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ルビコンを渡ったバイデン政権はロシアを破壊するまで戦争をやめられない
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205170001/
2022.05.18 櫻井ジャーナル
第2次世界大戦後、世界の少なからぬ国はアメリカに従属した。その支配システムを支えてきたドル体制が揺らいでいる。2013年7月から20年3月までイングランド銀行の総裁を務めたマーク・カーニーもドル体制は終わると考え、各中央銀行が管理するデジタル通貨のネットワークを作ろうと語っている。
彼ら西側の私的権力は新通貨システムを基盤にして自分たちの新しい時代を築こうとしているが、そうした計画を実現する上で障害となる国が存在する。中国とロシアだが、いずれの国も一度は欧米の私的権力に屈服していた。
中国の場合、1980年9月にミルトン・フリードマンが訪問した後に新自由主義を導入。1991年12月のソ連消滅でロシアは欧米資本の属国になったものの、21世紀に入ってウラジミル・プーチンが登場すると再独立、中国は2013年11月から14年2月にかけてのウクライナにおけるクーデター以降、アメリカを警戒してロシアと「戦略的同盟関係」を結んだ。そこでアメリカの私的権力はロシアと中国、両方を相手にせざるをえなくなり、台湾周辺での軍事的緊張の高まり、ウクライナでの戦争につながった。
ヘンリー・キッシンジャーなど前の世代の人びとはロシアと中国を分断させることに心を砕いていたが、ジェラルド・フォード大統領の時代に台頭したネオコンは強引で、ウクライナではネオ・ナチを使ったクーデターを実行、結果としてロシアと中国を結びつけてしまう。
その失敗を取り戻そうとネオコンは必死で、ネオコンに担がれているジョー・バイデンは大統領に就任して早々、ロシアに対する軍事的な挑発を始め、ルビコンを渡った。つまり回帰不能点を超えた。勝利できなければ破滅してしまう。
ウクライナの治安機関でCIAの下部機関でもあるSBU(ウクライナ保安庁)は反クーデター派を誘拐したり、拷問したり、暗殺してきたが、元SBU将校のバシリー・プロゾロフによると、SBUには「死の部隊」がある。
SBUのターゲットのひとりはルガンスクのクーデター政権が支配している地域の市長で、ロシア話し合いでの解決を目指していたボロディミル・ストルク。3月1日に誘拐され、拷問された上で胸を撃たれて死亡した。
また、3月5日にはロシアと交渉しているチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上で治安機関SBUの隊員に射殺されている。3月7日には殺されたゴストメルのユーリ・プライリプコ市長のしたいが発見された。ウクライナでは11名の市長が行方不明だとも言われていた。
そして4月21日、ウクライナの南部にあるミコライフ州のビタリー・キム知事は「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と語った。そうした処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているともいう。キムにとって「裏切り者」とはウォロディミル・ゼレンスキーの政策に同意しない人びとだという。
こうした治安対策はアメリカの手先になっている軍事政権や占領軍がやること。ゼレンスキー政権はウクライナ国民を信頼できなくなっているのだろう。
バイデン政権は傭兵や高性能兵器をウクライナへ送り込んでいるだけでなく、CIAのエージェントやデルタ・フォースの隊員を戦闘に参加させているようだ。またイギリスはMI6のエージェントはSASの隊員を送り込んでいるという。すでに米英とロシアがウクライナで軍事衝突しているということだ。
軍事力を前面に出すと核戦争になるが、2013年5月から16年5月までSACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)を務め、ネオコン/シオニストと強く結びついているフィリップ・ブリードラブ大将に場合、核戦争への恐怖がプーチンに対する適切な対応を西側はとれないのだと主張している。
米英両国はロシアを破壊するつもりであり、これができないなら人類の破滅も辞さない覚悟だ。話し合いで「軟着陸」など期待できない。ロシア政府はアメリカが始めた経済戦争を利用して勝利するつもりのようだ。戦いが長くなればなるほど欧米は苦しくなる。アメリカの民主党は中間選挙で負けるわけにもいかない。今年中に勝負をかけてくる可能性がある。
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