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ウクライナに思わぬ苦戦でプーチン大統領イライラ! 誤算続きで短期攻略のシナリオ崩壊
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/301872
2022/02/28 日刊ゲンダイ
速やかに首都キエフを落とすつもりが…(ロシアのプーチン大統領)/(C)ロイター/ Sputnik/Kremlin
今ごろ、プーチン大統領は「もくろみ違いだ」と焦っているのではないか。ロシア軍はウクライナへの全面侵攻から1日足らずで首都キエフに迫ったものの、ウクライナ軍が徹底抗戦。圧倒的な軍事力を背景に短期決戦のシナリオを描いたプーチン大統領は、苦戦を強いられ苛立ちを強めているという。
◇ ◇ ◇
ロシア軍は27日、ウクライナ東部にある第2の都市ハリコフに侵入。ロシア国防省によると、現地ではウクライナ兵471人が投降したという。一方、ハリコフに侵攻したロシア軍の半数が殲滅されたとの情報が飛びかっている。ウクライナ内務省はハリコフからロシア軍部隊を撃退したと発表した。
キエフでは地上戦が継続中だ。ウクライナ側はロシア軍の侵攻開始から1日足らずでキエフ郊外への侵入を許したが、ゼレンスキー大統領は「国を解放するまで戦い続ける」と徹底抗戦を主張。海外から志願兵を集め、外国人部隊を編成するとも表明した。
実際、ロシア軍は燃料補給を狙い撃ちされ、思うように進軍はできていない。英国防省は26日、ツイッター上で〈ロシア軍の進軍は計画通りには進んでいない〉〈(ロシア軍は)ウクライナ側の抵抗と兵站上の困難に直面している〉──などと戦況報告を更新。米国防総省も「ロシア軍は進軍の遅れに苛立ちを募らせている兆候がある」と分析した。
ロシア側のスパイ・ネットワークが寸断されたか
第2の都市ハリコフを守るため、攻防するウクライナ兵(C)ロイター
思わぬ苦戦を強いられ焦り始めているのがプーチン大統領だ。速やかに首都を落とすはずが、次々に誤算が生じている。国際ジャーナリストの春名幹男氏がこう言う。
「当初は2日以内にゼレンスキー大統領以下、ウクライナ指導部を拘束し、首都機能を掌握するだろうといわれていました。ところが、昨年末から19万人もの戦力を集めながら、今のところキエフに決定的な打撃を与えた様子はありません。恐らく、2014年のクリミア併合の時のように、特殊部隊などの限られた戦力で攻略できると甘く考えていたのでしょう。苦戦を強いられているのは、ウクライナが国内のロシア系工作員の摘発に力を入れ、ロシア側のスパイ・ネットワークが寸断されていたからかもしれません」
侵攻直後、キエフ北部に侵入したロシア側の工作員が殺害された。侵攻前から工作活動をしていたとみられ、ゼレンスキー大統領の身柄拘束や殺害に失敗した可能性がある。
ツイッター上では捕虜となったロシア兵が「訓練と聞かされていた」「本当の目的を知った時は行きたくなかった」などと釈明する映像も拡散されている。ロシア軍は、昨年からウクライナ国境で“演習”を続けてきた。年をまたいだ長期駐留で士気はガタ落ちだという。
「ロシア側にとって、ウクライナ側の抵抗も予想以上でしょう。ソ連時代のアフガン侵攻と同じような泥沼化を避けられるかどうか。長期化すればするほど、ロシア国内の反戦ムードはますます高まり、欧米はウクライナ軍に軍事物資を供給し続けることになる。プーチン大統領の思惑とは真逆の事態になりかねません」(春名幹男氏)
すでに反戦デモは世界中に広がっている。国際社会から爪はじきにされたプーチン大統領の暴走は、いつ止まるのか。
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