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「姑息」「欺瞞」……。安倍首相について、田中真紀子さんからはこんな言葉が。「ポスト安倍」は「冷凍食品を解凍したみたいな人ばかり」。こんな政治に「風穴を、誰がどう開けるかだ」と説いています
— 毎日新聞特別報道部 (@mainichi_SIU) 2019年12月10日
新たな政界再編必要、真紀子節炸裂 私は「引退する」とは言ってない https://t.co/cRsMLJBmRZ
「はぐらかす、ごまかす、強弁する。たちの悪い人。勉強もしていない。権力の頂点に立つと、その人の特性が出ると言うけど、安倍さんは姑息(こそく)な人だと思います」新たな政界再編必要、真紀子節炸裂 私は「引退する」とは言ってない #山本太郎を総理大臣にhttps://t.co/xbu0jDNxMr
— 原 克之 (@no1visionartist) 2019年12月10日
「あちこち出歩いているだけで結果は何もない。こんなに実績がない人も珍しい」🤣🤣🤣
— 浮橋 (@_ukihasi) 2019年12月10日
いやもう痛快な真紀子節。
素敵だ。
確かに「引退」とは聞いた覚えがない。
特集ワイド:新たな政界再編必要、真紀子節炸裂 私は「引退する」とは言ってない - 毎日新聞 https://t.co/TDaNNEU6Ik
特集ワイド 新たな政界再編必要、真紀子節炸裂 私は「引退する」とは言ってない
https://mainichi.jp/articles/20191210/dde/012/010/022000c
毎日新聞 2019年12月10日 東京夕刊
日本政治の現状について語る田中真紀子元外相=東京都文京区で、奥村隆撮影
ポスト安倍は「冷凍食品を解凍したみたいな人ばかり」
臨時国会が9日閉会した。安倍晋三首相の「桜を見る会」疑惑を置き去りにして。一問一答形式の質疑を拒み続けて逃げ切りを図る、こんな政治に誰がした? 与野党を問わず直言してきた田中真紀子元外相(75)は今、永田町の外でそう感じているのではないか。東京都内で真紀子さんを直撃した。【奥村隆】
岸田文雄・自民党政調会長、野田聖子元総務相、浜田靖一元防衛相、塩崎恭久元厚生労働相、そして安倍首相。共通点は何かといえば、父や祖父の代からの世襲政治家ということ。もう一つ。1993年衆院初当選の同期という点だ。4日、この面々が都内の日本料理店に集まって同期会を開き、安倍首相は「全員『ポスト安倍』だね」とにこやかに語りかけたという。
実は真紀子さんも93年の衆院選で初当選した同期である。
振り返れば、真紀子さんの政治家人生はいろいろあった。小泉純一郎内閣で外相に就任したが、官僚との対立で更迭された。2002年には秘書給与を巡る問題で議員辞職。無所属で出馬した翌年の衆院選で返り咲き、09年に民主党入り。野田佳彦政権で文部科学相。12年の衆院選で落選し、以降は政治の表舞台から遠ざかっている。
一方で、自民党にいた頃から歯に衣(きぬ)着せぬ自由奔放な発言で知られた。98年の自民党総裁選に立候補した小渕恵三、梶山静六、小泉純一郎の3氏を「凡人、軍人、変人」と評したり、うるさ型の亀井静香氏を「静かじゃない静香さん」と呼んだり、12年に東京都知事を辞任して新党を結成した石原慎太郎氏を「暴走老人」と名付けたり。
そこで聞いてみた。通算在職日数が憲政史上最長となった安倍首相をどう見ているのか。
「はぐらかす、ごまかす、強弁する。たちの悪い人。勉強もしていない。権力の頂点に立つと、その人の特性が出ると言うけど、安倍さんは姑息(こそく)な人だと思います」。いきなり、けちょんけちょんに痛罵した真紀子さんは、さらにこう続ける。「以前、安倍さんと先の大戦が『敗戦』か『終戦』かと話したことがあります。A級戦犯の容疑者だった祖父の岸信介元首相の命を救ってもらったせいか、安倍さんは米国へのトラウマがあると感じます」
フランシスコ・ローマ教皇と首相官邸で11月に会談した際の対応にも、真紀子さんは言いたいことがある。教皇は核廃絶を訴えていたが、安倍政権はといえば、国連で17年に採択された「核兵器禁止条約」に署名していない。真紀子節が炸裂(さくれつ)した。
「トランプ米大統領の顔色ばかりうかがっている安倍さんがいったい教皇にどう向き合うのかと思ったら、『核保有国への橋渡しをする』ですって。よくそんなことを教皇に言うなあと。違うでしょ。日本が今、何をすべきか。唯一の被爆国として、すぐに核兵器禁止条約を批准するのが喫緊の課題なんですよ」。ちなみに教皇が田中邸のすぐ近くの大聖堂で開かれた集会に出席した日、真紀子さんは沿道で出迎え、お見送りもしたそうだ。
どんどん言葉が出てくる。「在日米軍の駐留経費に年間約2000億円も必要かどうか、米国と胸襟を開いて話し合うべきです。改憲なんてやらなくていいから。世界中で発生した山火事問題への対処とか、科学技術を活用した環境問題への貢献とか。外交でできることがいっぱいあります」
現政権は「外交の安倍」を掲げるが、日中国交正常化を実現した故田中角栄元首相を父に持つ真紀子さんは、これには懐疑的だ。「あちこち出歩いているだけで結果は何もない。こんなに実績がない人も珍しい」
そういえば、国会で紛糾した「桜を見る会」は、角栄元首相の時代も開かれていたはず。安倍首相応援団は「歴代の自民党政権も民主党政権もやっていた」と居直るが、真紀子さんは「それこそ口先だけの欺瞞(ぎまん)の政治ね」と一刀両断にする。
「被災地の方々、彼らを支援したボランティア、アフガニスタンで亡くなった中村哲さんのように、目立たぬところで世界のため、日本のために苦労された方々を慰労して、みんなで楽しい時間を持ちましょうというのが本来の考え方。そこからあまりにもブレてしまいました」
国民にはフラストレーションがたまっている、と真紀子さんは見ている。「国民があきらめているかのように言われますが、本当は誰もあきらめていません。風穴を、誰がどう開けるかということなんですよ」。一段と声が大きくなった。「本当に死ぬ気になって国を変えたい、国をよくしたい、世界を平和にしたい、そういう思いがあったら、政治家は行動を起こすはずです」。議員立法、街頭演説、国会の内外での集会をどんどんやっていく熱が足りない、と感じている。
「みんなが評論家になって『野党がバラバラじゃ弱い』の一言で、ごみ箱にポイ。そうじゃなくて、誰かがアクションを起こせば動くんですよ。大阪で橋下徹さんが政党を作った時も、今回のれいわ新選組代表の山本太郎さんも。マスコミが悪いとか、野党が腰抜けだとか、人のことを言わなくていい。自分がやるんです」。与野党の政治家に直接電話をかけたり、政策の勉強会に出席したりしてはハッパをかけているという。
意見が対立する人ともざっくばらんに語り合った角栄元首相は、11月29日に101歳で亡くなった中曽根康弘元首相と同じ1918年生まれ。昨今の角栄ブームで「角さんが生きていればなあ」という声を耳にする度、真紀子さんは「もうこの世にいない人のことを言っても仕方ない。政治は現実なのよ。今いる人たちでやるしかないでしょ」と感じるという。
新たな政界再編が必要と説く真紀子さん。「ポスト安倍」で意中の人は誰ですか? 「いません。みんな熱がないですね。冷凍食品を解凍したみたいな人ばかりで」。公認会計士として活躍する長男の田中雄一郎氏(49)にも与野党から擁立話が絶えないが、本人が断り続けているという。「親も祖父も政治家ですから。選挙を見てるとバカバカしいと思うんでしょうね」
それならば、とズバリ聞いてみた。真紀子さんは国政に復帰する気はないのですか? 「私を担ぎたいという人たちがいたら出るかもしれません。エンジンがかかるかどうかです。実は私、政界を『引退する』とは一度も言っていないんですよ」
真紀子さんによると、先日、夫の田中直紀元防衛相(79)が「桜を見る会」疑惑で誰を証人喚問して何を聞くべきか、具体的なアイデアを口にした。それを聞いた真紀子さんはこう言ったそうだ。「パパ、もう一回バッジ付けて、やったら?」。今も夫婦ともに政治が最大の関心事であり続けているようだ。
1時間余、途切れることなく語り続けた後、写真撮影。そこへ真紀子ファンという熟年女性が歩み寄ってきた。「真紀子先生、お元気で活躍されていて、本当によかったです」。握手した真紀子さんは笑顔で「いえいえ、昼寝しているようなものです」。そして女性の衣装をほめた。「まあ、すてきなセーターですね」。すでに覚醒している、そんな口調だった。
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