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※紙面抜粋
※2022年4月8日 日刊ゲンダイ2面
【まだわかっていない悪魔の正体】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) April 8, 2022
「この戦争は数年」米軍トップの衝撃発言
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/7SpdxdbajI
※文字起こし
一体、どれだけ無辜の民の命が奪われれば終わりが訪れるのか。暗澹たる思いを抱いた国民は少なくないだろう。ロシアの軍事侵攻によるウクライナでの戦争について、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が「少なくとも数年単位になる」と発言し、長期化の見通しを示した--と報じられた。
衝撃発言が飛び出したのは5日の下院軍事委の公聴会。ミリーは「(ウクライナ戦争は)非常に長期化する紛争だ。数十年単位ではなくとも、数年単位で続くだろう」と指摘した上で、「NATO(北大西洋条約機構)や米国、ウクライナを支援するすべての同盟国はかなり長い間、この紛争に関わることになる」と強調。さらに、NATOに加盟する東欧諸国がロシアに対する警戒感を強めていることから、「(東欧に)恒久的な基地を設置し、米軍部隊を常駐させるのではなく、巡回駐留させることを提案する」と踏み込んだ。
2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻してから、すでに1カ月以上。プーチン大統領が当初描いていたとされる、「短期間の首都キーウ(キエフ)制圧」「ゼレンスキー政権の転覆」のシナリオは完全に崩壊。
予想外の苦戦を強いられたロシア軍の部隊は、キーウ制圧をあきらめて退避し、再配置後にあらためてウクライナ東、南部への攻撃に軸足を移す計画を進めているという。
崩れた「東部併合で停戦」のシナリオ
首都制圧を断念して後退するロシア軍に対し、反転攻勢に転じたウクライナ軍。そんな形勢逆転のイメージが世界中に広がる中、米CNNは米政府当局者の話として、プーチンがロシアにおける第2次世界大戦の対独戦勝記念日である5月9日に、東部掌握を“戦果”として「勝利宣言」しようと考えていると報じた。
「勝利宣言」できればプーチンのメンツは辛うじて保てる。この情報が事実であれば、とりあえずはロシア軍の侵略戦争の停戦が実現するかもしれない──。おそらく世界中の人々はそんな期待を抱いたはずだが、ミリー統合参謀本部議長の「数年単位で紛争は続く」という発言は、そんなわずかな望みを真っ向から否定したと言っていいだろう。
実際、この発言を裏付けるかのように、ロシア軍はキーウから離れただけで攻撃の手を全く緩めていない。ロシア国防省は、ウクライナ南部オデーサ周辺の製油所と燃料貯蔵施設にミサイル攻撃を加えたと発表。米国防総省の高官も「首都への地上侵攻の危険は今のところなくなった」とする一方で、「再びキーウが攻撃の標的となる可能性も排除できない」と警告している。ロシアとウクライナの両国首脳による停戦交渉も見通しが立たず、それどころか、ロシア軍による一般市民の大量殺害という「戦争犯罪」が明らかになったことで、停戦交渉の継続すら危ぶまれる事態となった。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「ウクライナ東部はもともとロシア系住民が多い地域。ウクライナ側が停戦条件としてロシアの『東部併合を認める』という選択肢を提示することで終結も考えられたでしょう。しかし、ウクライナに武器を供給していた欧米は、これまでのような防御のための武器ではなく、戦車といった攻撃兵器の供給に切り替える方針を示した。これは『戦い続ける』という意味で、東部併合で停戦のシナリオは消えたでしょう。そうなるとプーチンも引かないでしょうから、戦争の長期化も避けられないと言えます」
もはや金正恩と変わらないプーチンの言動
ハッキリしていることは、ロシアが攻撃を中止しない限り、戦争は終わらないということ。プーチン次第という状況は依然として変わってはいないのだ。
そのプーチンについて最近、メディアで盛んに報じられている情報がある。
<強権的なトップが居座り続ける長期政権は必ず崩壊する>
<プーチンはロシア軍に欺かれたと感じている情報があり、軍との間に緊張が生じている>
<プーチンは孤立し、妄想にとらわれている>
<プーチンは甲状腺がんではないか>
いずれも、トップとしての資質や体調不安を問題視しながら、「プーチンは悪だからすぐ滅びる」といった希望的観測を含む短絡的な見方が少なくない。側近や軍部による「クーデター説」もある意味、その類いと言っていいだろう。
よく見られるのが、欧米各国による、かつてない規模の強力な経済制裁によってロシア経済は徐々に疲弊し、やがて国民から政権批判の声が上がり、プーチンは失脚に追い込まれるーーという筋書きなのだが、果たして本当にそうなるのだろうか。甚だ怪しいと言わざるを得ない。
そもそもロシア軍のウクライナ侵攻については、欧米各国はもちろん、ゼレンスキー大統領だってプーチンが本気で仕掛けてくるとは思っていなかった。軍事侵攻が始まった時点でさえ、「北京パラ五輪開幕までには終わる」「さすがにミサイルなどを使った本格的な攻撃はしない」といった見方が大勢を占めていたのに実際は全く違ったではないか。
ウクライナの次は別の国を侵略か
隣国の一部地域を勝手に独立国家などと称し、「集団的自衛権に基づく特別軍事作戦」などという荒唐無稽な理由でウクライナへの侵略戦争を命じる。目的を達成するためなら、一般市民の惨殺さえもいとわない。
それがプーチンの正体であり、そんな悪魔のような男に国際社会の圧力や常識が通用するとは到底思えないし、そもそも追加の経済制裁だって、どこまで戦争を止める効果があるのか。天然ガスなどをロシアに依存している欧州だって“返り血”が増えるだけだ。
仮に今の展開がロシアにとって誤算だったとしても、ここまで来たら、もはやプーチンは後に引けないだろう。追い込まれた悪魔(=プーチン)が、もはや失うものはないと居直りを決めた場合、停戦よりも、さらなる残虐な手を打ってくる可能性の方が高いわけで、だからこそ、ミリーは、NATOを含め、ウクライナを支援するすべての同盟国に対して「長期戦の覚悟」を示唆したわけだ。
そして長期戦になれば大国が有利になる。つまり、ロシア軍がウクライナ軍を押し返し、再び、キーウ攻撃に転じるかもしれない。今以上の「血で血を洗う」激しい戦闘が繰り広げられるわけだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。
「プーチン大統領はクリミアを併合した際も、いったん兵を撤収させると嘘をついて攻撃を指示した人物。今回もあらゆる展開を考えるべきでしょう。もともと、ロシアや北朝鮮など権威主義体制の国家は、西欧などの民主主義国家と違って人道規範なども含めた当たり前(常識)が通用しません。ふつうの国家元首であれば、あり得ないような政策、戦術を取るのです。ウクライナの攻撃はやめるが、次は別の国を攻撃することもあり得るのです」
核兵器をチラつかせながら国際社会に平気で嘘をつき、常に好戦的な姿勢を取る。もはやプーチンは北朝鮮の金正恩と変わらないとみるべきだ。
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