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自公と第二自公による二大勢力体制は最悪
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2019年12月12日 植草一秀の『知られざる真実』
日本を実効支配しているのは米国である。 その米国を支配しているのは巨大資本。 米国の巨大資本が日本を実効支配している。 米国は日本を戦利品と見なしている。 その戦利品から利益を吸収し続けている。 米国の意志は、米国の利益を損なわない日本政府の存在だ。 第2次大戦後に日本はGHQの統治下に置かれた。 敗戦直後のGHQは徹底的な日本民主化を指向した。 財閥解体、農地解放、労働組合育成という大胆な施策を実行した。 そして、日本国憲法制定を誘導した。 このGHQを主導したのはGS(民政局)である。 ニューディーラーと呼ばれる系譜に属する者がGHQの実権を握った。 日本が本当の民主化の方向に進んだのは敗戦から1947年までの2年間だけだった。 1947年にトルーマン大統領が米国外交基本路線を転換した。 「ソ連封じ込め」が米国外交の基軸とされ、連動して対日占領政策が大転換された。 民主化は中止され、日本は「反共の防波堤」として再編されることになった。 日本国憲法は出生の瞬間に生みの親とも言える米国から突き放されるという出自を負うことになった。 日本の実行支配者である米国の意志は、日本における傀儡政権の維持である。 このことを私たちは認識しなければならない。 米国にとっての脅威は米国の利権を損ねる独立政権の誕生だ。 1947年には当初のGHQ占領統治による日本民主化政策の結果として片山哲内閣が誕生した。 社会党党首を首班とする革新政権だった。 しかし、この政権が誕生した瞬間に、この政権は米国の利害と対立する存在になった。 GHQの主導権はGSからG2(参謀2部)に移行した。 G2は片山哲内閣、後継の芦田均内閣を破壊する工作活動を展開した。 G2を指揮したウィロビー少将が日本における傀儡政権樹立を委ねたのが吉田茂である。 傀儡政権としての吉田内閣が、米国が支配する日本の骨格を構築した。 吉田内閣が造船疑獄事件で崩壊した後に樹立された鳩山一郎内閣は米国と距離を置く政権だった。 その後継の石橋湛山内閣は米国に対して言うべきことを言う独立政権を指向した。 だからこそ、石橋内閣は米国から標的とされた。 石橋内閣が短命で終わった最大の理由は米国が石橋湛山内閣の短命を望んだことにある。 吉田茂内閣を継ぐ正統の傀儡政権を委嘱されたのが岸信介である。 吉田茂と岸信介が対米隷属=米国傀儡政権の始祖である。 現在の日本政治トップに安倍晋三氏と麻生太郎氏が存在するのは単なる偶然ではない。 背後に日本の実効支配者である米国の意志が存在する。 鳩山由紀夫内閣が短命に終わったのも、日本の実効支配者にとって鳩山内閣が脅威だったからだ。 米国が支配する日本の構造を打破しようとする勢力が日本の二大政治勢力の一翼を担えば、この勢力が政権を奪取し、安定政権を構築することは時間の問題になる。 したがって、米国は日本政治における二大勢力が対米隷属勢力と対米自立勢力の形態になることを強く警戒している。 野党再編の問題を考えるとき、この視点を欠落してはならない。 民主党が民進党になり立憲民主と国民民主に分裂した。 立憲民主が他の対米自立勢力と共闘し、対米自立を目指す政治勢力が二大勢力の一翼を担う方向に野党再編が進展することが期待された。 しかし、これは日本の支配者である米国にとって極めて危険な方向だった。 日本の二大勢力は対米従属、対米隷属を基本とする二大勢力でなければならないのだ。 その結果として、立憲民主と国民民主を再合流させる動きが推進されていると考えられる。 自公と類似した第二自公勢力としての野党再編が推進されている。 このまま進めば、日本は永久に米国による支配の構造から抜け出すことができなくなってしまう。 |
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