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「『40年超原発』再稼働へ立ちはだかる壁 安全性懸念、行き詰まる中間貯蔵先探し」
(毎日新聞 2021/1/10)
https://mainichi.jp/articles/20210110/k00/00m/040/152000c
運転開始から40年を超える関西電力の美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働に向け、地元の同意プロセスが進んでいる。ただ、老朽原発の安全性には懸念の声が根強いほか、県が同意の前提とする使用済み核燃料の「県外」での中間貯蔵先探しも行き詰まったまま。国内初の「40年超原発」の再稼働には、高いハードルが立ちはだかる。
「原発から抜けられない町」、本心は「ノー」
関電は経営面から一日も早い再稼働を目指し、美浜3号機を2021年1月、高浜1、2号機を3月以降に再稼働させる工程を示しているが、実現のめどは立っていない。
原発の寿命が「40年」とされたきっかけは、11年3月の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故だ。「原子炉の圧力容器が中性子の照射を受けて劣化する時期の目安」として、13年7月の改正原子炉等規制法で原発の運転期間が原則40年と定められた。ただ、基準を満たせば1度に限り最大20年の延長が認められ、美浜3号機と高浜1、2号機は原子力規制委員会の審査をクリアした。今後、30年までに全国の原発11基が運転開始から40年を迎えるため、関電3基の再稼働が試金石となる。
しかし、安全面で課題も指摘されてきた。関電が09年に高浜1号機で実施した検査では、60年運転時点の脆性(ぜいせい)遷移温度(圧力容器の劣化を示す指標)の予想値が97度となり、廃炉以外の原発で最高を記録。この値が100度程度に高いと圧力容器が破損する恐れがあるとされ、長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産管理システム工学)は「過去の検査に比べ09年の結果を見ると脆化(もろくなる)スピードが速まり、余裕がなくなった。次の検査でさらに予想値が高くなる可能性がある」と指摘。関電は「脆化の程度が大きいのは事実だが、地震や事故に耐えられることは確認している」と反論する。
再稼働には県や原発の立地自治体の首長と議会の同意が必要とされる。「再稼働への理解と協力をお願い申し上げる」。経済産業省資源エネルギー庁の保坂伸長官は20年10月16日、福井県庁などを訪れ、40年超原発3基の再稼働への協力を県などに要請した。これを受け、立地自治体である高浜、美浜両町の議会は11〜12月に再稼働を求める請願を相次いで採択し、早々に同意。両町長も近く同意の意思を示す見通しだ。
------(引用ここまで)-------------------------------------
鉄などの金属は粘り強さがあるのですが、温度が低下するとガラスのように脆くなります。
この温度を脆性遷移温度と言います。
通常はこの遷移温度は零下数十度ですが、強い中性子線にさらされると劣化が進み、
どんどん上昇していきます。
要するに高い温度でも脆く割れる可能性が出てくるのです。
一番恐れられているのが、何らかのトラブルで大量の冷水を原子炉に注入した場合です。
熱衝撃に耐えられず、一気に破壊が進んでしまうのではないかと懸念されています。
熱湯を入れた器をいきなり氷水に放り込むようなものです。
電力会社は試験片を炉内に入れて中性子線に晒しチェックしているので大丈夫と
言っていますが、原子炉の構造は複雑でさまざまなストレス(力)が加わっており、
試験片と同じとは言えません。
脆性遷移温度以外にも、長期間の運転で各部位にさまざまな劣化が生じます。
もともと寿命は30年として設計されたものを、いつのまにか40年にし、
さらに60年に延ばすなど無茶もいいところです。
もう原発は新設・増設が難しいので現行の老朽原発を無理して使わざるを
得ないわけですが、当然それだけ事故は起きやすくなります。
老朽原発の無理な延命はやめ、すみやかに廃炉にすべきです。
(関連情報)
「「脆化」とは何ですか」 (九州電力)
http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/nuclear/nuclear_irradiation_faq.pdf
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