http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/802.html
Tweet |
2022年3月6日 17時38分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/164047
東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)で原子炉6基のうち3基でメルトダウン(炉心溶融)が起きた世界最悪レベルの事故から、まもなく11年となる。ウクライナでは原発がロシア軍に攻撃され、核リスクの懸念が浮上したが、福島第一では今も高い放射線量が収束作業の行く手を阻む。東京新聞原発取材班は3月2日、建屋外では最も線量が高い場所に近づいた。(小野沢健太、写真は山川剛史)
◆屋外で最も高線量の場所
「ここは素早く通り過ぎます」。1、2号機の間にある排気筒の根元を通る際、東電の広報担当者が大声で言った。排気筒は事故当初、原子炉格納容器の破裂を防ぐため、極めて高い濃度の放射性物質を含む蒸気を排出(ベント)した。根元に近い接続部の線量は毎時約4.3シーベルト(2020年2月調査、1シーベルトは1マイクロシーベルトの100万倍)。その場に数時間いると、人は確実に死ぬ。
高さが半分の60メートルに解体された排気筒のそば、落下物対策の屋根付き通路を歩く。1〜4号機周辺は汚染した地面の放射線を遮るために厚い鉄板が敷かれているが、排気筒周辺だけは風景が違う。ススキが茂り、太い幹の木もあった。人がとどまって作業できないことを物語る。
「525!」。線量計の数値を読み上げる東電社員の声が上ずった。最大値は毎時528マイクロシーベルト。2時間弱で、一般人の年間被ばく限度に達する水準だ。足を止めて排気筒につながる直径約30センチの汚染配管を見上げていると、「なるべく早く」と急かされた。
1分足らずで通り抜けて線量計を見ると、毎時30マイクロシーベルト。ほっとしたが、この数値も放射能で汚染されていない場所の600倍だ。
東電は2月24日、汚染配管の撤去に着手。大型クレーンでつり上げた切断装置を使い、遠隔操作で配管を切る作業は難航している。この日、2度目の挑戦で配管を切り始めたが、途中で切断器具が壊れた。
◆海洋放出に向けた準備着々
5、6号機前の護岸近くの敷地は、汚染水を浄化処理後の水の海洋放出に向けた設備の整備が進む。新造する海底トンネルの入り口となる立て坑(深さ16メートル)が掘られた。昨年12月に来た時は更地だったが、わずか3カ月で幅7メートル、長さ10メートルの大きな穴ができ、底で重機が掘削していた。
1、2号機排気筒近くの作業員は白い防護服で顔全体を覆うマスクをしていたが、ここでは通常の工事現場と変わらず軽装の作業服にヘルメット姿。線量も毎時0.32マイクロシーベルトと、除染後に人が住んでいる場所と変わらない。放射能汚染がいかに作業の進み具合に影響しているのかを実感した。
東電は来春に処理水の放出開始を目指して着々と準備を進める。一方で、放出に反対する漁業関係者らの理解は得られていない。
5時間半の原発構内の取材で、記者の被ばく線量は43.94マイクロシーベルトだった。
【関連記事】<詳報>進まぬ作業、遠い収束 事故から11年の福島第一原発ルポ
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素53掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素53掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。