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EU離脱意思を明示した英国民のリテラシー
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2019年12月13日 植草一秀の『知られざる真実』
12月12日に実施された英国の総選挙でEU離脱の執行を主張するボリス・ジョンソン首相が率いる保守党が勝利を収めた。 BBC(イギリス公共放送)による出口調査では与党・保守党368議席、野党・労働党191議席と保守党が過半数を獲得し、圧勝すると予測している。 振り返れば、2016年6月23日に英国でEU離脱の是非を問う国民投票が実施された。 事前の予測ではEUへの残留が離脱を上回るとされた。 ところが、実際にはEU離脱の意思が示された。 これが英国のEU離脱問題の実質的な出発点である。 民主的な手続きによってEU離脱を決定したのであるから、その民意を尊重することがまずは求められる。 ところが、EU離脱を排除したいと考えるグローバル巨大資本が懸命になってEU離脱という英国民の判断をなきものにするためにあらゆる工作活動を展開し続けてきた。 しかし、英国民は2016年6月の国民投票によって主権者が示した判断を尊重するべきとの意思を表示した。 民主主義の原理を重んじる英国民の冷静な判断が示されたものと言える。 メディアはEU離脱を推進するジョンソン首相を貶める情報誘導を展開したが、英国民は大資本による情報誘導に敗北しなかった。 メディアの嘘を見抜くメディア・リテラシーを備えているのだと判断できる。 英国の主権者によるEU離脱の決断はグローバリズムの流れに抗する新しい大きな流れのなかの重要なマイルストーンとして位置付けられることになる。 私は英国民投票の翌日である2016年6月24日にブログ記事 「反グローバリズム起点になる英国民EU離脱決定」 https://bit.ly/2LPWOFY メルマガ記事第1469号 「英国EU離脱決定で安倍政権経済環境急変」 https://foomii.com/00050 を発信し、次のように記述した。 「英国のEU離脱は、「グローバリズムの退潮の始まり」を意味する。 「グローバリズム」とは、強欲巨大資本が世界市場から収奪し尽くすためのスローガンである。 「グローバリズム」によって利益を得るのは強欲巨大資本であって、市民は被害者になる。 英国のEU離脱を決定したのは英国の主権者である。 この問題の論議に際して、残留を主張していた中心は資本家である。」 「EU離脱を求める理由として「移民の増加」が例示され、「移民の増加を嫌うEU離脱派は外国人排斥派である」とのレッテル貼りが横行した。 これは、グローバリズムを推進する強欲巨大資本による情報操作である。 EU離脱の根本精神には、「自国のことは自国の主権者が決める」という民族自決の原則の尊重がある。 「自国のことは自国の主権者が決める」という考え方が、正当に、そして当然の主張として、表面化しているに過ぎない。 EU離脱派が「他国人排斥者」であると決めつけるのはあまりにも短絡的である。」 安倍政権が国民を欺いて参加して批准を強行したTPP12、TPP11、日欧EPA、日米FTA等の「TPPプラス」は、「日本のことを日本の主権者が決められなくなる条約」であり、日本の主権者の利益を損ねるものである。 TPPプラスがもたらすものは、「日本のことを強欲巨大資本=多国籍企業が決める」という多国籍企業主権体制である。 英国の主権者は大資本が支配するマスメディアの情報をはねのけて、EU離脱の英断を下した。 しかし、日本ではマスメディアが情報空間の大半を支配し、歪んだ情報で占拠してしまう。 真実の情報、真実の声はウェブサイトの片隅に追いやられてしまっている。 圧倒的に多数の国民が真実を知らず、真実を知らされず、マスメディアの情報操作の餌食になってしまっている。 この情報空間の歪みを是正することが極めて重要だ。 この目的のために、インターネット上に「知られざる真実」を伝える大きな情報のパイプ、情報発信のプラットフォームを構築することが求められている。 インターネットから真実の情報を得ようとする主権者が共有できる、厚みのある入口サイト=ポータルサイトを創設することが重要だと考える。 大資本はテレビ、新聞、雑誌、単行本の情報空間だけでなく、インターネット上の情報空間の支配をも強めている。 状況を放置すれば、インターネット上の情報空間も既得権勢力が完全に支配してしまうことになるだろう。 これを防ぐための大同団結、連帯が求められている。 |
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