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いま上げるべきは消費税ではなく最低賃金
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2019年10月31日 植草一秀の『知られざる真実』
「いま上げるべきは消費税ではなく最低賃金」 「最低賃金の抜本的な引き上げのために中小企業支援がどうしても必要。」 「しかし安倍政権のもとで中小企業予算全体は削減され、賃上げのための『業務改善助成金』は ここ3年間の予算48億円に対して執行額15億円で、3割しか使われていない。」 臨時国会の衆議院代表質問で日本共産党の小池晃書記局長(参院議員)がこう述べた。 年収200万円の1000万人の労働者を年収300万円にするのにいくら必要か。 10兆円だ。 10兆円は小さな金額ではないが、予算で扱いきれない規模の金額でもない。 安倍首相はトランプ大統領の言いなりで武器・弾薬・兵器を爆買いしている。 武器・弾薬・兵器の値段はあってないようなもの。 売り手が示す価格=「言い値」がそのまま販売価格=購入価格になる。 私は、こんな値段で商売できるビジネスを 「言い値ビジネス」 =「いいね!ビジネス」 と名付けた。 安倍首相のおもてなしは、ゴルフ、相撲、炉端焼きだけではない。 ゴルフ、相撲、炉端焼きで終わっているならかわいいものだ。 最大のおもてなしは、米国製武器・弾薬・兵器の爆買いだ。 しかも「いいね!ビジネス」 安倍内閣は米国の最新鋭ステルス戦闘機F35を105機追加購入して147機体制にした。 現行中期防の期間で45機を調達し、単価を116億円とした。 この価格で147機購入すると機体の価格だけで1兆7052億円に達する。 実際にはF35Bの価格はさらに跳ね上がる公算が高い。 かかるお金はこれだけでない。 膨大な維持費がかかる。 防衛装備庁の年次報告書によれば、前中期防までに導入を決めたF35A42機の維持費は1兆2877億円(運用期間30年)。 1機あたりで約307億円。 147機の維持費をこの水準で計算すると維持費合計は4兆5129億円になる。 機体費用1兆7052億円を合わせた合計金額は6兆2181億円になる。 安倍内閣の武器・弾薬・兵器の爆買いはこれにとどまらない。 オスプレイにイージスアショア。 すべてが「役立たず」である。 紛争が発生した際、最初に狙われるのは軍事基地だ。 滑走路をミサイルで攻撃されればF35を147機保有しても空に飛び立てなくなる。 オスプレイは攻撃されなくてもひとりでに墜落する可能性が高い。 イージスアショア(陸上イージス)は2基の本体価格だけで4664億円もするが、日本の「大綱」、「次期防」にも入っていなかった。 トランプから買えと言われて押し込まれたものだ。 イージスアショアは山口、秋田に配置する計画が持たれているが、山口、秋田は日本を標的とするミサイルを打ち落とす地点ではない。 秋田は北朝鮮からハワイに向かう軌道の直下、山口は北朝鮮からグアムに向かう軌道の直下なのだ。 しかも、高速で発射され弾道を描くミサイルを迎撃ミサイルが撃ち落すことは不可能と見られている。 他方、生活保護費の給付総額は3.8兆円。 全人口のなかで生活保護を利用している人の比率は約2%。 しかし、日本の場合、利用条件を満たしているのに利用していない人が8割の水準だ(捕捉率2割)。 肩身の狭い思いをさせられるから、生活保護を利用しない。 義務教育の給食を全額無償化するのに必要な金額は4200億円であることを福島みずほ議員が指摘している。 要するに、財政資金の使い方に重大な問題があるのだ。 消費税を減税し、同時に最低賃金を引き上げるために中小企業助成を拡大する。 無用の長物である武器・弾薬・兵器購入をやめるだけで大きな財源を確保できる。 本当の財政改革とは予算の使い道を適正化すること、税制の構造を「格差是正」を目的に再構築することである。 この論議を徹底的に深めなければならない。 |
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