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NATOへの加盟は米英両国への従属国になることを意味する
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205160000/
2022.05.16 櫻井ジャーナル
フィンランド政府は5月15日、NATO(北大西洋条約機構)へ加盟する意向であることを正式に表明した。NATO加盟国であるトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はDHKP/C(革命的人民解放戦線とPKK(クルディスタン労働者党)を受け入れているフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟することに反対しているが、ロシアに圧力を加えたいアメリカは両国の加盟を後押ししている。
ウクライナで戦争が行われている原因はアメリカやイギリスが2014年2月のクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を暴力的に倒し、ウクライナをEU、そしてNATOへ強引に引き込もうとしたからである。ドイツが1941年6月に始めた「バルバロッサ作戦」をロシア人に思い起こさせる行為だったはずだ。
この作戦でドイツ軍は310万人を投入、西側には約90万人だけを残すだけだった。非常識と言わざるをえないが、これはアドルフ・ヒトラーの命令で実行された。ドイツ軍は7月にレニングラードを包囲、9月にはモスクワまで80キロメートルの地点に到達。10月の段階でドイツだけでなくイギリスもモスクワの陥落は近いと考えていたが、年明け直後にドイツ軍はモスクワで敗北してしまう。この戦いが大きな節目になったようだ。ドイツ軍は1942年8月にスターリングラード市内へ突入するものの、ここでもソ連軍に敗北して1943年1月に降伏。この段階でドイツの敗北は決定的だった。このバルバロッサ作戦にフィンランドはドイツ側について戦っている。
1991年にソ連が消滅して以降、NATOは東へ支配地を拡大させてきた。すでにバルバロッサ作戦を始める直前の状態になっている。ウクライナのNATO加盟をロシアが認めないのはそのためだ。すでにアメリカやイギリスは時間をかけたバルバロッサ作戦を行っているとも言える。しかもウクライナでロシア軍と戦っている戦闘集団はNATOに訓練されたネオ・ナチだ。
NATOは1949年4月に創設された。その時の参加国はアメリカとカナダの北米2カ国に加え、イギリス、フランス、イタリア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ベルギー、オランダ、そしてルクセンブルクの欧州10カ国。
1991年12月にソ連が消滅してから加盟国が増え、つまり東への侵攻が始まった。今ではアルバニア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、トルコ、イギリス、そしてアメリカの30カ国。少なからぬ旧ソ連圏の国が加盟しているが、ウクライナが持つ意味は全く別だ。
本ブログでは繰り返し書いてきたように、ナチスの背後にはイギリスやアメリカの巨大金融資本が存在、その実働部隊として情報機関が活動していた。そのナチスがソ連を崩壊させられずに敗北、慌てたイギリスやアメリカはすぐに善後策を協議して軍にシチリア島上陸作戦を実行させた。1943年7月のことである。
それと並行してナチスの幹部はアレン・ダレスたちと接触し始める。サンライズ作戦だ。その後、アメリカの軍や情報機関はナチスの幹部や協力者を逃走させ、保護、そして雇用する。ラットライン、ブラッドストーン作戦、ペーパークリップ作戦などだ。
ドイツが降伏した直後、イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルはソ連を奇襲攻撃するための軍事作戦を作成させた。そしてできたのが「アンシンカブル作戦」。1945年7月1日にアメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団で「第3次世界大戦」を始めるという内容だったが、参謀本部が拒否し、実行されなかったという。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000など)
イギリスとアメリカの情報機関/特殊部隊は大戦の終盤、ゲリラ戦部隊のジェドバラを組織、大戦後にはアメリカの破壊工作機関や特殊部隊の基盤になった。アメリカで作られた極秘の破壊工作機関がOPC。これは1951年にCIAへ入り込み、破壊工作部門の「計画局」になる。
ヨーロッパでもジェドバラの人脈が秘密部隊を組織、NATOが創設されるとその中へ潜り込んだ。その秘密部隊は全てのNATO加盟国に設置され、1951年からCPC(秘密計画委員会)が指揮するようになる。その下部機関として1957年に創設されたのがACC(連合軍秘密委員会)だ。
各国の秘密部隊には固有の名称が付けられているが、中でも有名なものは1960年代から80年代にかけ、極左を装って爆弾テロを繰り返し、クーデターも試みたグラディオだ。
この問題を研究しているダニエレ・ガンサーによると、NATOへ加盟するためには、秘密の反共議定書にも署名する必要があり、NATOの元情報将校によると、「右翼過激派を守る」ことが秘密の議定書によって義務づけられている。(Daniele Ganser, “NATO’s Secret Armies”, Frank Cass, 2005)
ウクライナはまだNATOへ加盟していないが、事実上、ウクライナ軍を指揮しているドミトロ・ヤロシュは2007年にNATOの秘密部隊ネットワークへ入ったとされている。
NATOへ加盟するということは、国内に秘密部隊のネットワークを抱え込むことを意味する。このネットワークを指揮しているのはイギリスとアメリカの情報機関、つまりMI6とCIAだ。
フィンランドと同じようにNATOへ加盟しようとしているスウェーデンは1986年2月からアメリカへ従属する道を歩き始めている。自立の道を歩いていたオロフ・パルメ首相が1986年2月28日、妻と映画を見終わって家に向かう途中に銃撃され、死亡してからだ。
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