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(回答先: 「集団免疫戦略 真似しないで」 スウェーデンの医師・科学者が意見投稿 投稿者 中川隆 日時 2020 年 8 月 11 日 21:52:46)
日本は運が良かっただけ
上久保靖彦・京都大学大学院医学研究科特定教授と高橋淳・吉備国際大学教授は「武漢型」の流行以前に出現していた新たなウイルスの型を特定した上で、「日本の入国制限が遅れたことが結果的に奏効した」と結論づけている。
どういうことだろうか。
上久保氏らが注目したのは「ウイルス干渉」という現象である。ウイルス干渉とは、1個の細胞に複数のウイルスが同時に感染したときに、一方のウイルスの増殖が抑制されることを指す。
日本では昨年秋からインフルエンザの感染が始まっていたが、その後感染の拡大が止まってしまった。上久保氏らは「この現象は新型コロナウイルスの未知の型がインフルエンザの感染拡大を抑えたのではないか」と考えたことで、これまで見過ごされてきた新型コロナウイルスの型を2種類(S型とK型)発見することに成功したという。
上久保氏らが発見したとされるS型のウイルスは昨年10〜12月に、K型のウイルスは12月から今年2月にかけて広まったとされているが、2種類のウイルスはその後に発生・急拡大した「武漢型」との関係で大きな違いがあるようだ。
具体的に言えば、S型に感染したことがある細胞は、その後武漢型ウイルスの侵入が容易になる傾向があるのに対し、K型に感染したことがある細胞は、武漢型ウイルスの侵入を防ぐ機能を有することになるのである。このことは、武漢ウイルスにとって、S型がアクセルの働きをするのに対し、K型はブレーキの役割を果たすことを意味する。
S型とK型に共に感染すればその効果を打ち消しあうだろうが、S型にのみ感染すれば武漢型ウイルスの被害を助長することになる。
ここで問題になるのは各国の入国制限措置の発動時期である。
中国の武漢市が1月23日に封鎖されたことを受け、イタリアは2月1日、中国との直行便を停止し、米国も同2日、14日以内に中国に滞在した外国人の入国を認めない措置を実施した。
これに対し、日本が発行済み査証(ビザ)の効力を停止し、全面的な入国制限を強化したのは3月9日だった。入国制限が遅かったことから、「大量の中国人が入国したことにより、日本での感染拡大が生じた」との批判が生じたが、入国制限が遅れることにより、K型(武漢型に対するワクチン)が日本で広がるという幸運に恵まれた。
皮肉としか言いようがないが、日本よりも1ヶ月も早く入国制限を実施した欧米ではK型の流行を防いでしまい、集団免疫ができるチャンスを逸してしまったのである。
欧米での新型コロナウイルスによる重症者は発症者の20%であるのに比べ、日本では5%と低い率であるという事実は、これによりある程度説明できるのではないだろうか。
以上が「日本は入国制限が遅れたことで結果的に新型コロナウイルスに対して集団免疫が確立された」という上久保氏らの主張であるが、これが正しいとすれば、日本が幸運だった側面が初めて明らかになったことになる。
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