http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/524.html
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「年3000回「針を刺す」子どもたち 1型糖尿病を「治る病気」にするために」
(HUFFPOST 2020/6/30)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/toshi3000kaihariwosasukodomotachi-1gatatonyobyowonaorubyokinisurutameni_jp_5ef2d10ec5b601e59956547f
患者・家族らでつくる団体が、再生医療研究への支援を呼びかけている。
生涯、注射を打ち続けないと生きることができない……あなたはそんな人生を想像できるだろうか。現在のところ根治法がない1型糖尿病の子どもたちは、年間3000回にも及ぶ「針を刺す」日々を送っているのだという。
この出口のない苦しみから子どもたちを解放し、普通の生活を取り戻すことを目指して、患者・家族らでつくる日本IDDMネットワーク(本部・佐賀市)は、iPS細胞から膵臓をつくる最先端の再生医療研究への支援をクラウドファンディング「A-port」で呼びかけている。
■ 根本治療は移植のみ インスリンが手放せない日常
1型糖尿病は、自己免疫の暴走によってインスリンをつくる膵島(膵臓内にある細胞群)β細胞が破壊され、血糖値を調節できなくなる難病だ。血糖値を下げる働きを持つインスリンが分泌されず、高血糖状態が続くと様々な合併症を引き起こす危険がある。
そのため、患者は1日に何度も針を刺して血糖値を測り、インスリンを4〜5回も注射し血糖値をコントロールしなければならない。国内の糖尿病患者約1000万人のうち、1型の患者は10万〜14万人と推定されている。
なぜ発症するのか、原因はわかっていない上、根本的な治療法としては膵臓、膵島移植しかないのが現状だ。周囲の理解と協力のもと、本人がインスリン注射などで血糖値を正しく管理できれば、健康な人と同じ生活をすることはできる。1型糖尿病と闘いながらプロで活躍するスポーツ選手もいるほどだ。
だが、小児期に発症するのはほぼ1型で、子どもたちは将来に続く長い人生を日々の痛みと不安を抱えながら生きていかなくてはならない。
4歳で発症した小学校2年生の女の子はこんなメッセージを寄せている。
「1日に何回もけっとうはかったりちゅうしゃをしなきゃいけないのがめんどくさいです。たまにいたいときがあるからいやです。いつもお母さんに聞いたインスリンのりょうをけいさんしてからじゃないと食べれないのでびょう気がなおったら、なんにも気にしないですぐに食べたいです」
■ 患者と家族を支援し、病気根絶のための研究もサポート
「泣き叫び逃げ回る子を抑えつけ針を刺すのは本当につらい。最初のうちは現実を受け入れられない親が少なくありません」
長男が1型糖尿病で、自身も患者である日本IDDMネットワーク職員、笹原加奈子さんはこう話す。
「発症原因もわからないので、どうしても親は自分を責めてしまいます。代われるものなら自分が代わってやりたい……といった思いに苦しみながら、状況を受け入れるのに1年から3年ぐらいかかるケースが多い。それだけに、この病気が治る方法があるかもしれないと想像するだけで涙がでてきます」
日本IDDMネットワークの「IDDM」とは、「インスリン依存状態」を示す英語の略語。同ネットワークはインスリンを常に補充しないと生活できない1型糖尿病患者を中心にその家族らとで1995年に設立された。
患者や家族への情報提供や交流、支援活動のほか、“1型糖尿病の根絶(=治療+根治+予防)”というゴールを目指し、2005年からは先進的な医学研究への資金助成にも取り組み、これまで4億円余を提供してきた。
■ 動物の体内でヒトの膵臓をつくる研究
今回支援を呼びかけているのは東京大学医科学研究所の山口智之特任准教授らが進める、iPS細胞を使って他の動物の体内にヒトの膵臓を作り出す研究だ。研究が成功すれば、膵臓、膵島移植のドナー不足や移植後の拒絶問題なども含めて一挙に解決する可能性が高く、関係者の期待は大きい。
山口特任准教授は2017年に世界で初めてマウスのiPS細胞からラットの体内に膵臓をつくりだし、大きな注目を集めた。
「胚盤胞補完法(はいばんほうほかんほう)」と呼ぶ手法で、「受精卵由来の細胞」と「iPS細胞由来の細胞」から成り立つキメラ動物のラットを生みだし、その体内でマウスのiPS細胞由来の膵臓を生成することに成功。さらにその膵臓から膵島を取り出し糖尿病のマウスに移植すると、その後マウスは免疫抑制剤なしで血糖値を正常に保つことができた。
この仕組みを人間に応用した場合のイメージ図がこちらだ。
https://img.huffingtonpost.com/asset/5ef2fc77220000a82c82b301.png
日本では2019年、ヒトのiPS細胞を使って動物の体内で臓器をつくる実験がようやく認められた。ヒトへの応用へ向けて新たな段階に取り組み始めた矢先に今回の新型コロナウイルス禍が起きてしまった。緊急事態宣言で大学への立ち入りも制限された。実験はリモートではできないため、6月に再開されるまで研究は約2カ月ストップしてしまった。
山口特任准教授によれば、世界では欧米の研究者が中国と協力して同様の研究を進めているという。「研究中断は残念だったが、遅れを取り戻し5年後の2025年のゴールを目指したい」と語る。
マウスからヒトへの応用について、「壁は高いが、培ってきた技術で乗り越えられる手応えもある」と話す。これまで日本IDDMネットワークが主催する交流会やォーラムに参加し、患者や家族の切実な思いを聞く機会も多かっただけに、研究の成功によって「日々不安を抱えて暮らしている患者さんに、普通の生活を取り戻してほしい」と願っている。
■ 不治の病を治る病気に。子どもたちに未来を届けたい
笹原さんは「自分は無理かもしれないが、子どもの世代には1型糖尿病が『治る』病気になってほしい。ヒトの膵臓を動物内でつくれるようになれば、他の病気への治療や応用も可能になるでしょう。社会貢献の一つとして、多くの皆さんに協力を考えてもらえれば」と話している。
■ 支援の受け付けは7月27日まで
今回のクラウドファンディングには、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長や1型糖尿病患者である阪神タイガースの岩田稔投手が応援メッセージを寄せるなど注目を集め、当初目標の500万円を6月中に達成した。
現在はネクストゴールとして800万円を目指しさらなる支援を呼びかけている。詳細はこちら。
(朝日新聞社デジタル・イノベーション本部 山内浩司)
------(引用ここまで)------------------------------------
1年ほど前の記事ですが、重要なので引用します。
小さい子が自分でインスリン注射する姿は衝撃的ですが、厳然たる事実です。
糖尿病には大きく分けて1型と2型があります。
運動不足や過食気味の中高年に多い、いわゆる生活習慣病としての糖尿病は2型で、
膵臓でインスリンは分泌されるものの、働きが悪かったり分泌低下で血糖値が下がらなくなります。
糖尿病の95%はこの2型です。
これに対し、1型糖尿病は膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる部分にあるβ細胞が障害されて
インスリンを産生できなくなった結果、高血糖状態が続くので、注射によってインスリンを
補う治療が必要です。
チェルノブイリ事故後、とくに放射能汚染のひどい地域で、明らかに1型糖尿病が増えています[1][2]。
ストロンチウム90が壊変したイットリウム90が膵臓に集中してダメージを与え、その結果、
1型糖尿病を発症すると指摘されています[3][4]。
また、セシウム被ばくにより胎児の膵臓の発達が阻害され、その結果、糖尿病が増えるという
指摘もあります[5]。
上の記事では発症原因は不明と言っていますが、まちがいなく福島原発事故による
内部被ばくの影響でしょう。
とくに、現在10歳までの子供は、胎児のときに被ばくしている可能性もあります。
治療法の開発よりも、まず食品汚染検査を厳格にして、内部被ばくを減らす努力が必要です。
このままでは糖尿病を抱える子供が激増し、悲惨なことになるでしょう。
(関連情報)
[1] 「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌 5.3 内分泌系の疾患 (p.72-73)」
(アレクセイ・V・ヤブロコフ他 岩波書店)
[2] 「第7章 チェルノブイリ事故によるその他の病気」
(原発の危険から子どもを守る北陸医師の会 2012/3/7)
http://isinokai.churaumi.me/2012/03/07/chapter7/
[3] 「糖尿病の激増とストロンチウム90による内部被曝との関係 カレイドスコープ」
(阿修羅・お天道様はお見通し 2015/11/25)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/395.html
[4] 「1粒で2度危ないストロンチウム90」 (拙稿 2015/6/16)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/232.html
[5] 「これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します (独・ジーデントプフ博士)」
(拙稿 2011/12/29)
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/694.html
[6] 「<死んじゃう>1型糖尿病患者(自己免疫疾患の方)“いきなりの”障害年金打ち切り!
⇒弁護団「社会保障費を抑えるために…」 (拙稿 2017/12/1)
http://www.asyura2.com/17/senkyo236/msg/562.html
[7] 「小学生7割に動脈硬化や糖尿病リスク 釧路初のキッズ健診で判明 (北海道新聞)」
(拙稿 2017/3/3)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/607.html
[8] 「避難者の糖尿病「1.6倍」 原発事故後の南相馬、相馬 (福島民友)」 (拙稿 2016/2/7)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/801.html
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