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新型コロナで閉店ラッシュの飲食店。北海道では自殺する経営者も…
2020年04月08日
●都内の飲食業でも売り上げ半減! 全国で苦渋の閉店が相次ぐ
各業界に吹き荒れるコロナ禍。停滞する日本経済や企業活動への損失は計り知れないが、解雇や契約解除などで職を失った人はすでに続出している。今後間違いなく増える“コロナ失職”の深刻な現状に迫った!
●インバウンド需要を狙った店は大打撃
▼小山昌平さん(仮名・46歳)……都内でオタクカルチャーをコンセプトにした海外客向けバーを経営。コロナ禍以前はバイト15人体制で月300万円を売り上げていた
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コロナショックの煽りを受ける業種で真っ先に思いつくのが飲食業だろう。不要不急の外出自粛にテレワークの推奨で繁華街はガラガラ、開店休業状態の飲食店は少なくない。当然、蓄えがなければ閉店に追いやられるだけだ。
新宿区でインバウンド需要を見越したコンセプトバーを経営していた小山昌平さん(仮名・46歳)は、採算の見通しが立たず3月いっぱいで自身の店を畳んだ。
「2月の売り上げは例年のおよそ半分に激減。バイトのコたちには辞めてもらい、少ない正社員でなんとか頑張ろうとしたのですが、3月に入りさらに悪化。事態が収束する気配はなく、首が回らなくなる前に閉店を決めました」
手元にあった運転資金は約300万円。やろうと思えば続けられるのではないかと聞くと、小山さんは首を横に振った。
「今(3月末の取材時点)はまだ緊急事態宣言やロックダウンには至っていませんが、これからますます危険な状況になるでしょう。飲食店の利益率は1割程度と薄利多売。これだけ売り上げが減ると大打撃なんです。この状態が3か月、半年と続くかもしれないと思ったら、店を開けていても赤字が増えていくだけ。経営を持たせる体力はもうないと判断しました。3月いっぱいで閉める飲食店は都内でもかなり出てくるんじゃないかな。廃業は残念ですが、子供の学費や家のローンもあるので……」
繁華街から人々の姿を消した新型コロナウイルスは、飲食店の灯も消していく。
●阿鼻叫喚の北海道では自殺する経営者も……
▼米田孝昌さん(仮名・44歳)……札幌でジンギスカン店を経営。月500万の売り上げが3月は8割減となり閉店。他にしゃぶしゃぶ店も経営しているが見通しは暗い
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今後、都内がどんな状況に陥るのか知るためにも、国内で早い段階から感染者が急増し、緊急事態宣言が出された北海道のケースを見てみよう。札幌でジンギスカン店を経営していた米田孝昌さん(仮名・44歳)は、3月14日に3年続いた自身の店を廃業する苦渋の決断を下した。
「2月28日に鈴木直道知事が緊急事態宣言を出してから大きく潮目が変わりました。翌日以降の3日間だけで、予約が200人キャンセルになったんです。それまでは月間500万円を売り上げていたのが、3月に入ってからはなんと8割ダウン。売り上げが1万〜2万円しかない日も出てきました」
これが1か月だけなら持ちこたえられたが、コロナの恐ろしいのは終わりが見えないところ。緊急事態宣言が終了した今も、札幌の街に客足は戻っていない。
「東日本大震災のときは、『飲食店にお金を落として応援しよう』というムードがあったけど、今回は政府が『外に出るな』と言い、感染者を出したとなれば店のイメージも危うくなる。店は大通りの一等地にあり、テナントの家賃と広告費を合わせて月に130万円かかっていた。休業しても家賃はかかるし、従業員に給料も払わないといけない。これが3か月続いたらもうアウトなので、泣く泣く閉店することに決めました」
しかも恐ろしいことに、廃業に追い込まれる店はこの先まだまだ増えるだろうと米田さんは言う。
「知人の居酒屋のご主人が、3月上旬に首を吊って自殺しました。昨年改装資金を借りたばかりのところにコロナが襲い、売り上げはほぼゼロに。行政からは具体的な助成金の話は出ないし、これ以上の借り入れもできない。家族に迷惑はかけられないと思ったんでしょう。何の補償もない状態が続けば、ススキノの店はあと3か月で3分の1が、半年で半分がつぶれると思います」
このままでは惨状は確実に日本全国に波及するだろう。一刻も早い収束を祈るしか手はないのか。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!4月7日発売号の特集「コロナ失職の悲鳴」より
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