DNAからすると縄文時代以前の日本の旧石器時代人はすべて絶滅しています: 石垣島で国内最古の全身人骨発掘 関連の学会や研究機関では大変話題になっている報告です。紹介するのは2017/5/21の朝日新聞の記事です。沖縄群島が日本人の「先祖の系統の一つ」を考察するうえで非常に重要であることがまた裏ずけられました。 1.オーストラロイドでしょう。 縄文草創期の港川人はオーストラロイド似(恐らくY-DNA「C1a1」)であることは既に研究機関の復元顔が報告されていますが、 弟遺伝子亜型と考えられるオーストラリアのアボリジニ(Y-DNA「C1b2b」)は50,000年前には既にサフール大陸 (ニューギニア島とオーストラリア大陸が一つの大陸に繋がってころの大陸名)に上陸していたことは 欧米の研究で報告されています。 つまりニューギニア高地人(ラニ族やダニ族など:Y-DNA「C1b2a1c」)やオーストラリア・アボリジニ(Y-DNA「C1b2b」)より古い 兄Y-DNA亜型を持つ縄文人の一系統である海洋性ハンターのY-DNA「C1a1」は 少なくとも同じころにはヤポネシア列島に上陸していてもおかしくはないのです。 Y-DNA「C」系統の中で最も古い亜型が日本列島から検出されているのです。 日本列島は少なくとも数万年以上まえから、遺伝子の吹き溜まり(最終到達地)となり 極めて古い亜型がそのまま残っている希少な価値を持つ唯一の「先進国家」なのです。 2.主要な遺伝子亜型の入れ替わりがあったようです。 今回の発掘の価値は、遺伝子亜型入れ替えの可能性が求められることにあります。 これまでの国内のY-DNA調査では現代石垣島はY-DNA「O1b2」つまり弥生農耕民亜型が60%近くを占める弥生系世界のようです。 日本列島の中で最も弥生度の高い地域と思われるのです。 ところがもっと古い時代は沖縄本島と同様の縄文系の世界であることが今回判ったのです。 縄文系精神風土の石垣島に、南下してきた稲作農耕民が移住し多数派になり精神風土が弥生系に変わったと考えられます。 沖縄の中でも独特な石垣島の精神風土は支配層の遺伝子亜型の違いによるものかもしれません。 沖縄群島は縄文でひとくくりにされる単純な文化/精神風土地域ではないのです。 かと言って台湾との接点は現在全く検出されていません。台湾の先住民の遺伝子型はY-DNA「O1a1a」で楚系の集団と考えられます。 この楚系遺伝子亜型は石垣島では検出されず、むしろ本州の中国地方で高頻度で検出され、中国地方が日本の中でも 特異な地域(吉備氏が代表か?)であることが判っています。 石垣島の農耕民遺伝子は現代のY-DNA調査では、台湾からではなくxx半島から九州経由で南下してきたと考えるのが妥当です。 但しこの調査研究報告は若干古く、報告された弥生系の亜型は満州、xx半島や日本の一部でも検出されるオリジナル 呉系のY-DNA「O2b2」か、 縄文と交配し分化した日本独自のY-DNA「O2b2a1a1」かどうかまでは踏み込んではいません。 つまり水田稲作農耕文化民が満州からxx半島経由で南下し一気に石垣島まで移住してきたのか、九州で独自亜型に分化してから 南下してきたのかはまだわからないのです。 http://garapagos.hotcom-cafe.com/1-4,16-5,19-12,19-13.htm#1-4 南洋から日本に漂流してきても生き延びられるのは精々2世代でしょうね。
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