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大学生協に届いた困窮学生の悲痛な叫び…「入学を後悔」「オンライン授業でも学費は同じ」
https://biz-journal.jp/2020/05/post_156079.html
2020.05.08 18:10 文=木村誠/教育ジャーナリスト Business Journal
「gettyimages」より
新型コロナウイルス対策での混迷は、大学生活にも及んでいる。国会でも、大学生支援の声が野党から上がっている。果たして、大学生活の実態はどうなのか。
全国大学生活協同組合連合会は、4月20〜30日に「緊急!大学生・院生アンケート」を実施、ウェブで3万5000件を超える回答を得た。大学生の実情を物語る自由記入欄の回答の中から、筆者が主催者の了解を得て選んだ「学部生の声」が下記である(人物を特定できないように配慮する目的で、声の趣旨を損ねない範囲で一部の表現を加筆修正している)。匿名であるが、それだけに切実さが伝わってくる。真摯に受け止めたい“心の叫び”ばかりだ。
■大学1年生の戸惑い
「正直、大学に入学したことを後悔しています。両親もぼく自身も収入が減ったのに対し、支出は変わりません。ぼくの学費が家計を圧迫していることを思うと申し訳なくてたまりません。家にはパソコンも無いのでなんとか映像授業はスマホで対応しています。バイトも勉強も中途半端でなんのために大学に入学したのかわかりません。四六時中不安です。」
「大学1年生ですが、入学式を含め一度も登校の機会がなく、感染予防のため仕方ないが不安です。一人暮らしの予定だったので、3月中旬に部屋を決めて引越しは済ませましたが、コロナの影響でそこには住むことなく実家にて過ごしており、住んではいないが家賃だけ払い続けている状態です。5月の連休明けよりオンライン授業の予定でしたが、学費は通常通りの高額な金額が引き落とされます。コロナの影響で親の収入が半分になるか、ヘタしたら会社が倒産するような見通しで、大変大変厳しいです。自分が大学生を続けられるのかもわからなくなってきました。大学の施設利用費や冷暖房費だけでも、割引いてもらえるとありがたのですが…。あと、家賃も割引など何か救済していだけると少しでも助かります。頑張って受験勉強して合格しましたが、入学式を含めて一度も登校することなく、コロナによる経済的な理由で退学しなければならないかもと思うと、真っ暗で絶望的な気持ちになります。」
「新入生でわからないことだらけの中でWeb授業になり、友達や先輩などと全く知り合えない状態はかなり大変です。半年間休校にして、9月からのスタートにして欲しいです。実家にも帰れず、知り合いもいない、話し相手もいないので、家で一人ぼっちでいるとかなりのストレスが溜まり、体調を崩しました。政府はもっと大学生にも目を向けて、早急に対策を取って欲しいです。生ぬるい対策ではなく、もっとしっかりとした対策を取っていただきたいです。」
「新入生です。パソコンも初めてなのに、設定や履修選択や教科書選択や課題提出など、大学からのフォローがまったく無く、毎日不安です。一度、大学に電話をしたのですが、『授業支援システムを見てください』のみの対応で不親切でした。おそらくパソコン未使用者はかなりいると思いますが、みんな大変な思いをしていると思います。」
「この春からの入学をなかったことにして、秋からの入学にしてほしいです。仮面浪人すると言っている人がすでに多人数います。なんとかしてください。やっとの思いではいった大学をきちんといちからやりなおしたいです。」
「関東から関西に来て知り合いも全くいなくて、新歓とかで友達つくりたかったけど、それもどうなるか分からないです。帰省したいけど、帰省できないです。早く対面授業がしたいです。もう丸一年つぶしちゃったらどうだろうかな、とさえ思っています。2020年の新入生可哀想じゃないですか?」
「入学式すらなく、全てがオンラインで進んでいくので、自分が追いつけているのか分かりません。それを相談できる相手もおらず、大学側からもまとまった連絡が来ないです。取りこぼしている情報がありそうで不安です。また、大学からは、このままオンデマンドなどで授業を行なったとしても卒業要件を満たせるのか、テストはどうなるのか、学生生活についてなどのアナウンスがほとんどなく、果たして本当に4年で卒業できるのかとても心配しています。学費などに関わることなので早く発表してほしいです。」
■バイト収入減で中退も
「アルバイトをして授業料を支払っていましたが、今回のコロナウイルスの影響で解雇され、今は収入が全くありません。また、今は自宅で過ごしており、下宿先では全く生活していませんが、家賃や共益費等は支払わなければならず、学費も全額、支払う必要があります。収入がない中でこれらのお金を工面できるかどうか、とても不安です。」
「コロナの影響で大学に行くこともできず、キャリア支援のために行くこともできない状況なのに、お金を今までと同額払わなきゃいけないことに疑問を感じます。親に頼らずアルバイトで学費を賄ってきた身として、奨学金の返済が卒業後に控える中、コロナの影響でそのアルバイトすらできず、不安です。どうにか学費減額、免除について考えて欲しいです。」
「経済的に余裕がありません。奨学金とアルバイトで学費を賄っていましたが、映画館アルバイトは出勤日を減らされ、収入がありません。両親の収入も減っているため貯金を切り崩しながらの生活ですが、ギリギリの状態です。なのに、学費はそのままというのに納得がいきません。どうか学費を減額していただけないでしょうか。家賃光熱費を浮かすために実家へ帰ることも考えましたが、実家には高齢の祖父母がおり、不安だから帰らないでくれと言われました。経済的な余裕がないことが1番辛いです。この先もコロナの影響が続く中、生活費も倍かかりますし、政府給付の10万円だけでは正直足りません。どうか学費を減額していただきたいです。心から願いです。ご検討お願いします。」
「経済的不安が大きいです。一人暮らしで、アルバイト代で生計を立てているのに、バイト先は休業していて職がありません。交通手段が限られてきたので、実家に帰ることもできません。いつまで続くかわからないこの状況の中、どれほど頑張っても生活が崩れていく一方です。某大学では、学生一人ひとりに支援金が給付されると聞きました。私が通う大学でも何かしら、対策を取っていただきたいです。」
「アルバイト先(観光客向けの飲食店)が現在休業中で、おそらく緊急事態宣言が解除されない限り休業を続ける、とのことです。普段であれば月5万円ほどあるはずの収入が、もうほとんどお金が入ってこない状況です。今は親の仕送りと奨学金(毎月の家賃の分)と貯金で生活しています。休業補償があるとの連絡もバイト先から来ませんし、政府から10万円給付されるとしても、心許ない状況です。ただ、この状況であえてスーパーやコンビニで働き始めるというのも、正直、感染リスクを高める行動のように思えて、躊躇しています。しかし6月ごろになっても事態が変わらない(バイト先が再開せず休業補償も出ない、授業も開始しない)のであれば、そのようなところで働くしかないと最近は思い始めています(雇ってくれるかは別ですが…)。」
■大学への要望
「親元を離れて生活しており、今まで居酒屋でのアルバイトの収入月15万円程と奨学金で、学費含む身の回りのお金の全てを賄ってきました。現在は、コロナの影響でアルバイト先が休業になり、6割の休業補償はあるものの、今後は大幅に収入が減る見込みで、後期以降の学費支払いの目処が経ちません。奨学金は4年間で550万円程を借りていますが、返済が不安なため増額は希望しません。また、新しいアルバイトも決まらなく、このような状況が続けば、大学を退学、休学することも視野に入れて考えなければなりません。私の大学は特に、一人暮らしの友人が多く、親からの支援も限りがあるようで、皆、生活に困り始めています。せめて施設維持費等だけでも、納入金の減額や、一人暮らしの大学生を支援するような制度が出来てくれればいいなと、思います。」
「どこにもマスクは売っていないのに、マスクが無いと対面授業を受けられなかったり、大学内の施設を使うことが出来なかったりすることや、寮のWi-Fiは電波が弱く全く繋がらないのに、遠隔授業に対応できる寮のWi-Fiへの対策を大学が取ってくれないことに憤りを感じています。大学からの連絡が遅く、こちらが行動に移るまでに時間がかかります。大学のホームページに最新情報を載せるのなら、更新情報をその都度メールで知らせて欲しいです。」
「浪人を経て、夢にまで見た大学に合格したのに、このような形で大学に通わずに講義を受けることがままならなくなったのは非常に残念です。大学では、学びだけでなく、友人とのコミュニケーションも大切にしたいと感じているので、それができない現状の大学生活は満足できているものであるとは断言できません。今後の予定についても見通しが立たず、不安です。一方で大学の方はオンライン授業など、対策を取ってくださり、最低限、学びだけでも出来る環境を整えてくださることに感謝しております。」
■絶望の声
「酒と薬(睡眠薬)がやめられません。感染症に対して不安だと名目上そう言っていますが。本当は早急に命を絶ちたいです。誰か本当に助けてほしい。だけれど助けてくれる人がいません。苦しいです。涙が止まりません。」
(文=木村誠/教育ジャーナリスト)
●全国大学生協連の「緊急!特設サイト」
●木村誠(きむら・まこと)
早稲田大学政経学部新聞学科卒業、学研勤務を経てフリー。近著に『「地方国立大学」の時代–2020年に何が起こるのか』(中公ラクレ)。他に『大学大崩壊』『大学大倒産時代』(ともに朝日新書)など。
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