16ですが、三菱自動車の続き。パジェロ、デリカD:5、アウトランダーを製造している、岐阜県坂祝町のパジェロ製造の工場を閉鎖するそうです。1982年以来、ジープに替わる四輪駆動クロスカントリー車として君臨してきたパジェロですが、2019年で日本国内向けの製造を終了して、現在は輸出向けだけです。 しかし、その輸出向けが売れていない。この分野はトヨタ・ランドクルーザーの一人勝ちです。かつてパリ・ダカールラリーで優勝し、国際的にも名声は確立されてきましたが、砂漠で高速走行するために四輪独立サスペンションとモノコック一体構造に変えた。これがランドクルーザーに敗北する原因となったのです。 このジャンルの自動車は、不整地を確実に走破できなくてはならない。そのため、ラダー型フレームを持ち、サスペンションはできれば四輪固定軸が望ましい。最近のランドクルーザーは前輪独立式ですが、オーストラリア向けは105型と言って、前輪固定軸の製品が輸出されています。それと国連平和維持軍向けと。 それ以外のランドクルーザーは、前輪は独立式。ただし、車高調整装置を採用しています。後輪は現在でも固定軸。 ★パジェロに話を戻しますと、次期新型車の開発も中止され、坂祝工場閉鎖と共に製造中止になるようです。どんどん車種が減る三菱自動車。自動車評論家の国沢光宏氏は、これらの動きを「三菱自動車の清算」だと推測しています。 自動車評論家 国沢光宏 三菱自動車の清算始まる? 岐阜のパジェロ製造閉鎖らしい 2020年7月23日 [最新情報] https://kunisawa.net/car/car_latest-information/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%81%AE%E6%B8%85%E7%AE%97%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8B%EF%BC%9F%E3%80%80%E5%B2%90%E9%98%9C%E3%81%AE%E3%83%91%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AD%E8%A3%BD%E9%80%A0/ ★現在の三菱自動車は、トラック・バスと別会社になっている。トラック・バスは、ドイツのダイムラーが約9割の株式を所有している。つまり、看板だけ三菱。製品は、メルセデスそのもの。日本ではなかなか定着しないが、会社名はダイムラーで、ブランド名はメルセデスです。創業者ゴットリープ・ダイムラーの娘の名前です。 よく日本ではベンツと言うが、ゴットリープ・ダイムラーの会社とカール・ベンツの会社は1926年に合併している。実際は破産状態のベンツを救済合併したのです。だから、消滅したブランドを誰も使用しない。世界中、メルセデスで通っています。 三菱自動車に話を戻しますが、収益源のトラック・バス部門を失った時点で、いずれこうなることは明らかであった。リコール隠しとタイヤ吹き飛び事件でブランドの権威は失墜。リアエンジンの軽自動車アイを出したものの、リアエンジン特有の雪道、凍結路の危険な操縦性は、顧客離れを誘発した。 アイの車体を使って電気自動車を出したものの、走行距離は絶望的に短く、バッテリーの充電容量も夏冬で差があり、加えて冷暖房能力の欠如で問題続出。電磁波問題も隠ぺいされていますが、こちらも深刻です。(なぜかデータが出てこない。) ★新型車としては、小型車のミラージュが復活したが、昔のミラージュと違い、最底辺のベーシックカーです。日本では軽自動車に位置する車種ですが、税金が高い日本では全く相手にされず販売は失速。セダンのアトラージュも日本では販売されず。 新興国で人気のSUVばかり次々と開発するものの、日本国内の需要と合っていないため、全然売れず。開発資金の欠如から、海外で売れているSUVに絞ったら、日本国内の市場を失ってしまった。これは軽自動車でもそうで、ミニカもなくなりました。 ミニキャブはスズキから調達する始末。製造車種の削減で、三菱自動車の工場稼働率は低下。海外でよく売れているSUVのパジェロ・スポーツと、UTEのトライトンはタイで製造している。つまり、日本で製造する意味を失いつつあるのです。 これはうちの推測ですが、国沢さんと同じく三菱財閥は三菱自動車の清算を考えているのは間違いない。そのため、かつて日本国内で乗用車を製造していた、いすゞ自動車の前例を参考にしていると思われます。 (註 UTEは、オーストラリアでピックアップトラックのこと。) いすゞ自動車は日本国内ではトラックを製造していますが、タイではSUVとUTEを製造している。ちゃんと前例があるのです。 三菱財閥は経営不振に陥っている。三菱重工は、客船事業の巨額の欠損で造船部門の過剰能力に苦しみ、加えて旅客機開発が難航して、生産に移るどころか、こちらも清算の可能性が高まっている。これらの事業で膨大な赤字を出し、三菱重工の存続も危うくなりつつある。もはや三菱自動車にかまっているどころではありません。 ★三菱商事から三菱自動車に送り込まれた益子社長・会長ですが、依然として経営者に居座っています。これ、今までの例から見ておかしい。あれだけ経営に失敗し続けたのだから、今までの例から見れば役員会で解任される筈ですが。 この謎について、これは推測ですが、三菱財閥から「三菱自動車の清算」を申し渡されているのではないかと。だから、最後まで責任を持てよと言うことでしょうか。だから、やめさせてくれないのです。 うちに言わせると、自動車メーカーの首脳に、自動車の免許すらない人物を送り込んでくるのですから、自動車好きの心情たるものを理解できない益子社長では、いずれ行き詰まることは予想できました。自動車の運転すらできないようでは、電気自動車の欠陥を見抜くことはできない。 トヨタ自動車は、電気自動車の三菱アイ・ミーブが発売されると、いち早く購入して長期テストしています。そして、これは使い物にならないと結論を出している。トヨタ博物館に展示しているのは、長期テスト終了後の個体です。 日産自動車が筆頭株主となった三菱自動車ですが、元々はトヨタ自動車とつながりがあり、かつて経営危機になった時も多くの社員が移籍しています。多分、舞台裏でトヨタグループと話し合いが行われているはず。うちの遠い親戚が三菱自動車でしたが、出てくるのはトヨタの話題ばかりでした。そう言えば、いすゞの乗用車も、トヨタ系のアイシンの自動変速機を購入していましたね。 暗い話ばかりですが、三菱自動車の日本国内のディーラーは次々と閉鎖されつつあります。新型車の開発も次々中止になっているらしいので、研究開発部門も余っている。前回の経営危機の時と同じように、トヨタと移籍の話を進めているでしょう。 日本国内の製造拠点は、これで愛知県の岡崎と、岡山県の水島だけになりますが、岡崎はトヨタの本拠地三河地方なので、そちらに組み込まれるかな ? しかし、トヨタも余剰生産能力を削減中です。やっぱり閉鎖かな。 水島は分かりません。日産が継承すると言う説もあるが、その日産が深刻な販売不振から、自らの工場を閉鎖しなければならない状況下で、買い取ると言うことは考えられない。軽自動車を製造しているものの、現在の設備はかなり余ってます。 その水島で製造している電気自動車のアイ・ミーブは受注停止らしく、どうやら生産終了の予想。後継車として軽の電気自動車と言う話も、進展が聞こえてこないところを見ると、どうも登場する可能性はなさそう。日産は、新型電気自動車アリアを出す予定ですが、価格は500万円以上からスタートのようです。 充電容量が65kwと90kwの二種類ですが、現在の充電設備では時間がかかるのと、あと高容量の電気自動車が、世界各地で爆発、炎上していることが問題。テスラの火事は多いし、BMW、アウディ、ヒュンダイの電気自動車も次々と燃えています。日産までこうなったら、経営危機はさらに深刻化して日産そのものが会社清算に追い込まれかねない。
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