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「天皇陛下万歳」が覆い隠した時代の閉塞と政治の退廃
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/264521
2019/11/11 日刊ゲンダイ
秋晴れの下で祝賀パレード(天皇皇后両陛下)/(C)日刊ゲンダイ
〈パレードに邪魔な一台ついて来る〉
朝日新聞(9日付朝刊)の「朝日川柳」にこんな一句が寄せられていた。天皇の即位を祝う10日の「祝賀御列の儀」に加わった安倍首相への当てこすりなのだろう。風刺が効いている。
日本列島を次々に襲った台風の被災者への配慮から延期された令和の祝賀パレードは、平成のコースを変更。皇居・宮殿を出発し、新たにルートに加わった自民党本部前を通り、赤坂御所までの4・6キロをおよそ30分かけて走行した。秋晴れの下、平成の11万7000人を超える11万9000人が沿道を埋め尽くした。
晴れやかな雰囲気に包まれたパレードとは対照的に、不気味だったのが前夜祭のような位置付けとなった9日夜の「国民祭典」だ。
皇居正門の石橋に立つ天皇と皇后を見上げる形で、皇居前広場に約3万人が参集。女優の芦田愛菜やJOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長ら各界著名人が祝辞を述べ、ジャニーズの「嵐」が奉祝曲「Ray of Water」を熱唱した。伊吹文明元衆院議長が万歳三唱で締めたのだが、その後も男性の通る声で「天皇陛下バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」「天皇、皇后両陛下バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」と万歳コールが延々と響き渡っていたのである。主催者の説明によると、予定通りの場内アナウンスだったという。
「日本会議」が噛んだ国民祭典
国民祭典の正式名称は「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で、主催は天皇陛下御即位奉祝国会議員連盟、天皇陛下御即位奉祝委員会、公益財団法人日本文化興隆財団だ。万歳三唱した伊吹は議連会長。奉祝委を構成するのは経団連、日本商工会議所、そして戦前回帰を目指す右派組織の「日本会議」だ。戦前の皇国史観や国家神道に憧憬し、明治憲法の復活をもくろみ、安倍政権を強力に支持する団体がここにも一枚噛んでいたのである。
「万歳がいつまでも続くので戸惑いました。周りの人たちも、あっけにとられていた」(20代女性)
「何なんだ? と思ったが、何となく雰囲気にのまれて万歳してしまった」(50代男性)
素直に代替わりを祝う気持ちが、安っぽい演出によって台無しである。ちなみに、過去の奉祝イベントも日本会議をはじめとするこの3団体が仕切っている。
沿道には11万9000人が集まった(C)日刊ゲンダイ
平和憲法をかなぐり捨てる「この国の形」を先取り |
それにしても、少し前なら躊躇するような「万歳」がかくも公然と叫ばれることへの驚きと違和感。それがかき消されてしまう同調圧力の危うさがこの国を覆っている。政治評論家の森田実氏は言う。
「戦時中だって、万歳三唱をあんなふうに長々と繰り返すことはなかったですよ。天皇、皇后両陛下の退出は拍手で見送ればいいじゃないですか。長期政権の末期になると権力者は必ずといっていいほど狂気を帯びてくるものですが、安倍政権の皇室利用は度を越している。過剰です。明らかに調子に乗っている」
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)もこう言う。
「繰り返される万歳三唱には野蛮な印象を受けました。この国は先祖返りし、近代がはるかに遠くなってしまったのか。あるいは昭和、平成と続いた平和憲法以降の時代を先取りした姿なのか。国民が国家の指導者に黙って従う社会。安倍政権や日本会議が理想とするこの国の形を見せつけられたのは疑いようがないでしょう。安倍政権が皇室を利用して大きな顔をできる機会は当面ありません。彼らにとって国民祭典は、まさにハイライトのイベントだったのでしょう」
「天皇陛下万歳」は戦前・戦中の暗黒時代を想起させたものだった。昭和は遠くなりにけり、である。
国民祭典でも安倍は「令和の世の平安と、天皇陛下の弥栄をお祈り申し上げ、私の祝辞といたします」などと挨拶。即位の礼に伴う行事での祝辞はこれで3度目だ。もっとも、内容はほぼ同じ。関係者もいい加減、聞き飽きたのではないか。
そもそも、天皇の生前退位に難色を示していたのは一体誰だったのか。生前退位も女系天皇も認めない立場を取る日本会議の顔色をうかがう安倍政権は、現上皇の意向をないがしろにし続けた。その結果として「お言葉」が発表され、生前退位が実現したが、ここに至るまで3年を要した。そして、新天皇の初面会にセットされたのは、安倍がシッポを振りまくる米国のトランプ大統領。臆測を呼びかねない大国首脳を避けるとの慣例を破った上、関心を示さないトランプに「スーパーボウルの100倍大きな行事」と安っぽいセリフで口説いたという。恐るべき皇室の過剰利用、恐るべき厚顔である。列島に響き渡った「天皇陛下万歳」が覆い隠したものをキッチリと見定める必要がある。
宰相の器とは程遠い指さしヤジ(C)日刊ゲンダイ
総辞職に値するヤジ連発 |
来年度から始まる大学入学共通テストをめぐり、安倍政権は火ダルマだ。経済格差や地域格差が問題視されていた英語民間試験の導入は、萩生田文科相の「身の丈」発言で見送られたが、国語や数学の記述式問題でも懸念山積。50万人の受験生の答案を2週間程度で採点するには1万人の採点者が必要だ。採点業務を約61億円で受注したベネッセグループの学力評価研究機構はアルバイトも当たらせるというのである。デタラメにもほどがある。
なぜ受験生を混乱させる入試改革を断行しようとするのか。浮上しているのが、安倍側近の下村博文元文科相ら文教族と、英語民間試験や採点業務に関わるベネッセグループとの癒着だ。支援者に国有地をタダ同然で払い下げた森友学園疑惑、国家戦略特区を利用して“腹心の友”に獣医学部新設の道を開いた加計学園疑惑に続き、大学入試改革でもオトモダチに甘い汁を吸わせている疑いが濃厚になってきた。安倍とオトモダチで教育行政を食い物にしているのである。国会紛糾は当然で、衆参両院の予算委員会集中審議で野党の追及に安倍はイラ立ちを隠せず、2度もヤジを飛ばしてたしなめれた。立憲民主党議員には「共産党!」とレッテル貼りだから、精神状態が危ぶまれるというものだ。
「長期政権の病的症状が表れています。誰にも止められず、やりたい放題。礼節や品格といった政治家が最低限保つべき条件をかなぐり捨て、下品なことこの上ない。総辞職に値する暴言です。野党は少数とはいえども、審議拒否をして徹底抗戦すべき。こんな首相にあと2年も政権を担わせるのは悲劇にしかならないと国民も気づくべきです。今月20日で安倍首相の通算在職日数は憲政史上最長になる。レガシーはそれで十分でしょう。もうお引き取り願った方がいい」(森田実氏=前出)
安倍政権は売国的な日米貿易協定の来年1月発効を目指し、臨時国会で承認案の採決も強行しようとしている。安倍は「ウィンウィンの合意」と胸を張るが、これも真っ赤なウソだ。日本が求めてきた自動車と自動車部品の関税撤廃はウヤムヤ。にもかかわらず、撤廃などを前提に協定発効によるGDP押し上げ効果を0・8%と政府試算。専門家からは「実際には試算の20分の1に過ぎない」との指摘がある。
慶事によって国民が忘れてしまう現政権の悪事と腐敗。それがまかり通り続ければ安倍政権の思うツボだが、国事行為として行われてきた即位の礼に伴う一連の儀式はきのうで終わり。平成の終わりに再登板した安倍によって、この国の凋落に拍車がかかった。アベノミクスで経済はメチャクチャ、格差拡大で生活苦が増大、老後不安は募る一方。「戦後外交の総決算」は絵に描いた餅だ。「新しい時代」という曖昧なキャッチフレーズに惑わされ、宙に浮く時代の総括と責任追及をしない限り、沈みゆくこの国は踏みとどまる手だてはないのではないか。
【写真特集】両陛下、即位パレード 祝福に笑顔で応えた4.6km
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) 2019年11月11日
【安倍 桜を見る会 支援者買収】
『列島に響き渡った「天皇陛下万歳」が覆い隠したもの』
「昭和は遠くなりにけり」
「少し前なら躊躇するような『万歳』がかくも公然と叫ばれることへの驚きと違和感、同調圧力の危うさ」
「国民が忘れてしまう現政権の悪事と腐敗」
#買って応援 pic.twitter.com/7bwdAkE155
政権が、天皇陛下の行動左右してほしくないですね。国民としては、政権と、天皇関係は、別のものです。
— 金ちゃん (@KQvIrdwt71qb5H4) 2019年11月11日
「天皇陛下万歳」が覆い隠した時代の閉塞と政治の退廃 https://t.co/ygyxZxH3aq #日刊ゲンダイDIGITAL #万歳
— 🌈小太郎@本厚木🐾 (@kotaro_reiwa444) 2019年11月11日
【列島に響き渡った「天皇陛下万歳」が覆い隠したもの】昭和は遠くなりけり こうした慶事によって、国民が忘れてしまう現政権の悪事と腐敗。「新しい時代」という曖昧なキャッチフレーズに惑わされ、宙に浮く時代の総括と責任追及 「日本会議」が噛んだ国民祭典(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/c8wQbCkTBC
— KK (@Trapelus) 2019年11月11日
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