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ロシアとの戦闘で敗色濃厚のゼレンスキー政権はポーランドに接近
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205290000/
2022.05.29 櫻井ジャーナル
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー政権はポーランドに接近している。そのポーランドはウクライナの西部を占領しようとしていると噂されていた。西側有力メディアの宣伝とは違い、ウクライナの軍や親衛隊はロシア軍に太刀打ちできていないようだ。ゼレンスキー政権は親衛隊に対して「玉砕」を命令していたが、兵士は人質の市民に脱出させ、自分たちは降伏している。住民が解放されたことから西側の政府や有力メディアの嘘が明白になった。
カトリックという共通する宗教が存在することもあり、1922年に中央ヨーロッパの統一を目的とするPEU(汎ヨーロッパ連合)が創設されている。その中心グループにはオーストリア・ハンガリー帝国のオットー・フォン・ハプスブルクやリヒャルト・フォン・クーデンホーフ-カレルギー、またイタリアのバレリオ・ボルゲーゼ、イギリスのウィンストン・チャーチルがいた。
このプランは「ポーランド・リトアニア連邦」の復活を夢見るポーランド人一派の思いとも一致する。カトリック圏だということや反ロシア感情もあり、ポーランドでは1925年に「プロメテウス同盟」という地下組織が編成され、一時期はウクライナ人も参加している。
ローマ教皇庁の内部には、大戦の前からバルト海からエーゲ海までの中央ヨーロッパをカトリックで統一しようという勢力が存在した。「インターマリウム」だ。その組織はイギリスやフランスの情報機関から支援を受け、国家間の勢力争いと深く結びつくが、こうした動きは現在にもつながっている。
ところで、今年2月24日にロシア軍がウクライナを攻撃した当初から、キエフ政権の治安機関であるSBU(ウクライナ保安庁)はロシアと話し合いで問題を解決しようと考える市長を処分している。ウクライナ国民から信頼されていないことを自覚しているのだろう。
例えば、ルガンスクのボロディミル・ストルク市長は3月1日に誘拐され、拷問された上で胸を撃たれて死亡。3月5日にはロシアと交渉しているチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上でSBUの隊員に射殺され、3月7日にはゴストメル市長だったのユーリ・プライリプコの死体が発見された。ウクライナでは11名の市長が行方不明だとも言われている。
ウクライナの治安機関でCIAの下部機関でもあるSBU(ウクライナ保安庁)は反クーデター派を誘拐したり、拷問したり、暗殺してきたが、元SBU将校のバシリー・プロゾロフによると、SBUには「死の部隊」がある。
SBUのチームによる「国賊狩り」が行われる中、4月21日にはウクライナの南部にあるミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組に登場、「全ての裏切り者を処刑する」と語った。そうした処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているともいう。キムにとって「裏切り者」とはゼレンスキーの政策に同意しない人びとだ。そのゼレンスキー政権は2022年3月19日に11の野党を禁止、政府の政策を支持する放送局以外のメディアは消えたと言われている。これが西側支配層の考える「民主主義体制」なのだろう。
そして西側の有力メディアはゼレンスキー政権の宣伝を垂れ流してきた。ロシアは残虐であり、ウクライナは勝利するというハリウッド好みの「勧善懲悪」的なシナリオだが、事実が伴っていないことは情報を分析していれば明白だった。シナリオが荒唐無稽すぎるのだ。
ドンバスでの戦闘は2013年11月から14年2月にかけてのクーデターから始まったのだが、このクーデターの黒幕はアメリカのバラク・オバマ政権であり、戦闘の主力はNATOの訓練を受けていた「右派セクター」をはじめとするネオ・ナチだ。東部や南部を支持基盤としていたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除することが目的だった。
キエフの状況を知った東部や南部の人びとはクーデターを拒否、自立の道を選ぶ。最も素早く動いたのはクリミアの住民で、3月16日には住民投票を経てロシアと統合する道を選んだ。80%を超える住民が投票に参加して95%以上が加盟に賛成している。
やはり反クーデターで住民が動いていたオデッサではネオ・ナチが住民を虐殺、5月9日にキエフのクーデター政権はドネツクのマリウポリへ戦車部隊を突入させ、住民を殺している。デレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りした6月2日にキエフ政権はルガンスクの住宅街を空爆した。
そうした軍事的な圧力の中、5月11日にドンバスでも自治(ドネツク)や独立(ルガンスク)の是非を問う住民投票が実施されている。その結果、ドネツクでは89%が賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が賛成(投票率75%)。この結果を受け、ドンバスの住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア側に動きはほとんどなかった。
オバマ政権はクーデター体制の軍事力をテコ入れするため、CIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込み、傭兵会社「アカデミー(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名をウクライナ東部の制圧作戦に参加したと伝えられた。またCIAは2015年からウクライナの特殊部隊員をアメリカ南部で訓練しているという。
最近では、ル・フィガロ紙の特派員、ジョージ・マルブルノがウクライナの状況を報告している。取材を終えてウクライナから帰国した後、アメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)が戦闘に参加している事実を伝えたのだ。
ネオ・ナチの指導者であるドミトロ・ヤロシュクーデター後の2014年3月に声明を発表、その中でチェチェンやシリアでロシアと戦ったサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)などイスラム系の武装集団への支援を表明している。
ヤロシュはドロボビチ教育大学の学生だった時、ワシル・イワニシン教授から学んでいる。この教授はステパン・バンデラ派のOUN-B人脈が組織したKUN(ウクライナ・ナショナリスト会議)の指導者グループに属していた。
イワニシンが2007年に死亡するとヤロシュが後継者になる。このタイミングでヤロシュはNATOの秘密部隊ネットワークに参加したと言われている。その当時、アメリカのNATO大使を務めていた人物がクーデターを指揮することになるビクトリア・ヌランドだ。
その年の5月にウクライナのテルノポリで開かれた欧州のネオ・ナチや中東の反ロシア・ジハード主義者を統合するための会議で議長を務めている。この段階でネオ・ナチはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団と連携していたと言えるだろう。いずれもアメリカやイギリスの支配層が傭兵として使ってきた。ドンバスでの戦闘で全面に出ているウクライナ内務省の親衛隊はネオ・ナチを中心に編成された武装集団だ。
ヘンリー・キッシンジャーは5月23日、ダボスで会議を開かれているWEF(世界経済フォーラム)の年次総会でバーチャル演説を行い、2カ月以内にウクライナでの戦闘を終えるための交渉をはじめるべきだと主張した。ロシアとの戦争を避けるためにゼレンスキー政権はロシア側の要求を全て呑み、ドンバスやクリミアのロシアへの割譲を認めるべきだとしている。その上で中立国になり、ロシアとヨーロッパの架け橋になることが究極の目標だというのだ。
しかし、アングロ・サクソンには19世紀からロシアを制圧して世界の覇者になるという戦略を捨てられない人びとがいて、キッシンジャーの提案に反発している。5月24日に投機家のジョージ・ソロスは生命を発表し、2月24日に始まったロシア軍の攻撃によって「第3次世界大戦」が始まったのかもしれないとし、「西側文明」は「生き残る」ため、できるだけ早くロシアを打倒しなければならないと主張したが、これもそうした考えの表れだ。
ソロスのような考え方をする人はアメリカには少なくない。例えば、ジョー・バイデン大統領、国務省やCIA、戦争に積極的で、フィリップ・ブリードラブ元SACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)などだ。ネオコンは一般的にそう考えているようだ。ブリードラブは核戦争への恐怖がウラジミル・プーチン露大統領に対する適切な対応を西側にとらせないと主張しているが、この人物も「第3次世界大戦」を考えている。
1991年12月にソ連が消滅、それから間もない92年2月にネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと考え、アメリカの国防総省はDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。その中心が国防次官のポール・ウィルフォウィッツだったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。
しかし、アメリカ支配層の内部にも単独行動主義を危険だと考える人がいた。その中にはジョージ・H・W・ブッシュ大統領、ブレント・スコウクロフト国家安全保障補佐官、ジェームズ・ベーカー国務長官も含まれている。このブッシュ政権は1期だけで終わった。
2001年9月11日の出来事があって以降、こうしたグループの活動は目立たなくなったが、ネオコンの戦術が度を過ぎたり、行き詰まれば状況は変わるだろう。それをキッシンジャーの動きは象徴しているように見える。
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