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ウクライナ侵攻の早期終結はない 米国の目的はロシアを破壊すること 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/304256
2022/04/22 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
大義名分を名目に戦争を始めたロシアは、絶対にに離脱できない(プーチン大統領) (C)ロイター/Sputnik/Kremlin
国家が危機にひんした時、指導者は何を最優先すべきか。ウクライナ問題が提示している問題である。最優先すべきは、国民の命の消耗をできるだけ少なくすること、国民ができるだけ正常な生活に戻ることと思う。
今のウクライナにその道があるかと言えば、答えは「ある」だ。
プーチン大統領が求めている「ウクライナはNATOに加盟しない」「東部に『自決権』を与える」に合意すればいいのである。
では、プーチンの要求は不合理なのか。
キッシンジャー元米国務長官は、「ウクライナは自由な経済体制を選択すべきだが、NATOへの拡大は行うべきでない」と述べていた。
このことは「ソ連の封じ込め政策」を提言した米外交官で政治学者のケナンや、ソ連崩壊時の駐ソ米国大使マトロックらもキッシンジャーも同様だ。
プーチンの要求は国際基準でみると、決して法外な要求ではなく、ある種の合理性もある。
国連憲章は第1条の目的で、民族の自決権を大原則と掲げている。
「侵略したロシアと合意したくない」というのは立派な主張である。しかし、この主張を貫くことは合意の不成立を意味し、そのことはウクライナの「戦場」の継続を意味する。つまり、どちらの「悪」を選択するか、である。
ただ、ゼレンスキー大統領は和平を求めないであろう。米国が必要な武器を支援している。
この戦争の実態は「米国の武器」対「ロシア軍」の戦いで、ロシア軍が米国の兵器に勝ることはない。他方、ウクライナ東部のロシア人を守るという名目で戦争したプーチンは絶対にウクライナ東部から離脱できない。かくして、戦争は続く。ウクライナ、ロシアともに疲弊する。
米国の政治作家、ダイアナ・ジョンストンは3月16日、「ワシントンにとり、戦争は終わらない(ForWashington,WarNeverEnds)」という論文を発表。「米国の目的はウクライナを救うことではない。ロシアを破壊することだ。だがそれには時間がかかる。もはや、ロシアは自ら戦争を終えることはできない。米国はあらゆる手段を講じて戦争を継続させる」と予言していたが、事態は彼女の予言通りに展開している。
そして、「米国はあらゆる手段を講じて戦争を継続させる」という戦略の下に“踊っている”のがゼレンスキー大統領なのである。彼を大統領に選んだ国民にそのツケが重くのしかかっている。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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