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11月 29, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<吉本興業のお笑い芸人、小籔千豊(かずとよ)さんが苦しそうな表情で患者を演じている厚生労働省の啓発ポスターが批判を浴び、同省が自治体への発送をやめた問題をめぐり、野党が28日の国会で追及した。
同省は契約価格が4070万円だったことを明らかにした。SNSでは発送中止後も、ポスターをめぐる議論が収束していない。
■契約費にどよめき
28日の参院厚生労働委員会で、野党統一会派の田島麻衣子氏が加藤勝信厚労相に対し、「抗議をどう受け止めているか」とただした。加藤氏は「患者団体や有識者の意見を聞くなど、丁寧な対応をしておけばよかった」と答弁した。
田島氏は続けて「公費はいくらかかっているのか」と質問。厚生労働省の啓発ポスター「吉本興業と4070万円の委託価格で契約した」と明らかにすると、委員会室でどよめきが起きた。今後、実際にかかった経費の報告を受け、最終的な支払額が決まるという>(以上「朝日新聞」より引用)
異常だと気付かないのだろうか。問題となった厚生労働省の啓発ポスターの政策委託費が4070万円だったという。ただ説明した厚生労働省局長は「今後、実際にかかった経費の報告を受け、最終的な支払額が決まる」説明したようだが、そんなのは嘘っ八だ。これまでの予算執行実績から予算額が満額支払われるケースが大半ではないか。
どのような経過で「肺がん啓発ポスター」にお笑い芸人の起用が決まり、何を根拠にその見積もり価格が4070万円と決定されたのか明らかにすべきだ。つまり国の各省庁のみならず、県や市も各種「啓発ポスター」を年間ゴマンと制作し、各省庁や都道府県や市町村の窓口のカウンターなどに掲示されているが、そうした他の各種ポスターも高額な製作費が支払われているのか、国民は知りたいからだ。
厚労省の「肺がん啓発ポスター」制作は直に厚労省が吉本へ発注したのではないだろう。恐らく広告宣伝会社へ発注し、その広告宣伝会社に支払う外注委託費が4070万円ということではないのか。他の省庁が「啓発ポスター」や「啓発ビデオ」なども広告宣伝会社へ外注委託し、それを中抜きして各社へ下請けさせているのではないだろうか。
そうした慣行から各省庁から流れる巨額予算を仕切る「業界」のピラミッドが形成され、利権化しているのではないか。「法外な製作費」が業界では常識化して、一本の「啓発ビデオ」が数千万円から億を超えるといった、非常識が横行しているのではないだろうか。
ガリバー型寡占体制といわれる広告宣伝業界を公取委が一向に取り締まらず、解体勧告をしないのも変ではないだろうか。日本は文化にカネを払わない国だといわれている。利権構造外の文化人や文筆家が赤貧に甘んじている例はゴマンとある。その一方で利権構造を形成している広告宣伝業界には法外のギャラが慣例になっている。「啓発ポスター」の制作費に4070万円もの予算を流す太っ腹な官庁が存在するという、この眩暈がするほどの格差を誰か説明して頂きたい。
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