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枝野氏、一転融和へ 「君子は変わる」旧敵の剛腕も一目
https://digital.asahi.com/articles/ASMD45HNKMD4UTFK011.html
2019年12月9日18時30分 フロントライン 朝日新聞
立憲民主党の枝野幸男代表が、待ちの姿勢を改め、野党結集の旗を振り始めた。その先に、巨大与党に対抗する道は開けるのか。
臨時国会の閉会が迫る6日午後、国会内。枝野氏は、国民民主党の玉木雄一郎代表、社民党の又市征治党首、無所属の野田佳彦前首相ら統一会派を組む勢力のトップに呼びかけた。
会談に臨む(右から)野田佳彦前首相、国民民主党の玉木雄一郎代表、立憲民主党の枝野幸男代表、社民党の又市征治党首=2019年12月6日午後3時33分、国会内、岩下毅撮影
「より強力に安倍政権と対峙(たいじ)し、次の総選挙で政権を奪取してまっとうな政治を取り戻す。立憲民主党とともに戦っていただきたい」。慎重に言葉を選びながら、事実上の政党合流を求めた。
少し前まで、「政策の合う人はひとりずつ来ればいい」と、分裂を誘うかのようなもの言いを繰り返していた枝野氏だが、会談では他党への配慮を強くにじませた。要請を受けたひとりは「枝野さんは色々気を使っている」と評価した。
2017年秋、希望の党を立ち上げた小池百合子・東京都知事に「排除」された枝野氏を中心に結成された立憲。直後の衆院選で野党第1党に押し上げられた民意を重んじ、枝野氏は「永田町の数合わせにはくみしない」と宣言。選挙を経ない政党再編から、明確に距離を置いてきた。
衆院本会議で、安倍内閣不信任決議案の趣旨弁明をする立憲民主党の枝野幸男代表(手前)。演説時間は2時間43分に及んだ。後方は安倍晋三首相=2018年7月20日午後1時13分、岩下毅撮影
その枝野氏が今回、旧民主党勢力などの結集に軸足を移した。
水面下では、かつて反目したベテランともひそかに接触していた。
10月30日夜、枝野氏は福山哲郎幹事長を伴い、東京都内の高級ホテルにある日本料理店を訪れた。向き合ったのは、国民の小沢一郎衆院議員。臨時国会での統一会派の実現を祝したいと、枝野氏側が企画した。旧民主党時代、「数の力」を重視した小沢氏と、党の理念的な支柱を担った枝野氏とは、水と油とも言える間柄だった。
約2時間に及んだ宴の話題は、立憲と国民との合流論にも及んだ。「懐深く、胸襟を開いた対応をお願いしたい」。小沢氏は枝野氏にそう伝えた。早期の野党合流を主張する小沢氏は、国民内の異論に配慮する丁寧な対応を求めた。
その言葉を静かに聞いた枝野氏は、会合後、周辺に「私と小沢さんが食事をするというのは、相当なことだ」と漏らした。一方の小沢氏は「君子は変わる。枝野君を見直した」。ほかの野党から「上から目線」とも評されてきた枝野氏は、融和を強く意識するようになっていた。
結党の記者会見後、「立憲民主党」と書かれたプレートを掲げる枝野幸男氏=2017年10月2日午後6時13分、東京都千代田区、葛谷晋吾撮影
知事選で共闘深める
枝野氏の変化の背景には、夏の参院選で直面した立憲の党勢の衰えがあった。比例区の得票を2年前の衆院選より300万票以上減らし、獲得議席も想定を下回った。衆院議員の任期が折り返しに差し掛かり、次の解散・総選挙に備えるためにも、何らかの手を打つ必要に迫られた。
まず動いたのが、秋の臨時国会での野党統一会派の結成だった。不祥事や疑念が後を絶たない政権に対し、行政監視能力を強化して野党の存在感を高める狙いがあった。一方、国会外では、夏以降にあった埼玉、岩手、高知の各県知事選などで野党の統一候補を立て、選挙での共闘を深化させていた。合流を呼びかける環境は、少しずつ整っていった。
11月16日、枝野氏はテレビ番組の収録で、野党統一会派について語った。
「一つの会派で役割分担すると、より機動的、効果的に力を発揮できる。『桜を見る会』だけじゃなく、民間英語試験、記述問題もおかしいと、統一会派のチームでガリガリやる」
この時、臨時国会が始まって1カ月余りの間で、公職選挙法をめぐる疑惑などで2閣僚が辞任していた。安倍晋三首相の側近である萩生田光一・文部科学相の「身の丈」発言を機に、大学入学共通テストの英語民間試験が抱えていた問題に注目が集まり、土壇場での延期も決定。税金で催される「桜を見る会」で、首相の公私混同問題なども明るみに出た。
その首相は11月19日、通算の在職期間が歴代最長に並んだ。だが「桜を見る会」の疑念への批判はやまず、この日も記者団から「説明責任を果たしたと考えるか」などと問われていた。問題を長期政権のおごりやゆるみの表れとみていた枝野氏はこの日、国会内を歩きながらつぶやいた。「記者らの追及は必然だ」
世論の期待、高いといえず
ただ、野党が国会で攻勢を強めても、与野党の勢力図が直ちに変わるわけではなかった。統一会派に参加するすべての議員がひとつの党になったとしても180人規模にとどまり、約400人の自民党の半数にも達しない。野党に対する世論の期待も高いとは言えない。11月中旬の朝日新聞の世論調査では立憲の支持率は7%と、自民党の5分の1程度だ。
「他党との合流で立憲を立ち上げた意味や理念が失われてはならない」。枝野氏は党内で、たびたびそうした懸念を伝えてきた。
隠岐諸島を訪問した枝野代表は、島でとれた海産物の輸送方法や冷凍技術などを視察した=2019年11月23日午後1時47分、島根県西ノ島町、井上昇撮影
11月下旬の週末、枝野氏は島根半島の約60キロ沖合に浮かぶ隠岐諸島を、飛行機とフェリーを乗り継ぎ2日かけて回った。島の水産加工会社では、魚を生きたまま輸送するビニールのパッケージを手にし、「すごい技術だ」と感嘆の声を上げた。
離島や過疎地の訪問は、結党時から力を入れてきたこだわりだ。島々を回り終えた枝野氏は、「人口減少や後継者不足などの問題が集約する地域の視察は、日本全体にとっての示唆を与えてくれる」と語り、こう続けた。
「結党以来申し上げているボトムアップ型の政治、地域が持ち味を生かせる政治と行政の構造を作ることが、やはり一番大事だ」
枝野氏は再び立てるのか?
政治とは時間の関数である――。枝野氏が講演などでしばしば用いる言葉だ。時に応じて政治は変わらなければならない、との意味を込めている。裏を返せば、変化するタイミングを作り出すのもまた、自らである。
枝野氏は、来年1月の通常国会前までの政党合流をめざしている。この秋の臨時国会で、政権与党は野党が求めた首相が出席する予算委員会の開会を避け続けた。予算案を通すために審議に応じざるを得ない通常国会で、さらに行政監視を強めて巨大与党に対抗したい考えだ。
国民民主党の参院内には、合流に根強い反対意見がある。肝心の政策で一致できるかどうかなど課題は多い。それでも枝野氏が野党勢力の結集に動いたのは、世論の後押しがあると見るからだ。
「枝野立て」。2年前の秋、立憲を立ち上げた時に感じた期待を、30年近く続ける朝の街頭演説でいま再び感じているという。
枝野氏は最近、こう語り自信を見せた。「空気が確実に変わった」(井上昇、寺本大蔵)
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