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自衛隊が5月中旬に陸と海で米仏豪と軍事演習した意味
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105210000/
2021.05.21 櫻井ジャーナル
5月11日から17日にかけて陸上自衛隊はアメリカ軍とフランス軍と合同で「軍事訓練」を霧島演習場、相浦駐屯地、九州西方海空域で実施、同時に海上自衛隊は東シナ海でアメリカ軍、フランス軍、そしてオーストラリア軍と合同で「軍事訓練」を行った。
東シナ海での演習には日本からヘリコプター駆逐艦の「いせ」、駆逐艦「あしがら」、駆逐艦「あさひ」、駆逐艦「こんごう」のほか輸送艦、ミサイル艇、潜水艦、哨戒機が参加、アメリカからはドック型輸送揚陸艦、P-8A哨戒機、MV-22オスプレイ、オーストラリアからはフリゲート艦、フランスからは強襲揚陸艦とフリゲート艦がそれぞれ参加したという。国際的には陸上での演習より東シナ海における演習が注目されている。
ジョー・バイデン政権はウクライナや東アジアで軍事的な動きを活発化させている。ロシアや中国を威嚇しているわけだ。日本の周辺ではフランス海軍が今年2月に核攻撃用の潜水艦1隻と2隻の軍艦を南シナ海へ派遣して中国を威嚇、それ以外にもイギリスが空母打撃群を南シナ海へ派遣、カナダは1月に日本、アメリカ、オーストラリアとの軍事演習に参加する予定の軍艦を演習の前に台湾海峡を航行させている。
バイデン政権は3月8日から韓国と合同で大規模な軍事演習を実施。3月12日にはアメリカ、日本、インド、オーストラリアの4カ国の首脳がオンライン会議を開いた。この4カ国は「クワッド」と呼ばれ、アジア版のNATOを創設しようとしていると見られている。
この会議後、3月15日にアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースチン国防長官は日本を訪問、茂木敏充外相や岸信夫防衛相と会談し、その際にブリンケン国務長官は中国の「威圧的で攻撃的な姿勢」を批判した。またオースチン国防長官は3月18日に朝鮮を威嚇している。アメリカ軍は朝鮮を「今夜にでも攻撃する準備ができている」と口にしたのだ。
3月18日と19日にはアメリカと中国の外交責任者がアンカレッジで会談している。アメリカ側の要請だったという。アメリカからブリンケン国務長官と国家安全保障補佐官のジェイク・サリバンが、また中国からは中央外事活動委員会弁公室の楊潔篪主任と王毅外交部長がそれぞれ出席した。席上、アメリカは中国を威圧しようとしたのだが、中国は強く反発している。
4月17日には南シナ海から三沢基地へ戻る途中の4機のF-16戦闘機が横田基地で撮影されたのだが、いずれも5機のAIM-120C-7 AMRAAM(視程外射程空対空ミサイル)やAIM-9サイドワインダーが装備されていたことから、中国に対する威嚇飛行を行ったと見なされている。
スエズ運河を押さえた頃からイギリスにはユーラシア大陸の周辺部を制圧して内陸部を締め上げるという長期戦略があり、それをアメリカは引き継いでいる。アングロ・サクソンの戦略とも言える。
その戦略をまとめたのが地政学の父とも言われるハルフォード・マッキンダーで、ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論に基づいている。
その締め上げる三日月帯の東端が日本。日本列島から台湾にかけての弧状列島は大陸を侵略する拠点であり、日本人は侵略のための戦闘員だと彼らは考えていたように見える。だからこそ、イギリスは日本へ技術を提供し、資金を貸したのだろう。関東大震災以降、日本はアメリカの巨大金融機関JPモルガンの影響下に入ったが、この銀行の背後にはイギリスの金融資本が存在している。1932年から駐日大使を務めたジョセフ・グルーはJPモルガン人脈に属している。
ユーラシア大陸の周辺部を制圧するという戦略を強化するため、アメリカは2018年5月に太平洋軍をインド・太平洋軍へ作り替えた。日本を太平洋側の拠点、インドを太平洋側の拠点にし、インドネシアが領海域をつなぐとされたが、インドはアメリカとの距離を置き始め、インドネシアもアメリカの思惑通りには動いていない。
そうしたこともあり、NATOの事務総長を務めるイェンス・ストルテンベルグは「NATO2030」なるプロジェクトを始めると2020年6月8日に宣言したが、イギリス軍やフランス軍が東アジアへ現れるようになった理由はその辺にあるのだろう。もっとも、歴史を振り返るとイギリスとフランスは中国(清)を軍事侵略しようとしたことが分かる。アヘン戦争だ。
現在、ユーラシア大陸の東側でアメリカの完全な従属国と言えるのは日本とオーストラリアだろう。この両国は相互アクセス協定(RAA)の大筋で合意している。
そのオーストラリアの特殊部隊を率いていたアダム・フィンドレー少将は昨年4月、部下である特殊部隊員に対し、敵であるアダム・フィンドレー少将と語ったと伝えられている。今年3月から国防大臣を務めているピーター・ダットンはすでに中国から「攻撃を受けている」とした上で、この問題を国民と率直に話し合いたいとしている。
そうした動きの中に日本は巻き込まれている。今回の軍事演習もそうした側面から見る必要があるだろう。
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