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NYダウ、前日比1338ドル超安 3年1カ月ぶり2万ドル割れ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56976840Z10C20A3000000/?n_cid=DSREA001
2020/3/19 5:01 (2020/3/19 6:28更新) 日経新聞
現行制度下で4度目となる売買停止措置も発動した(18日、ニューヨーク証券取引所)=ロイター
【ニューヨーク=大島有美子】18日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比1338ドル46セント(6.3%)安の1万9898ドル92セントで取引を終えた。2万ドルを下回ったのは2017年2月以来、3年1カ月ぶりとなる。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界景気の落ち込みが避けられないとの見方が広がった。投資家がリスク回避に動いている。
ダウ平均はトランプ米大統領が就任した17年1月20日の終値(1万9827ドル)も一時割り込み、就任来の上げ幅をほぼ消失した。トランプ氏は政権の成果として株高を誇示してきただけに、大統領選前の株安は痛手となる。米政権や米連邦準備理事会(FRB)は政策の総動員で、新型コロナ拡大による経済への打撃を最小限にとどめようとしているが、金融市場の不安を鎮められていない。
ダウ平均は取引開始直後に1300ドル超下げた。米東部時間の午前中は下げ幅をいったん縮めたが、昼にかけて再び値下がりが加速した。午後1時前には多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数の下落率が7%を超え、全ての株式売買を15分間中断する「サーキットブレーカー」が発動された。現行制度下での発動は4回目。売買停止措置の解除後にさらに売りが進み、ダウ平均は一時1万9000ドルを割り込んだ。
ほぼ全面安となる中で、個別株では特に景気動向を敏感に反映するとされる金融株が売られた。JPモルガン・チェースは11%安、バンク・オブ・アメリカは5%安で終えた。エネルギーも売りが広がり、エクソン・モービルが10%安だった。資金繰り懸念が高まっている航空機のボーイング株は18%安で終えた。
NYダウ1338ドル安、ドル急上昇 投資家「現金」へ殺到
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56977040Z10C20A3000000/
2020/3/19 5:26 (2020/3/19 6:01更新) 日経新聞
18日のニューヨーク証券取引所=ロイター
【ニューヨーク=後藤達也】金融市場の動揺が収まらない。18日にはダウ工業株30種平均が1338ドル安となり、原油価格は一時20ドルへ急落した。投資家の不安感が著しく高まり、金融資産を売って現金を確保しようとする動きが活発化。安全資産の米国債や金すら大きく売られ、ドルが急上昇した。新型コロナウイルスの大流行は深刻な信用収縮へと発展しつつある。
ダウ平均の終値は前日比1338ドル安の1万9898ドル。一時は2319ドル安の1万8917ドルを付け、トランプ米大統領が就任した2017年1月20日の終値(1万9827ドル)も一気に下回った。エネルギー株や金融株の下落が特に激しく、午後には一時売買を中断する場面があった。
市場で急増している言葉が「キャッシュ・イズ・キング」。起点の1つは企業が短期資金を調達するコマーシャルペーパー(CP)市場だ。新型コロナへの不安から買い手が現金化を急ぎ、金利が急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は16日、CPを買い取る方針を急きょ示したが「金利高騰を抑えうる措置ではあるが警戒を払拭させるものではない」(市場関係者)との声が多い。
資金確保は銀行でも起こっている。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の3カ月物金利は1%を超え、FRBの政策金利(0.00〜0.25%)との差が日増しに広がっている。銀行の資本は潤沢だが、非常事態への備えが始まっている。
急上昇しているのがドルだ。インターコンチネンタル取引所の指数は18日、約3年ぶりの高値を付けた。3月上旬までは米金利の低下とともにドルは売られていたが、先週以降流れが一転。9日に付けた直近の安値から7%近く上昇した。このため、株価が急落する中でも円安・ドル高が進み、18日には1ドル=108円台半ばを付けた。
事態の深刻さを映すのが安全資産とされた米国債や金が売られている点だ。米国債は乱高下が続いた結果、「買い手が見つからず、ほとんど売買を付け合わせられない」(米国債トレーダー)。米政府の大型経済対策で国債の発行が増えるという需給要因を抑えきれず、米10年債利回りは1.2%台と1日で0.2%強上昇(価格は下落)した。金の先物価格も3%下落した。
各国の中央銀行は金融面の措置を矢継ぎ早に打ち出し、政府は機動的な財政出動に動き始めた。だが、コロナは欧米での感染者が急増しており、入国規制や外出禁止の動きも広がる。経済への打撃の規模や収束時期が全く読めず、金融、財政面の支えだけでは投資家心理が好転しなくなっている。各国の流行阻止に向けた措置が奏功し、大流行に歯止めがかかることが必要条件だ。
昨年は世界株が最高値を更新し、国債や社債などほとんどの金融資産が買われていた。足元の「現金志向」は急激な逆回転だ。ダウ平均は2月の高値から3割以上下落し、原油価格は1カ月で6割近く値下がりした。資産価格や資金繰りの急変は家計や企業の行動を狂わせる。市場では「経済のマイナス成長が長期化する覚悟が必要だ」(三菱UFJ銀行ニューヨークのクリス・ラプキー氏)との声が増えている。
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