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新型コロナウイルスで各国を攻撃している米国がシリアでも軍事作戦を続ける
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004220000/
2020.04.22 櫻井ジャーナル
アメリカのドナルド・トランプ政権はCOVID-19(新型コロナウイルス)の伝染拡大を利用し、中国だけでなくイラン、イエメン、ベネズエラ、キューバなどアメリカへの従属度が足りない国々を攻撃している。このウイルスの流行もあり、原油価格が下落。その結果、アメリカのエネルギー産業で主力になっているシェール・ガスやシェール・オイルの業者は立ち直れないほどの打撃を受けているとも言われている。世界有数の油田があるベネズエラを侵略する必要性は強まっていると言えるだろう。
アメリカ軍のラルフ・ピータース中佐が2006年に作成した中東分割案を注目している人は少なくない。アメリカの戦略をよく説明できるからだ。それによると、トルコ、シリア、イラク、イランの真ん中にクルドの国「自由クルディスタン」を作るとされていた。中東版の「満州国」だ。そこを拠点に周辺国を支配することも重要だろうが、油田を押さえるという意味もある。
2014年にその地域を制圧作戦を始めたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)。その年の1月にイラクのファルージャでサラフィ主義者やムスリム同胞団が「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧する。その際、ダーイッシュはトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられた。
ダーイッシュの売り出しだが、アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などによって武装集団の動きを事前に知っていたはずであり、パレードは格好の攻撃目標だったはず。ところがアメリカ軍は動かなかった。
こうした武装集団の出現は2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAが報告書の中で警告している。シリアで政府軍と戦っている主力をサラフィ主義者やムスリム同胞団であり、戦闘集団としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げていた。バラク・オバマ政権が支援していた武装勢力を「穏健派」と呼ぶことはできないと言うこと。DIAはその武装集団がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも指摘していた。
その後、アメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、イスラエル、トルコ、カタールといった国々を雇い主とするジハード傭兵、ダーイッシュは支配地域を拡大、シリアの首都ダマスカスへ迫る。そこでシリア政府はロシアに軍事介入を要請、2015年9月末に攻撃を開始した。
ネオコンはロシアの軍事介入を予想していなかっただろうが、それ以上に世界を驚かせたのは強さ。ダーイッシュは敗走を始め、支配地域は急速に縮小していった。そこでアメリカなど侵略国は手先の武装集団をダーイッシュからクルドに切り替えたのだが、それに反発したのがトルコだ。トルコはクルドを敵視していた。
そのクルドが支配するシリア北東部はトルコに接している。トルコとシリアとの国境近くにあるアル・カーミシリへ35台のアメリカ軍車両が入ったと伝えられている。アメリカ軍の基地へ物資を運び込んだようだが、これはトルコを刺激したようだ。
シリア西部のイドリブではトルコが配下の武装勢力を支援してシリア政府と対立、ロシア軍に抑え込まれている。そうした中、トルコは同じNATO加盟国のアメリカとの関係が再び悪化するかもしれない。
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