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シリアでロシア軍のパトロール隊に対し、米軍ヘリが挑発的な飛行
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202009190000/
2020.09.20 櫻井ジャーナル
ВВС США атаковали? Как русские вертолёты разогнали «Апачи» в Сирии |Russian Army vs US army in Syria
シリアの北東部でパトロールしていたロシア軍の車列を2機のアメリカ軍のヘリコプターAH-64が接近して追尾、そうした挑発的な行為をロシア軍のヘリコプターMi-35とMi-8が止めさせるという出来事が9月16日にあった。
ドナルド・トランプ大統領はアメリカ軍をシリアから撤退させるかのような発言をしてきたが、実態は逆。例えば、イドリブでアル・カイダ系武装勢力が統合されてファスバトゥなる組織が編成され、資金や武器/兵器はNATOから提供されると言われている。またクルド勢力の統合を進めるため、PYNKなる組織が5月20日に作られた。
シオニストの一派であるネオコンは1980年代からイラクのサダム・フセイン体制を倒して親イスラエル政権を樹立、シリアとイランを分断して個別撃破するという計画を持っていた。
ところが、ジョージ・H・W・ブッシュやジェームズ・ベイカーを含む勢力はフセインをペルシャ湾岸産油国の用心棒と考えていたことからアメリカ支配層の内部で抗争が勃発する。そこで暴露合戦が始まり、イラン・コントラ事件やイラクゲート事件が浮上したわけだ。
アメリカ軍が主導する連合軍は1991年1月から2月にかけてイラクを攻撃したが、その際にブッシュ大統領はフセイン体制を倒さなかった。そこでネオコンは激怒、戦争が終わった直後、国防次官のポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていたという。本ブログでは繰り返し書いてきたが、これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官の話である。(3月、10月)
1991年12月にソ連が消滅、翌月の2月に国防総省のDPGという形で世界制覇プランがネオコンのウォルフォウィッツ国防次官を中心に作成された。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。新たなライバルの出現を阻止する一方、権力の基盤になるエネルギー資源を支配しようと考えたのだ。
アメリカが考えた潜在的ライバルには西ヨーロッパ、東アジア、旧ソ連圏、南西アジアなどが含まれるが、特に警戒したのは中国。そこから東アジア重視という政策が出てくる。産油国でアメリカに近いベネズエラが狙われるのも必然だ。
ウォルフォウィッツと同じようにネオコンの中心グループを形成していたリチャード・パールやダグラス・フェイスたちは1996年に「決別(A Clean Break: A New Strategy for Securing the Realm)」という文書を公表、その中でも、イスラエルはトルコやヨルダンと手を組んでシリアを包囲して弱体化、フセインを排除すべきだとネオコンは主張している。勿論、その先にはイランの体制転覆がある。
ウォルフォウィッツ・ドクトリンはロシアがアメリカの属国になったという前提で作成されたのだが、21世紀に入り、ロシアが曲がりなりにも再独立したことから揺らぐ。
それを修正しようとしたのか、ネオコンは2014年2月にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させ、その年の9月から12月まで香港で反中国の「佔領行動(雨傘運動)」を展開させたが、これが裏目に出る。ロシアと中国を接近させることになったのだ。
2014年にアメリカはシリアのダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を売り出す。ダーイッシュもサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする武装勢力だが、2012年8月の段階で、バラク・オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告していたマイケル・フリンDIA局長は2014年8月に退役させられている。
ダーイッシュの残虐性を演出してアメリカ軍の介入を容認する雰囲気を作り出す一方、2015年には2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代した。
ヘーゲルは戦争に慎重だったが、カーターは2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張した人物。シリアからバシャール・アル・アサド大統領を排除しようとしていたバラク・オバマ大統領とは違い、サラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていたデンプシーはシリア政府と情報を交換していたと言われている。
統合参謀本部議長が交代になった時点でアメリカはシリアでもリビアと同じように空爆を始めると見る人は少なくなかったが、その直後、9月30日にロシアはシリア政府の要請を受けて軍事介入、ダーイッシュを敗走させる。アメリカは大規模な軍事介入できなくなった。そこで地上軍をこそこそと侵入させ、敗走したダーイッシュに替わり、クルドを使い始めた。
アメリカはバラク・オバマ政権もドナルド・トランプ政権も1980年代にネオコンが立てていた戦略に基づいて動いている。次の大統領選挙で誰が当選しても、この戦略から逃れることはできないのだろう。をこそこそと侵入させ、敗走したダーイッシュに替わり、クルドを使い始めた。
アメリカはバラク・オバマ政権もドナルド・トランプ政権も1980年代にネオコンが立てていた戦略に基づいて動いている。次の大統領選挙で誰が当選しても、この戦略から逃れることはできないのだろう。
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