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2022年6月29日 20時40分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/186505
使用済み核燃料の保管方法を巡る調査の一般競争入札で、原子力規制庁は29日、職員が仕様書案の作成を三菱重工に依頼する内規違反があったと明らかにした。入札では同社の案がほぼそのまま仕様書となり、入札予定価格は同社が示した見積額とほぼ同額だった。同社が1者応札で落札した。
本紙が5月に情報公開請求をしたのを機に内部調査し、不適切な手続きが判明したという。
問題の入札は、2020年9月にあった「キャニスタを用いた使用済み燃料の乾式貯蔵方法に係る調査」。規制庁によると、使用済み核燃料を保管するステンレス製の筒型容器(キャニスタ)の耐食性向上の調査で、三菱重工が2750万円で落札した。落札率は92.9%だった。
職員は核燃料廃棄物研究部門に所属していた60代の非常勤の男性。17年度以降の5年間、43件の契約で仕様書の作成に携わった。17年度にも2件、1者応札で落札した企業・研究所に、仕様書案の作成を依頼していたという。
職員は今年4月、別の部署に異動。規制庁は内規違反に当たるとして、処分を検討している。
職員は仕様書案の作成依頼について、内部調査に内規違反だと認識していたと述べた上で、「普通だと思っていた」と説明。一方、三菱重工など業者からの金銭受領や飲食接待は否定しているという。
仕様書は特定の業者しか入札できない形にはなっていなかったといい、規制庁は現時点では「違法性は確認できていない」としている。8月末までに、規制庁が過去5年間に契約した1万5000件について、ほかにも仕様書案の作成依頼がなかったか調べるという。
規制庁は29日、原子力規制委員会で問題を報告。更田豊志委員長は「あり得ない。極めて遺憾だ。個人の問題なのか組織の問題なのか、はっきりさせるべきだ」と述べた。(井上真典)
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