弾道ミサイル(だんどうミサイル、英: ballistic missile)は、大気圏の内外を弾道を描いて飛ぶ対地ミサイルのこと。 弾道弾とも呼ばれる。 弾道ミサイルは最初の数分の間に加速し、その後慣性によって、いわゆる弾道飛行と呼ばれている軌道を通過し、目標に到達する。 解説 弾道ミサイルとは http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2003/2003/html/1563c100.html
1 弾道ミサイルの特性 ミサイルは、ロケットエンジンやジェットエンジンを使って目標に向かって飛ぶ兵器であり、目標破壊のための弾頭、飛行制御のための誘導制御部、エンジンなどの推進部などから構成される。このうち弾道ミサイルは、主にロケットエンジンで推進し、発射後、上昇しながら速度を増しロケットが燃え尽きた後はそのまま慣性で飛翔するため、放物線を描いて目標地点に到達する。 弾道ミサイルは、空気が非常に薄く、抵抗が少ない大気圏の高層や宇宙空間といった高々度を飛行するため、同じエネルギーでもより遠距離に到達することが可能であり、また、大気中を飛行する航空機や巡航ミサイルよりも高速となる。このため、一般的には、「長射程」、「高速」、「高々度」などの特徴を有するが、具体的には次のとおりである。 射程:短いもので数十km、長いものは1万km以上(東京・朝鮮半島間約900km、東京・ハワイ間約6,400km) 速度:射程1,000km級の弾道ミサイルの最高速度は毎秒約3km(マッハ約9)(航空自衛隊の要撃戦闘機F-15の最高速度の約4倍) 高度:数百kmから1,000km以上(射程1,000km級の弾道ミサイルの最高高度は約300km。旅客機の飛行高度は約10km) このように、遠距離から発射され、高々度を超高速で飛行する弾道ミサイルを探知することは非常に困難であり、また、極めて短時間で目標に到達することから、仮に探知できた場合でも、対処のために許される時間は極めて限定される。 2 弾道ミサイルの脅威 弾道ミサイルは、大量破壊兵器(核・生物・化学兵器)と組み合わせて使用すると、相手に深刻な被害をもたらす重大な脅威となる。 仮に、核弾頭搭載の弾道ミサイルの攻撃を受ければ、大量の死傷者のみならず、放射能による広範囲の汚染により健康に重大な被害を受ける人が多数発生することが予想される。 また、生物・化学兵器は、不明な部分が多く被害の見積もりは困難であるが、オウム真理教による「地下鉄サリン事件」や米国での一連の炭疽(たんそ)菌入り郵便物事案などを考慮すれば、仮に、弾道ミサイルと組み合わせて使用された場合、多数の人に深刻な被害を与える可能性がある。 さらに、これらの使用をほのめかすだけでも心理的効果は非常に大きいと考えられる。 近年、国際社会では、このような大量破壊兵器と弾道ミサイルの無秩序で急速な移転・拡散が新たな脅威として懸念されている。特に、弾道ミサイルは、東西冷戦の終結後に、一部の保有国から多数の国・地域へ輸出されたため、現在、50か国近い国々が保有するに至っており、長射程化に向けた動きも見られるところである。 実際にアジアでも多数の弾道ミサイルが配備されており、わが国を射程に収めるものもあると考えられる。また、保有国にわが国への攻撃の意図がなくても、偶発的・突発的に発射される可能性も否定できない。わが国も現実に弾道ミサイルの脅威に直面しており、何らかの有効な防御手段の保有を検討することが必要である。 ロシア、極超音速ミサイルの実戦配備を発表 2019.12.29 Sun posted at 14:45 JST https://www.cnn.co.jp/world/35147526.html
極超音速(ハイパーソニック)兵器は通常、マッハ5の速度を持つと規定される。発射後に宇宙空間に到達し、その後、降下して航空機と似た飛行経路を高速で進む。より低い弾道では米国のミサイル防衛システムを突破し、レーダー探知も困難とされる。 ロシアの国営タス通信は以前、アバンガルドは大陸間弾道ミサイルの射程を持ち、最高速度はマッハ20とも報じていた。 ロシアは2018年にアバンガルドの試験を発表。プーチン氏は当時、米ミサイル防衛システムを回避出来る能力を保持し、「迎撃不可能」とも誇示。また、ハイパーソニック能力を持つ海中無人艇も開発中と公言していた。 ただ、米国の軍事専門家はロシアの極超音速ミサイルシステムの軍事能力を疑問視してもいる。ロシア北部の軍実験場では今年、新型ミサイルの試験に失敗したとも伝えられる。 プーチン大統領は今月24日には、自国の極超音速兵器の優位性に言及し、「他国は追いつこうと試みている」とも自賛。ロシア国防省の幹部会合で、大陸間弾道ミサイルも含め極超音速兵器を保持している国はないと主張していた。 ロシアが戦略演習開始 弾道ミサイル発射、米国牽制か 2019.10.16 17:46 https://www.sankei.com/world/news/191016/wor1910160030-n1.html
【モスクワ=小野田雄一】ロシア国防省は15日、定例の戦略兵器運用演習「グロム2019」を露各地で開始した。露メディアが伝えた。17日までの演習期間中には、大陸間弾道ミサイル「ヤルス」や潜水艦発射型弾道ミサイル「シネバ」など計16基のミサイル発射も予定されている。 露経済紙RBKによると、2017年の同演習で発射された弾道ミサイルは4基のみだった。米露間の中距離核戦力(INF)全廃条約が失効し、21年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)の延長協議も難航が予想される中、ロシアには核戦力を誇示し、米国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。 イタル・タス通信によると、露国防省は14日、各国の駐在武官を対象に演習の事前説明会を実施。ヤルスとシネバの発射は極東カムチャツカ半島の演習場で、別の弾道ミサイル「RSM50」の発射は露北西部アルハンゲリスク州の演習場で実施すると予告した。演習は特定の国を想定しておらず、純粋な国防目的のものだとも説明した。 潜水艦発射型の弾道ミサイルはINF全廃条約の規制対象外。新STARTも大陸間弾道ミサイルの保有自体は禁止していない。
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