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米国産牛肉を輸入禁止にしたEUの勇気ある対応と安全意識 トランプに握られた日本人の胃袋
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/266378
2019/12/18 日刊ゲンダイ
BSE問題があった頃の米国産輸入牛肉の検査風景(C)共同通信社
来月から日本にドッと入ってくる安い米国産牛肉。ところが欧州各国は、だいぶ以前から、この米国産牛肉の輸入を禁止にしている。百八十度違う対応だ。どうしてなのか。これは、食の安全を考える日本人にとって重要な問題だ。
まず、ざっとした経緯から書こう。1980年代、イタリアとプエルトリコで幼い女の子の乳房が膨らんだり、初潮が始まるという奇怪な事件が発生した。調べたところ、米国産牛肉の合成ホルモンが原因物質ではないかと推定された。
これをきっかけに、欧州各国でホルモン剤の使用に抗議する運動が起き、そして1988年、EC(現在のEU)は、家畜にホルモン剤を使用することを禁止した。さらに翌年には、米国産牛肉に残留する成長促進剤ホルモンであるエストラジオールに関して、「完全な発がん物質とみなす証拠がある」と発表し、ホルモン剤使用の米国産牛肉の輸入を禁止したのである。
発がん物質とは穏やかじゃないし、超大国アメリカを相手に、勇気ある対応だ。もちろん、米国だって黙ってはいない。「ホルモン剤を使用しても残留ホルモンは著しく低く、人体に影響はない」と反論。輸入禁止は不当として、ECの農産物に追加関税をかけたりして応酬。いまの米国と中国のようなものである。その後、この争いは裁判となり、ECは敗訴したが、かたくなに禁輸措置を解かなかった。たとえ敗訴しても、健康に疑いのあるものは国民にひと口たりとも食べさせない、というポリシーがあるからだ。
■日本はどうする?
食の安全に関して、基本的に科学的なエビデンスというものはない。薬の治験のように、人間に食わせて病気になるかどうか、試すことができないからだ。だから欧州は環境や生命に重大な影響があると疑われるものを禁止する「予防原則」の立場を取っている。もちろん輸入食品も同じだ。
しかし日本は逆だ。「絶対に危ない」ことが明確でないかぎり、大抵は輸入が許される。今回、トランプと安倍首相ががっちり握手した農産物分野の貿易協定妥結というのは、食の安全の基準を、低い方に合わせるということだ。
そんな経緯があって、欧州で禁止されている米国産の牛肉が、来年1月から日本へ大量に入ってくるのである。しかし、「絶対に危なく」はないからといって、欧州が禁止する牛肉を緩〜い基準に合わせてどんどん引き受けていいものなのか。これはかなり怖いことだという話を続けたい。
奥野修司 ノンフィクション作家
▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「怖い中国食品、不気味なアメリカ食品」(講談社文庫)がある。
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2019年12月17日
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— 黒酢 三太 (@c_h_i_o_n) 2019年12月18日
食の安全は当然!マリオのお陰で日本の食は危険になる、日米FTAで1月から危ない牛肉が大量にアメリカから来る。食べるもんか💢
この国に生きる人たちが、みんなで勉強して、勇気を持って輸入禁止にできればいいのですが・・・ pic.twitter.com/Ml6LPabRKM
— きでお孝則 (@kideotakanori) 2019年12月18日
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