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検証
かんぽ、尽きぬ不正 新規に10件以上加入/保険料月10万円以上/被保険者を子に変更
https://mainichi.jp/articles/20200201/ddm/012/020/085000c
毎日新聞 2020年2月1日 東京朝刊
金融庁に業務改善計画を提出し、記者会見する日本郵政の増田寛也社長=東京都千代田区で31日、長谷川直亮撮影
かんぽ生命保険の不正販売問題で日本郵政グループは31日、多数回にわたり契約を結ばせるなどして不利益を与えた可能性があるとして、6万人の契約者を調査対象に加えると発表した。件数では約22万件に達し、これまで重点的に調査してきた約18万3000件(約15万6000人)から大幅に増える。調査の長期化で販売再開の見通しも立たない状況で、経営への打撃も更に深刻化しそうだ。【加藤明子、高橋祐貴】
調査対象、新たに22万件
「(今回対象に加えた事案は)昨年でも抽出されていたと思うが、対応できなかった。そこに組織の問題点が凝縮されている」。同日、金融庁などに業務改善計画を提出した日本郵政の増田寛也社長は記者会見で、対応の遅れを認め陳謝した。
今回新たな調査対象となるのは、何回も新規契約と解約などによる契約消滅を繰り返す「多数契約」▽旧契約を解約し、保険をかける対象(被保険者)を自分から息子に変更するなどして新たに契約を結ばせる「ヒホガエ」▽年金保険を解約し、養老保険を新規契約するといった「保険種類の変更」――など。いずれも主に高齢者を狙って、複数の保険を売りつけて新規契約件数を稼いでいたとみられる。
ヒホガエは新たな調査対象の半数近い約2万7000人に達し、新規契約獲得手段として営業現場で横行していたことを裏付けた。一方、契約者は多数の契約で高額の保険料支払いを迫られたり、解約の際の返戻金が払い込み済みの保険料を下回ったりするなどの不利益が生じた可能性がある。
かんぽ生命と日本郵便は昨年8月以降、保険の乗り換えにあたって、二重契約などの不利益を与えた可能性のある契約約18万3000件を「特定事案」として重点的に調べてきた。この日は1月29日時点の調査状況を公表。契約者への聞き取りから不正の疑いがあるのが1万3215件、このうち法令違反や社内規則違反と認定した契約は1412件に達し、昨年12月時点(670件)からほぼ倍増した。判定を終えたのは4855件にとどまっており、不正件数がさらに拡大する可能性がある。
特定事案は(1)契約者と被保険者が同一(2)二重契約や、解約から新規契約までが短期間――の契約に限っており、ヒホガエのような事案は調査対象からこぼれ落ちていた。金融庁は昨年12月27日、かんぽ生命と日本郵便に対し、3月末までの保険募集停止を命令。日本郵政にも業務改善命令を出し、特定事案以外に不正の疑いのある多数契約などの五つの類型を挙げ、調査と被害対応を命じていた。
増田社長は会見で「速やかに調査を進める」と述べ、契約者の訪問などで6月末までに確認を終える計画を示した。全契約者約1900万人についても引き続き調査を進める方針だ。
問題矮小化の姿勢
「ヒホガエ」などについてはかねて契約者の苦情が多数寄せられていたが、金融庁に命じられたことでようやく調査対象に加えたのが実情だ。これまでも不正販売を巡る調査は後手に回っており、報道や監督官庁の圧力に押される形で対象を広げてきた。問題は長期化し、「最初からきちんと調査すべきだった」(総務省幹部)と批判が出ている。
2019年6月にかんぽの不正販売が報道された際、当時の長門正貢日本郵政社長は「法令違反があったとは思っていない」と違法性を否定。しかし、総務省などが調査を求めたこともあり、保険の乗り換えに伴う無保険状態や支払い拒否などの不適切事例が2・4万件に上ると公表した。7月にはかんぽ生命と日本郵便のトップが初めて不正を認め、過去5年分9・4万件を調査すると発表。さらに保険の二重契約などの問題が報道され、約18万3000件を「特定事案」として調査することを表明した。
今回、22万件を調査対象に加えることで、契約者への確認作業は6月末までかかる見通しとなり、調査の終結はいまだ見えない。金融庁による業務停止命令は3月末までだが、増田社長は保険販売の再開について「業務改善計画をきちっとやることが組織に課されたミッションだ。再開の時期は申し上げる段階にない」と明言を避けた。販売再開がずれ込むほど経営への影響も大きくなる。
企業統治(ガバナンス)に詳しい郷原信郎弁護士は郵政グループの一連の対応について「法令や社内規則に違反しないかどうかに問題を矮小(わいしょう)化し、顧客に不利益を与えていることから目をそらしてきた。無作為のサンプル調査などで顧客の意向に沿わない契約の全体像を把握すべきだ」と語る。
新体制発足から約1カ月。増田社長は「事業部門ごとの壁が厚くて高くて、一体感が足りない。この風土をどこまで変えられるかが問われている」と語るなど、経営改革にも長い時間を要しそうだ。
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