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遠のく憲法改正 所信表明原案でなかった「改憲」/古賀誠・元自民党幹事長直撃「9条堅持」のなぜ=ジャーナリスト・鈴木哲夫
https://mainichi.jp/sunday/articles/20191021/org/00m/010/001000d
2019年10月22日 03時00分 サンデー毎日 2019年11月3日号
衆院本会議で所信表明演説に臨む安倍晋三首相=国会内で2019年10月4日午後2時16分、手塚耕一郎撮影
安倍政権の一丁目一番地である「憲法改正」が見通せない。「国づくりの道しるべ」と首相は強調するが、自民党の実力者は体を張って、「待った」をかける。
10月4日、臨時国会初日。所信表明演説もいよいよ終わりに近づいたあたりで、安倍晋三首相は一層力を込めてこう主張した。
「令和の時代の新しい国づくりを、皆さん、共に、進めていこうではありませんか。その道しるべは、憲法です。令和の時代に、日本がどのような国を目指すのか。その理想を議論すべき場こそ、憲法審査会ではないでしょうか」
国会を取材している多くのマスコミは慌てた。なぜなら、各社が事前につかんでいた演説の概要には、そうした憲法改正に関するくだりが入っていなかったからだ。新聞記事の見出しには「改憲議論呼びかけ」と一斉に「改憲」の文字が躍った。
安倍首相に近い自民党ベテラン議員はこんな裏があるとの見方を示した。
「事前にマスコミが得た演説要旨はわざと改憲の部分を控えめに書いたものを首相周辺が流したんだろう。本番でいきなり強い表現で首相が付け加えたとなると、みんな驚いてそこに惹(ひ)き付けられ、所信表明の記事はメインが改憲ということになった」
今国会は、野党などは改憲よりも関西電力の金品受授問題や年金、消費増税、日米貿易の不平等などに照準を絞っている。これに対して、改憲の流れを着実に作りたい安倍政権が、「報道を改憲一色にするというメディア戦略があったのではないか」(同ベテラン議員)という。
安倍首相が描いているとされる改憲スケジュールは、今国会で国民投票法改正案を成立させ、来年の通常国会で憲法審査会に自民党改憲案を示して野党を議論のテーブルにつかせ、来年秋の臨時国会で発議をするというもの。しかし、そううまく事が運ぶか?
自民党の中で、この改憲を巡り、いま新たな権力闘争の構図が生まれつつある。それが壁となって、改憲は前へ進まないのではないかということなのだ。
いまも自民党政局に影響力を持つ自民党岸田派(宏池会)名誉会長の古賀誠元幹事長が、9月末、『憲法九条は世界遺産』(かもがわ出版)を出版した。
内容は、安倍首相に正面から挑む内容。首相が意欲を示す憲法9条改正について反対しているのだ。
著書の中で古賀氏は自らが2歳の時に父が戦死したことを紹介。その後、苦労を重ねてきた母の姿を見てきたその経験から、政治家の原点は「戦争未亡人を再び生み出さない平和な国をつくりあげる」ことであり、憲法9条については「再び戦争を行わないと、世界の国々へ平和を発信している。これこそ世界遺産だ。一切改正してはダメだ」(抜粋)と書いている。
私は10月12日、古賀氏と共にテレビ西日本の報道番組「CUBE」に出演し、真意を直接聞いた。
古賀氏はこう述べた。
「憲法に自衛隊を書く、そして9条の1項も2項もそのままで何も変わらないというなら、いま書く必要はない。自衛隊を書くことになればいっぺんに変わっていく。蟻(あり)の一穴でも開けたら一気に広がっていく」
―安倍首相は、改憲スケジュールをいよいよ実行し始めようとしている。
「為政者が改憲について言い出すのはそもそもおかしい。審査会での改憲議論はやるべきだと思う。変えていくべきところは他にもある。野党もどんどん参加してやるべき。しかし、私はきちんと分けている。9条は違う。9条の改正は許さない。議論の中で平和主義と立憲主義は絶対に守れということだ。憲法は権力の乱用を縛るものだ」
―議論が進むことはイコール9条改憲につながっていくのでは?
「いや。9条改正については国民が許さない」
さらに古賀氏は岸田文雄政調会長の後見人であり菅義偉官房長官との関係も近い。岸田氏も菅氏もポスト安倍の一人として名前が挙がるが、古賀氏が今後、ポスト安倍に向かってどんな仕掛けをするのか。
古賀氏は昨年の総裁選で、岸田氏は出馬すべきだと動いていた。竹下派の実力者の青木幹雄元自民党参院議員会長とも連携し、岸田擁立を目指したが、岸田氏は決断できなかった。その後、安倍首相に歩み寄る。それは禅譲狙い路線にしか見えない。古賀氏は、そんな岸田氏に不満はないのか。番組で聞いた。
「岸田氏は首相に寄るだろう」
―岸田氏は昨年出るべきだった。もう少し戦う姿勢を見せるべきでは?
「メリハリがない」
―ポスト安倍として菅氏はどうか。
「総理総裁になるために必要なのは、やり遂げるという意思と長期政権。ただ安倍さんのように3期というのはちょっと長い」
直接的な表現は避けたが、前出のベテラン議員は古賀氏が今後作り出すパワーバランスをこう読み解く。
「岸田氏のことは半ば見限った表現だ。昨年の総裁選断念の直後には『(宏池会の)後継会長にして正解だったのか』とまで言っている。そして、岸田氏は改憲については9条改正も含め安倍首相の改憲案の議論を進める考えを公言した。今回の古賀氏の9条堅持の明言で、岸田氏は古賀氏から離れ、安倍首相の方へ寄って行くだろう」
一方、古賀氏が幹事長時代に菅氏は党総務として支えた。菅氏はいまも古賀氏の個人事務所を訪ねるなど信頼関係は厚い。
「古賀、菅両氏と近いのが二階俊博幹事長。二階氏は、先日の改造人事で安倍首相から幹事長を外されそうになり、ならば改憲で協力しないなどと言い返して留任を勝ち取った。首相とのわだかまりや不信感は残ったまま。つまり、今後9条など改憲の内容や進め方を巡って、古賀・菅・二階が結束、岸田氏は古賀氏からいよいよ離れ安倍首相寄りに。そのあと何が起きるか。古賀氏らが中心になってポスト安倍で菅氏を抱える動きが加速するかもしれない」(同ベテラン議員)
改憲は9条改正の是非を大義にして党内に新たな軋轢(あつれき)を生むと同時に、改憲シナリオそのものも迷走するかもしれない。
(ジャーナリスト・鈴木哲夫)
すずき・てつお
1958年生まれ。ジャーナリスト。テレビ西日本、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリー。豊富な政治家人脈で永田町の舞台裏を描く。テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活躍。近著『戦争を知っている最後の政治家 中曽根康弘の言葉』『石破茂の「頭の中」』
安倍政権の一丁目一番地である「憲法改正」が見通せない。自民党の実力者は体を張って、「待った」をかける――。https://t.co/emuG3pJIMJ
— 毎日新聞 (@mainichi) 2019年10月22日
古賀誠・元自民党幹事長直撃「9条堅持」のなぜhttps://t.co/hpqhmPEZAQ#古賀誠
— ごきげんマウス (@antonio_luno) 2019年10月22日
元自民党幹事長、
9条堅持、との姿勢は寡聞にして知らなかった。
同じ宏池派に二階、菅がいる。
彼らのsスタンスは曖昧。
数少ない自民内護憲派となりそうだ。
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