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与党は「桜を見る会」予算委集中審議に応じるべき
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2019年11月13日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍内閣が2020年の「桜を見る会」中止の方針を示した。 「まったく問題がない」のであれば、中止する必要がない。 突然、中止の方針を示したのは、問題があることを確認したからであると考えられる。 どこに問題があるのかを明確にした上で、適正な問題処理をしなければならない。 野党は予算委員会での集中審議を求めた。 与党は応じるべきである。 与党が集中審議に応じないなら、野党はすべての国会審議に応じないとの強いスタンスを示すべきだ。 審議拒否を批判する声があるが、その前に、集中審議開催の是非を問うべきだ。 野党の主張が間違っていて、その間違った主張を元に審議拒否をするなら、審議拒否が非難されるべきだ。 しかし、集中審議開催が是であり、その要求に応じないことを理由に審議拒否を行うなら、非難されるべきは集中審議に応じない与党ということになる。 問題は三つある。 第一は、公費が適正に使われたのかどうか。 2019年度の「桜を見る会」は参加者が1万8200人、費用が5519万円。 2014年度の1万3700人、3005万円から急増している。 予算額は2014年度以降約1767万円で固定されていたのに、現実の支出が激増して2019年度には5519万円になった。 このことが問題になると、内閣府は2020年度予算の概算要求額を2019年度の3倍超の5729万円とした。 現実の支出を圧縮するのでなく、予算そのものを3倍に拡大する要求を示したのだ。 この公費が私的な後援会関係者のための支出に充てられたのであれば、実質上の公金横領ということになる。 安倍首相は観光バス17台、800名もの後援会関係者を招待したと伝えられている。 第二の問題は、前夜祭の問題だ。 安倍首相は後援会関係者を「桜を見る会」前日の夜に集めて前夜祭を開催してきた。 都内の一流ホテルで開催し、参加費として1人5000円を徴収したとされるが、前夜祭には久兵衛などの一流寿司店も料理を提供していたと伝えられており、実費が1人5000円を大幅に上回る疑いがある。 実費が会費を上回る部分は利益供与となり、公職選挙法違反の疑いが生じる。 法的な問題が生じているのであり、事実解明が必ず必要である。 捜査当局は、疑いが明確になれば刑事事件として立件する必要がある。 日本の刑事司法の腐敗が深刻化しているが、これ以上の腐敗を許さないためには、主権者の監視が必要不可欠だ。 第三の問題は、政府主催行事が私物化されているとの疑いだ。 自民党の行事で公費が投入されていないものなら、自民党の判断でイベントを実施すれば良い。 ただし、その場合でも、有権者に対する金品や飲食の饗応は公職選挙法違反となる場合があるから、法的な問題を確実にクリアしなければならない。 しかし、「桜を見る会」は政府主催の公的行事であり、これを安倍首相や自民党議員が私物化することは許されない。 自民党の二階幹事長が「問題ない」との発言を示しているが、予算委員会で二階氏の見解をただす必要がある。 2020年度の桜を見る会を中止することにしたのは、今年度までの桜を見る会に重大な問題があると政府が判断したことの証左である。 したがって、今年度までの桜を見る会の問題を明らかにして、適切な法的および道義的責任を問う必要がある。 安倍首相の場合、800名もの後援会関係者を招待し、会費をはるかに上回る飲食饗応を行った疑いがあり、その責任は道義上のものにとどまらず、刑事上の責任に波及する可能性がある。 事実関係を明らかにするためにも、国会の予算委員会での集中審議を欠かせない。 与党が集中審議に応じないとする理由が成り立たない。 問題がないなら、集中審議に応じて、すべての事実を開示するべきだ。 御用メディアは集中審議開催を妨害する可能性があるが、主権者はそのような情報操作を許すべきでない。 菅原一秀前経産相が有権者に対する金品供与の疑いで辞任したばかりである。 今度は首相による金品、飲食饗応の疑惑である。 集中審議を認めないという判断はあり得ない。 |
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