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10月 31, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<河井克行法相(56)(衆院広島3区、当選7回)は31日午前、7月の参院選広島選挙区で初当選した妻の河井案里参院議員の陣営が運動員に法定限度額を超える報酬を支払ったとする問題の責任を取り、安倍首相に辞表を提出し、受理された。事実上の更迭となる。
31日発売の週刊文春は、案里氏の陣営が選挙運動を行うウグイス嬢に対し、公職選挙法で上限額と定められた1日あたり1万5000円の倍にあたる3万円を支払っていたと報じた。河井法相の元公設秘書の関与も指摘していた。
河井氏は首相官邸で記者団に、「今回の一件は私も妻も全くあずかり知らないところだ」と疑惑を否定した上で、「その確認、調査を行う間、国民の皆さまの法務行政への信頼は停止してしまう。妻と相談し、今朝(辞任を)決断した」と語った>(以上「読売新聞」より引用)
法相の妻が選挙違反に問われて夫の法相が辞任する、という極めて珍しいケースだ。しかし妻の選挙違反容疑がウグイス嬢に支払う報酬が公職選挙法に定める上限15,000円の二倍に相当していたから、とは何とも情けない。
情けないとは二重の意味で情けない、と思わざるを得ない。まず第一は悪法も法なり、で「悪法」であっても法に従わなければならない、とは法治国家として当然のことだ。そして二つ目の情けなさはウグイス嬢の報酬が15,000円では誰も来ないという現実がある。
一日中自動車に揺られて喋り続けるウグイス嬢の労働は極めて過酷だ。しかも特別な能力が必要とされる。もちろん美声はいうまでもなく、他にも有権者に対する臨機応変の対応は必須条件とされる。出来れば若くて美女であれば引手数多となる。
そうした特殊技能を備えたウグイス嬢の日当が法定費用で済むわけがない、というのは選挙で「常識」になっている。国会議員選挙だけではない、地方議会議員選挙ですら法定費用で済ませている候補者は皆無といって良いだろう。
法相の妻が参議院選でウグイス嬢に支払った日当が30,000円というのが、むしろ驚きだ。それは地方議員クラスの相場でしかないからだ。
途中で休みがあるものの、朝八時から夜の八時まで喋り続けるウグイス嬢の報酬として15,000円は余りに少ない。しかも日数限定の臨時雇いだ。公職選挙法を定めた官僚たちの日当分にも及ばないだろう。
ちなみに選挙のポスター張りなどで雇用出来る運動員の日当の上限が10,000円だ。それと比較しても、ウグイス嬢の日当は低すぎないだろうか。
法相が辞任したのは配偶者の選挙違反は連座制で本人にも及ぶのを見越してのことだろうが、悪法といえども法は法だ。法相が率先して法を破ってはならないのは当然のことだ。ただ法相本人が有権者にジャガイモを配っていたとの報道もあるようだ。それは明確なアウトだ。今後の捜査を待つしかないが、河井克行(56)氏は法相辞任だけでは済まないかも知れない。
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