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https://parstoday.com/ja/news/world-i96942
ウクライナ難民と西アジア難民への西側諸国の対応の違い
4月 28, 2022 18:45 Asia/Tokyo
ウクライナ戦争以降、西側諸国とくに欧州諸国の戦争難民に対するダブルスタンダード的な対応が広く批判されています。
このような批判は西側や欧州の外側からだけでなく、欧州内部からも寄せられています。批判する人たちの中には、一般世論からエリート層、官民両団体まで様々な階層が見られます。
こうした批判は、欧州諸国の対応が、リビアやシリア、アフガニスタンなどの西アジアおよび北アフリカから逃れてきた難民と、ウクライナ戦争による難民とでまったく異なっており、差別的であるという点に向けられています。
ウクライナ難民に対しては積極的に受け入れる政策がとられ、支援を惜しまないのに対し、西アジアや北アフリカからの難民には、最初から門戸を閉ざす政策をとり、彼らの流入を阻止してきたほか、受け入れ後も限られた支援しか提供してきませんでした。
ウクライナ難民は発生から2カ月も経っていませんが、欧州各地を容易に行き来でき、仕事を見つけることもできます。その一方で、西アジアやアフガニスタンの難民は長年存在しているにもかかわらず、こうした支援の多くを受けることができていません。
欧州がウクライナ戦争での自らの力不足を埋め合わせ、ウクライナ国民に対して見放してはいないというメッセージを送りたいと思っている可能性はあるにしても、ウクライナ難民への温かい受け入れの多くは、民族的出自や宗派の近さが理由であることを示す多くの事例があります。もしウクライナ難民の宗派や人種がヨーロッパ以外のものだったら、欧州の彼らへの対応は異なるものとなっていたでしょう。それは、かつての旧ユーゴスラビア解体の過程で、ボスニア・ヘルツェゴビナのイスラム教徒たちに対してなされたものと同様です。
もちろん戦争をはじめとする難民の苦難を和らげるために支援することには大きな価値があり、そういう視点から見れば、ウクライナ難民への欧州の支援は称賛に値します。しかし、そこに差別が生じるとなると、問題が起こり、疑問を呼ぶことになります。
このような見方からこの問題を眺めてみると、差別的な対応の側面は難民受け入れの質と量よりもはるかに広範であることがわかります。例えば、ウクライナ戦争が始まってまだ2カ月ほどですが、この期間に西側で報道された数は、8年間続いているイエメン戦争に関するそれよりも数百倍、あるいは数千倍多いものです。同様に、この短期間のうちに採択・実施されたロシアへの制裁は、70年以上におよぶイスラエルによるパレスチナ占領に対してとられた措置や反応よりも数千倍多いものです。イスラエルに対するそのような措置は、いずれも成果には結びついておらず、このことは、西側の政治的文言においては、よい侵略者と悪い侵略者がいることを示しています。
このようなダブルスタンダード的対応がもたらす影響のひとつに、差別主義者や侵略者、機会を狙う者などにつけいる隙を与えるということがあります。もし、これまで各国政府が侵略・覇権主義政府に対しもっと厳しい姿勢を示していたら、さらなる侵略を防ぎ、世界が平和と安定へ向かっていたことには疑いの余地がありません。今日の世界が不安定や混乱にまみれ、第三次世界大戦勃発もささやかれているとすれば、その主な理由の1つは、過去に西側諸国が世界の様々な問題に対してとってきたダブルスタンダード的な対応だと言えるのです。
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