>>2のつづき 米国・ブラウン大学の調査によると、イラク・アフガニスタン戦争に投入された戦費は2兆3000億ドル、兵力は約230万人、戦死者は米軍6000人、イラク軍9900人、アフガン治安部隊8800人、反政府勢力2万人、一般市民17万2000人に達するという。国家財政は長引く戦闘によって圧迫され、赤字額は2009年から2012年まで毎年1兆ドルに達する。オバマ政権は量的緩和策をとり国債の引き受けを各国に依頼し莫大な欠損を補填したが、発行残高が連邦法で定められた上限14兆2900億ドルに達し、デフオルト(債務不履行)寸前まで追い詰められた。 ○「ローマの繁栄は自らの生産によるものでなく、略奪と奴隷によるものだった。」 清水馨八郎(千葉大学名誉教授) ○日本国においては大震災と原発事故による未曾有のパニックのなかで増税が強行され、TPPにより輸入障壁が撤廃され、言論統制が実践されようとしているのだが、この図式はイラクヘの大規模攻撃後に米軍が民間シンクタンクとともに乗り込み、一切の国内法を改正し、自由貿易の推進、社会保障費削減、資本規制撤廃などの強行によって公共資源を略奪した行為と完全にシンメトリー(対称調和)を成している。被侵略国の民衆が侵略国の奴隷になるという制式は歴史の普遍原則であり、不可視的な実効支配は大陸を隔てた二国間において同期しているといえるだろう。 ○「経済力で悪魔(アメリカ)に奉仕してきた日本人に天罰がくだった。」 ムアンマル・カダフィ(リビア国革命指導者) 2001年にノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツは、イラク戦争で日本国が拠出した戦費は30兆円を突破していると推計した。しかし別途に日本国は米国債の決済代金として100兆円を拠出し、これが軍事費に転用され、さらにその間の急激な円高により約40兆円もの為替損が発生したことから、実賢70兆円の負担をしたとの見方が強い。カダフィの言葉は、湾岸戦争において米国を支援した日本国が阪神大震災に見舞われたことに対する揶揄であるが、当時の戦費拠出は1兆8000億円程度に過ぎなかった。 ○「文明の規準を向上させるために利用すべき資金が、生まれるべきではなかった人々のために使われている。」フランシス・ゴルトン(イギリスの人類学者) 〜ジョージ・W・ブッシュの曾祖父であるプレスコット・ブッシュが1926年から1942年までナチス・ドイツヘ投資を行なっていたことが、米国公文書により明らかとなった。ブッシュはドイツにファンドを設立し、軍需物資による投資を行ない莫大な利益を確保したという。当時のドイツにはスタンダード石油、GM、フォード、デュポン、IBM、ゼネラル・エレクトロニクス、JPモルガン、チェース・マンハッタンなど米国企業が進出している。これにより米国資本がナチスの軍事費へ還流され、ホロコーストの原資となった。なお、ユダヤ民族の浄化というナチズムの核心は、ゴルトンの優生学思想が基礎であるとされている。 __
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