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IR汚職捜査は加森観光会長“在宅起訴”でさらに疑惑が…小泉進次郎、鈴木北海道知事にも会長夫人と同姓同名の人物から献金
https://lite-ra.com/2020/01/post-5212.html
2020.01.18 IR汚職“起訴”の企業会長夫人と同姓同名の人物が進次郎、鈴木道知事に献金も リテラ
北海道ホームページより
カジノ汚職問題が急展開を見せている。東京地検が、昨年末に収賄容疑で逮捕した秋元司衆院議員(自民党を離党)を、今月14日に再逮捕したのだ。
秋元議員には、すでにカジノ参入を目指していた中国企業「500ドットコム」からの300万円の収賄を受け取った疑いがかけられているが、今回の再逮捕容疑では、IR担当の内閣府副大臣時代の2017年9月に500ドットコム側から現金200万円を受け取り、中国旅行の渡航費やホテル代等約150万円を負担されたと見られている。同日、特捜部は500ドットコム側の紺野昌彦元顧問ら3名についても再逮捕している。
さらに注目したいのは、同じく14日、東京地検が北海道の観光会社「加森観光」の加森公人会長を贈賄罪で在宅起訴したことだ。加森公人会長は2018年2月、例の中国企業・500ドットコムと共謀して、秋元議員の北海道留寿都村への家族旅行費約76万円を負担した疑いがかけられている。
そもそも、加森観光は北海道を中心に娯楽施設やホテルなどのリゾート運営を手掛ける企業で、加森公人会長は「観光カリスマ」などとも呼ばれた有力者。実は、本サイトでもいち早く報じてきた“500ドットコムとIR議員をつなぐ鍵”となる会社が、この加森観光だった。
「加森観光は一時期、500ドットコムとともに北海道留寿都村のIR事業を計画していました。今回、会長が逮捕ではなく在宅起訴で済んだところを見ると、特捜部の取り調べに対して政治家への金の流れを洗いざらい自白したのかもしれません。そうなると例の500ドットコム側が金を渡したと供述している秋元氏以外の政治家5人についても、一気に捜査が進む可能性が出てくる」(全国紙社会部記者)
既報の通り、「5人の政治家」とは、自民党の岩屋毅・前防衛大臣、宮崎政久・法務政務官、中村裕之・前文科政務官、船橋利実衆院議員、下地幹郎衆院議員(日本維新の会を離党)のこと。うち、下地議員は500ドットコムの紺野容疑者から現金100万円の受領、船橋議員は加森観光から100万円の寄付を受けていたことを認めている。
「船橋議員は『政治資金収支報告書への記載漏れ』などと主張していますが、検察は、加森観光からの献金が実際には500ドットコムの金で、外国企業による政治団体への寄付を禁じた政治資金規正法をかいくぐるための“隠れ献金”と見て、捜査を進めています」(前出・社会部記者)
加森観光は500ドットコムと協力して北海道留寿都村のカジノ参入を計画していた2017年当時、船橋議員が代表を務める自民党の選挙区支部と、中村議員が代表の選挙区支部に対して、ともに200万円の献金を行なっている。さらに同年には、加森公人会長の名義で中村議員の選挙区支部に200万円の個人献金もしており、中村議員の支部はこのうち100万円を岩屋前防衛相が代表の支部に寄付したと見られている。
今後の検察の捜査次第では、一連のIR疑獄でさらなる国会議員の逮捕者が出るかもしれないが、話はここでは終わらない。というのも、加森観光側が同時期に献金していた政治家は、自民党の船橋・中村両議員だけでない可能性が濃厚になったからだ。
その政治家とは、ほかでもない第一子が誕生したばかりの小泉進次郎環境相と、昨年の北海道知事選で当選し、“最年少都道府県知事”となった鈴木直道知事。この2人の若手プリンス政治家に、在宅起訴された加森公人会長の夫人と名字も名前も同じ人物から献金があったことがわかったのだ。
小泉環境相については、2017年1月、資金管理団体「泉進会」の政治資金収支報告書に「加森友子」(札幌市中央区)なる人物名義で10万円。鈴木知事の場合は政治資金収支報告書の原本は確認できなかったが、北海道選挙管理委員会が公開している「政治資金収支報告書の要旨の概要」をみると、やはり同じ2017年に同じ「加森友子」名義で、鈴木知事の資金管理団体「桜夕会」に11万円の献金を行なった記録があった。
額は少額だが、献金時期は500ドットコムからの違法献金がささやかれる中村議員や船橋議員と同じ2017年。しかも、加森観光という会社名義ではなく、個人名義になっていることも、加森観光の会長名義で献金を受け、その原資が500ドットコムから出ていたのではないかと報じられた中村議員のケースを想起させる。いったいこの小泉環境相、鈴木知事への献金にはどういう意味があるのか。
■菅官房長官と鈴木直道北海道知事のコンビで進められていたIR誘致
とくに気になるのが、鈴木直道北海道知事だ。先週、「週刊新潮」(新潮社)が「IR汚職で特捜部が狙う本丸は菅官房長官」だとして、法曹関係者のこんなコメントを掲載していた。
〈「すでにIR議連幹部の岩屋前防衛相の名前は浮上していますが、カジノ利権の本丸といえば大阪、横浜、北海道の苫小牧などに関わりを持つ菅義偉官房長官。今回の事件で特捜部が菅長官の周辺にまでダメージを及ぼす可能性はある」
今の段階では留寿都が取り沙汰されているものの、北海道IRの有力候補地と言われていたのは苫小牧である。特捜部が秋元議員の事件に着手する直前の昨年11月末、北海道の鈴木直道知事はIR誘致断念を表明して周囲を驚かせたが、
「この判断の裏には、地検の動きを察知した菅長官周辺で水面下の動きがあったと見られます。菅長官や鈴木知事にとって留寿都はあくまで枠外に過ぎず、本流は苫小牧とそこに連なるIR事業者などです。今回の事件で逮捕された紺野の人脈の一端は、苫小牧にもアプローチしていたことが分かっています」(同)〉
ようするに、菅官房長官─鈴木北海道知事のラインが北海道へのIR誘致に動いており、その周辺が特捜部の本命だというのである。
たしかに、2019年の知事選で鈴木氏を擁立したのは菅官房長官だ。北海道連が推した国交省北海道局長を蹴って、強引に鈴木氏を押し込んだ。
しかも、その裏には、夕張市長として破綻した市の財政を立て直した業績というだけでなく、鈴木氏ならカジノ北海道誘致を推進してくれるという菅官房長官の深謀遠慮があったとささやかれてきた。
「2017年頃には、菅官房長官と鈴木氏の間で知事選出馬が決まっていたという話もあります。2人が頻繁に連絡を取り合い定期的に面会していたというのは知られた話ですが、2017年3月には夕張市長として財政再生計画をまとめた鈴木氏が官邸を訪れ、菅官房長官に報告している。菅官房長官もこのとき定例記者会見でわざわざ鈴木氏について触れ、『これから大いに期待をしたいと思います』と言っていましたから、この時点ですでに知事選出馬が決まっていたと言っていいでしょう」(地元政界関係者)
実際、鈴木氏は知事になった当初こそ、地元で反対の声が大きいことからカジノ誘致に対して慎重な姿勢をとっていたが、裏では誘致計画を着々と進めていた。
しかも、その動きは昨年の途中から露骨になり、北海道新聞によれば、昨年の秋口から〈事務方に誘致を阻む課題を解消するよう求め〉、11月22日の段階では同庁内の打ち合わせで「誘致した方がいいと思っている」と明言したという
ところが、その直後の11月29日、鈴木知事は突如、北海道のカジノ誘致見送りを表明する。まだ秋元議員が逮捕される前だったが、前出の「週刊新潮」記事にもあったように、これは「地検の動きを察知した菅官房長官が一旦引かせた」というのが定説となっている。しかも、これは「延期」でしかなく、菅官房長官と鈴木知事はいまもIR 誘致を諦めず、水面下で準備を進めているともいわれる。
IRの開設地については、国が最大3カ所のIR開設地の区域整備計画を認定する予定となっていたが、ここにきて3カ所の選定を2カ所にし、残り1カ所はその後で選ぶという案が浮上。誘致見送り表明の直前に鈴木知事が「菅義偉官房長官からこの話をされ、賭けていた」と、道幹部が証言しているのだ(北海道新聞2019年12月28日付)。
■夕張市のスキーリゾートを中国に安く転売した問題でも、加森観光の存在
菅官房長官とタッグを組んで、ここまで積極的にIR誘致に動いていた北海道知事が、一時、500ドットコムと連携して参入を目指していた企業関係者から献金を得ていたとしたら、これは大問題ではないか。
それだけではない。実は鈴木知事と菅官房長官には、別の案件で加森観光と密接な接点がある。それは鈴木氏が夕張市長だった時代に、大きな問題になったスキーリゾートの売却に絡む話だ。
夕張市は2017年、財政再生計画の一環として市が所有していたスキーリゾートを中国企業に約2.4億円で売却するのだが、その2年後、この中国企業は香港系ファンドに約15億円で転売。夕張市は転売禁止の規約をつけておらず、15億円の値がつくほどのスキーリゾートを二束三文で売り10億以上の大損をしたのだ。
当然、この不可解な売却をめぐっては議会でも批判の声があがるも、鈴木氏がすでに市長を辞め北海道知事になっていることで追及はうやむやになっているのだが、実は、売却前にこのスキーリゾートの指定管理者だったのが、例の加森観光だった。そして、2017年の売却時には加森観光の子会社である運営会社も前述の中国企業に買収されている。
加森観光が指定管理者に選ばれたのはまだ鈴木氏が市長になる前の2007年だが、このとき、菅官房長官は第一次安倍政権で総務相をつとめ、財政破綻した夕張市の再建計画にかかわっていた。しかも、選定については、16の企業・団体が応募したにもかかわらず、ヒアリングしたその日のうちに加森観光を指定業者とすることを発表したことから、地元では「出来レースじゃないか」と疑う声があがっていた。
菅官房長官が直接、加森観光と深い関係を持っているという証拠は出てきていないが、2017年に鈴木氏へ11万円の献金をした人物が、加森観光の加森公人会長の妻と同一人物であれば、少なくとも、鈴木氏は市長として契約企業の関係者から献金を受け取るという不適切な行為を働いたことになる。
本サイトは15日、北海道広報広聴課を通じて鈴木道知事に質問状を送付。当該人物が加森観光会長の妻かどうか、当該人物から献金を受け取った経緯、加森観光関係者からこれまで献金をもらったことがあるか、加森観光の加森公人会長が在宅起訴されたことをどう考えているか、500ドットコム関係者と面会したことがあるか等々、全11項目について質問した。回答窓口になった道庁職員は17日午後に返事をすると約束していたが、その後、突如、連絡がとれなくなり、丸1日経っても返答はない。
(編集部)
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