部留保」(利益剰余金)は2018年度、約463兆円で7年連続過去最高を更新したが、働き手の取り分である労働分配率は低迷したままだ。
コロナ危機で、この流れは変わるのか。多くの企業が業績悪化に直面するなか、どれだけこうした働き手の待遇改善が進むかはまだ見通せない。
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