>>03さん。感想ありがとうございます。昔のプロレスは本当に面白かったですね。今はブックがあってその通り興行が運ぶって誰でも知ってるけど、昔はもしそんなこと言ったりしたらファンたちからどつかれたほどです。ブックがあるなんて想像もできないほど、興奮したものです。 昔はレスラーもそうだけど、筋書きをつくる人も本当、すごかった。これはプロモーターの手腕です。それでダントツだったのが、「デトロイトの帝王」ザ・シーク。彼は「尊敬されるヒール」と呼ばれました。 彼は1964年、38歳の時にデトロイト地区の興行権を買い取って自らの興行会社を設立。この時代からプロモーターの色彩が強くなっていきますね。1977年12月の「世界オープンタッグ選手権」でブッチャーがテリー・ファンクの腕にフォークを突き刺すシーン。あの攻撃は、ザ・シークに倣ったものです。 確か1974年にザ・シークが売り出し中の若手ダスティ・ローデスと対戦した時のこと。シークがローデスの左腕に凶器を突き刺した。血が流れ観客はブーイング。痛みに耐えたローデスがシークに怒りのナックルパートを見舞い、観客は大興奮。 この手法は、シークが新人を売り出す時に使っていたのです。凶器で攻撃して自分が観客の怒りを一身に浴びる。やられていた新人が痛みに耐え抜いて反撃に転ずる。これ見て観客は大興奮。シークの観点は、興行主(プロモーター)ですから、これで大成功。彼の興行は、その観点がないと理解できません。 日本では対決していたシークとドリー・ファンク・ジュニアですが、アメリカでは普通に組んでいました。その興行ですが、ドリーがシークを気遣っているシーンが印象的です。プロモーターとして、ザ・シークは尊敬されていたのです。ちなみに二人ともNWAの役員です。 SHEIK & DORY FUNK vs STASIAK & DON KENT Detroit Big Time Wrestling https://www.youtube.com/watch?v=nM6w3hyxSEw ●日本では考えられないタッグチームですが、これ1977年ですのでザ・シークは51歳。その歳なのに、これだけ動ける。しかも03:11のところに注目。相手の足の取り方がうまい。本当に基本のしっかりしたプロレスラーだったのです。 時は流れ、ザ・シークは大仁田のFMWに参戦し、最後は日本における引退興行を行った。その中で彼は「日本のファンは世界一です。」と褒めてくれた。これ、プロモーターの視点で言ってるんですね。アメリカじゃ興奮した観客がナイフを持って襲い掛かってくることありますから。だからアメリカの会場ではガードマンが何人もいます。
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