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「建国」以来、侵略戦争を続けてきたイスラエルが反撃に遭い、窮地に陥った
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2021.05.14 櫻井ジャーナル
エルサレムはイスラム教、キリスト教、ユダヤ教、いずれにとっても「聖地」である。その東側が「東エルサレム」。そこをイスラエルは1967年の「第三次中東戦争」で占領、それ以来不法占拠を続けているのだが、そこにはパレスチナ人も住んでいる。そのパレスチナ人を追い出すためにイスラエルは暴力を含むあらゆる手段を講じてきた。
イスラエルはエルサレムを「首都」だと主張、アメリカ議会はそれを支援している。「1995年エルサレム大使館法」を成立させたのも、そのため。この法律はエルサレムをイスラエルの首都だと承認すべきで、1999年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしている。
その法律が定める期限までにアメリカ政府はエルサレムを首都と認めず、大使館を設置することもなかった。そこで2017年6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。アメリカでは民主党議員も共和党議員も立場は同じだ。
その決議に従う形でドナルド・トランプ大統領は2017年12月6日にエルサレムをイスラエルの首都だと承認、アメリカ大使館のエルサレムへの移転を発表した。
そして2020年1月28日、トランプはパレスチナ問題に関する「世紀の計画」を発表した。イスラエルがヨルダン渓谷やヨルダン川西岸を併合し、領空や領海、治安、水源などの管理を行うことを認めるもので、パレスチナ人は隔離されることになる。これまでイスラエルが進めてきたアパルトヘイト政策、パレスチナの強制収容所化をアメリカ政府が承認するということだ。ガザ地区はイスラエルに封鎖され、巨大な収容所と化している。
イスラエルはパレスチナをこの世界から消し去ろうとしている。ユーフラテス川とナイル川で挟まれている地域を支配しようとしているのかもしれない。いわゆる「大イスラエル」だが、その中に含まれているシリアに対する攻撃も激しくなり、首都ダマスカスの周辺もターゲットにしている。
それに対し、イランはイスラエルが一線をこれれば「後悔させる」と語っていたが、4月20日にイスラエルの国有軍需企業の施設で大規模な爆発があった。
4月21日から22日へ日付が変わる頃、イスラエル空軍の戦闘機がゴラン高原の上空からダマスカスの周辺をミサイルで攻撃するが、大半は防空システムによって撃墜された。その際にシリア軍が発射したS-200防空システムのミサイルがディモナにある核施設から30キロメートル離れた場所に落下する。
目標を逸れ、「飛びすぎた」とされているが、イスラエルのアメリカ製防空システムが機能しなかったことは間違いない。ロシアで流れている情報によると、ロシアの電子戦用装置でイスラエルの防空システムは無力化され、そのためにディモナ近くまで飛んだのだという。
その間、東エルサレムではイスラエルの治安部隊によるパレスチナ人に対する暴力的な弾圧が繰り広げられ、アル・アクサ・モスクが襲撃された。ガザではイスラエル軍が高層住宅を破壊している。その直後から3日間にハマスはガザから1500発以上のミサイルをテル・アビブに向けて発射、テル・アビブの南東にあるロドでは非常事態が宣言された。
イスラエル軍は地上部隊をガザ地区へ侵攻させる準備をしているというが、2006年7月から9月にかけてのレバノン侵攻でヒズボラに敗北している。その際にイスラエルが誇るメルカバ4戦車も破壊されたと報告されている。
航空機で徹底的に破壊してからでないと地上部隊を送り込めないだろう。イスラエル軍がレバノンへ侵攻した直後に現地へ入ったウルスター大学のクリストファー・バスビー教授によると、調査したクレーターの中で濃縮ウラニウムを発見、レバノンやガザを走っていた自動車のフィルターからもそうした物質が発見されたという。ある種の核兵器が使われた可能性があるのだが、同じことをせざるをえないかもしれない。
イスラエルはサウジアラビアと同じように、イギリスの支配者によって作られた国である。ユーラシア大陸の周辺部を支配、そこから内陸部を締め上げるという長期戦略に沿っている。
イスラエルの建国が宣言されたのは1948年5月14日のことだが、そこには多くのアラブ系住民が住んでいた。その住民を追い出すため、4月上旬に「ダーレット作戦」を始めている。これは1936年から39年にかけてシオニストがアラブ系住民を殲滅する作戦を展開した作戦の延長線上にあるとも見られている。
シオニストの軍隊、ハガナの副官だったイェシュルン・シフはエルサレムでイルグンのモルデチャイ・ラーナンとスターン・ギャングのヨシュア・ゼイトラーに会ったのは4月6日。イルグンもスターン・ギャングもシオニストのテロ組織だ。
その3日後にイルグンとスターン・ギャングはデイル・ヤシンという村を襲撃、住民を虐殺する。襲撃の直後に村へ入った国際赤十字の人物によると、254名が殺され、そのうち145名が女性で、そのうち35名は妊婦だった。イギリスの高等弁務官、アラン・カニンガムはパレスチナに駐留していたイギリス軍のゴードン・マクミラン司令官に殺戮を止めさせるように命じたが、拒否されている。(Alan Hart, “Zionism Volume One”, World Focus Publishing, 2005)
こうした虐殺に怯えた住民は逃げ出したが、シオニストは予定していた地域を全て占領することができなかったと言われている。。約140万人いたアラブ系住民のうち、5月だけで42万人以上がガザやトランスヨルダン(現在のヨルダン)へ移住、その後1年間で難民は71万から73万人に達したと見られている。国際連合は1948年12月11日に難民の帰還を認めた194号決議を採択したが、現在に至るまで実現されていない。そしてイスラエルの建国が宣言された。
そして1967年6月5日に始まった第3次中東戦争。この年の3月から4月にかけてイスラエルはゴラン高原のシリア領にトラクターを入れて土を掘り起こし始めて挑発、シリアが威嚇射撃するとイスラエルは装甲板を取り付けたトラクターを持ち出し、シリアは迫撃砲や重火器を使うというようにエスカレートしていった。
しかし、この時にイスラエルはシリアに対し、イスラエルに敵対的な行動を起こさなければイスラエルとエジプトが戦争になってもイスラエルはシリアに対して軍事侵攻しないと約束していた。
軍事的な緊張が高まったことからエジプトは1967年5月15日に緊急事態を宣言、部隊をシナイ半島へ入れた。5月20日にはイスラエル軍の戦車がシナイ半島の前線地帯に現れたとする報道が流れ、エジプトは予備軍に動員令を出す。そして22日にナセル大統領はアカバ湾の封鎖を宣言した。
イスラエルはこの封鎖を「イスラエルに対する侵略行為」だと主張、イスラエルの情報機関モサドのメイール・アミート長官が5月30日にアメリカを訪問、リンドン・ジョンソン米大統領に開戦を承諾させた。そして6月5日にイスラエル軍はエジプトに対して空爆を開始、第3次中東戦争が勃発する。
戦争が勃発した4日後にアメリカは情報収集船のリバティを地中海の東部、イスラエルの沖へ派遣するが、そのリバティをイスラエル軍は8日に攻撃している。偵察機を飛ばしてアメリカの艦船だということを確認した後の攻撃だった。ロケット弾やナパーム弾が使われているが、これは船の乗員を皆殺しにするつもりだったことを示している。
それに対し、リバティの通信兵は壊された設備を何とか修理、アメリカ海軍の第6艦隊に遭難信号を発信するが、それをイスラエル軍はジャミングで妨害している。
遭難信号を受信した空母サラトガの甲板にはすぐ離陸できる4機のA1スカイホークがあった。艦長はその戦闘機を離陸させたが、その報告を聞いたロバート・マクナマラ国防長官は戦闘機をすぐに引き返させるように命令している。
その後、ホワイトハウス内でどのようなことが話し合われたかは不明だが、しばらくして空母サラトガと空母アメリカは8機の戦闘機をリバティに向けて発進させた。
この戦争で圧勝したイスラエル軍はガザ、ヨルダン川西岸、シナイ半島、ゴラン高原を占領している。ゴラン高原の西側3分の2は今でもイスラエルが不法占拠している。勿論、イスラエルはそうした占領地を返すつもりはない。残りの地域を制圧する作戦を進めているのだ。
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