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「天皇万歳」の安倍首相 いよいよ鮮明な「明治への憧憬」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263699
2019/10/24 日刊ゲンダイ
完成に近づく明治回帰(C)ロイター
天皇が即位を国内外に宣言する「即位礼正殿の儀」、そして夜には賓客を招いての「饗宴の儀」が行われた22日は、朝から晩まで、テレビはこの話題一色だった。国を挙げての慶事に浮かれ、今なお台風の被害に苦しんでいる被災者のニュースさえ、すっかり脇に追いやられてしまった感もある。
23日夜は、安倍首相夫妻が主催する晩餐会が都内のホテルで開かれた。即位礼正殿の儀に参列した海外からの賓客らが出席。狂言や歌舞伎、文楽、能など伝統芸能が披露され、狂言師の野村萬斎、歌舞伎俳優の市川海老蔵らも出演した。安倍は「この機会に、本日の晩餐会を催すことができましたことを大変光栄に存じます」と謝意を述べた。
即位の礼に伴う「饗宴の儀」は、あと3回開催される。本来であれば即位礼の22日に催されるはずだったパレード「祝賀御列の儀」は、台風被害を考慮して11月10日に延期された。その前日9日には、皇居前広場で「御即位をお祝いする国民祭典」が開催され、ジャニーズのアイドルグループ「嵐」のメンバーらによるパフォーマンスが繰り広げられる予定だ。
そして、11月14日から15日にかけては、皇位継承の重要儀式「大嘗祭」が行われる。新天皇が即位した年の収穫物を神々に供え、祈る儀式である。祭祀が行われる大嘗宮はその都度造営され、斎行後には破却・奉焼される。宗教色が強いため、国事行為ではなく皇室行事とされているが、大嘗祭には27億円の国費支出が見込まれているのだ。即位関連では総額166億円もの予算が計上されている。
時間は十分あったのに議論を封印した政府
「大嘗祭は皇室神道にのっとった宗教的な儀式で、国費の支出は憲法が定める政教分離の原則に反するという見方が根強い。皇室内からも、秋篠宮が大嘗祭を国費で賄うことに疑義を呈す声を上げたくらいです。即位の礼にしても、これに先立って天皇の祖先とされる天照大神に即位礼の報告をしたり、三種の神器を用いたりと、神がかった宗教行事であり、政教分離の大原則に反するのは明らかです。平成の即位の礼や大嘗祭をめぐっても、全国で違憲性を問う訴訟が相次ぎ、大阪高裁は1995年に『違憲の疑いが否定できない』という判断を示した。それにもかかわらず、特段の議論もないまま儀式の前例踏襲が決まり、戦前回帰のような天皇礼賛の演出に大メディアが熱中していることには薄気味悪さを感じます」(政治評論家・本澤二郎氏)
中世以降、皇位を継承する「践祚」には、崩御に伴う「諒闇践祚」と譲位に伴う「受禅践祚」がある。今回はおよそ200年ぶりの天皇退位による即位となった。
大日本帝国憲法下で即位した昭和天皇の崩御によって即位した現上皇は、日本国憲法の下で象徴天皇として即位した初めての天皇だ。平成の代替わり当時は今以上に政教分離の議論が盛んだったが、崩御による諒闇践祚で準備の時間がないという理由で、前例を踏襲する格好になった。
今回は純粋な意味で、現行憲法下で初の代替わりが行われたことになる。しかも、退位の日程も即位の日程もあらかじめ決まっていた。十分な時間があったのに、憲法の趣旨と儀式のあり方についての議論はほとんどないまま、政府は前例踏襲を早々と決めてしまった。まるで異論を封じようとするかのようだった。
23日は要人を招いた晩餐会を主催(C)ロイター
皇室神殿を頂点とする祭祀体系の国民統治モデル |
即位礼正殿の儀で、国民の代表として「寿詞」を読んだ安倍が、高御座の新天皇に向かって「天皇陛下、ばんざーい」と叫ぶ。それを合図に、陸上自衛隊が21発の祝砲を撃った。これに戦前・戦中のイメージを重ねた人は少なくないはずだ。
この儀式は、明治政府が公布した旧皇室典範と登極令を踏襲している。天皇が即位を宣言した高御座も、建国神話の「天孫降臨」をモデルに考案されたとされる。古来の伝統といっても、天皇の神格化を徹底するために、明治期に形づくられた儀式なのである。古式装束の平安絵巻を見るイベントのように儀式を楽しんだ国民もいるだろうが、天皇を現人神に祭り上げたて政治利用した明治政府の国家主義的な側面を考えれば、21世紀の新しい天皇像を模索することを拒否し、時代を逆戻りさせるような天皇イメージの固定化をゴリ押しする政府に不気味なものを感じざるを得ない。
歴史学者の故・安丸良夫氏は、著書「神々の明治維新」で、明治政府による神仏分離や伊勢神宮と皇居の神殿を頂点とするあらたな祭祀体系は一見、古代的風貌をもっているが、その実態は「中央集権的な近代的国家体制の担い手を求めて、国民の内面性を国家がからめとり、国家が設定する規範と秩序にむけて人々の内発性を調達しようとする壮大な企図の一部だった」と記している。
「それらの国民意識統合の試みは、あまりに独善的だ」と断じるが、同じことをしようとしているのが、安倍政権ではないのか。
ジャーナリストの斎藤貴男氏も著書「『明治礼賛』の正体」で、安倍が第2次政権発足後、ひたすら「明治」を礼賛し、昨年は「明治150年」の記念行事に熱中していたことに関して、こう書いている。
<理想である“明治の再現”をより際立たせ、広く国民大衆に植え付け、挙国一致の国家目標として定着させる狙いがあるのではないか>
<すでに富国強兵・殖産興業を目指す経済政策は実際に推進されてきている>
明治政府による天皇の神格化は絶対的な支配の装置として機能し、その結果、狂気の戦争に国民を動員していった。安倍政権の目論みも、そこにあるのだろうか。
天皇を担ぎ、利用して自分の権威を高める
「いつの時代も、姑息な連中の考えることは同じ。保守を気取りながら、実際は皇室を軽視し、利用することしか考えてない。安倍政権がやっていることも明治政府の支配層と同じで、天皇を担ぎ、その威を借りて自分の権威を高める。天皇が国民のために心を砕いて信頼を得るほど、ますます利用されてしまう卑劣なやり口です。安倍首相が最近あまり『明治、明治』と言わなくなったのは、政権発足から7年近く経って、理想とする明治回帰が完成に近づいたからでしょう。即位関連の一連の儀式で天皇の権威を一層高め、昨今の大災害も利用して、『緊急事態条項』を言い出すのは時間の問題です。罪深いのはマスコミで、即位礼が憲法の政教分離の原則や国民主権に抵触するのではないかという疑念には触れず、祝賀ムード一色で盛り上げている。かつての大本営発表とどこが違うのでしょうか。天皇制や、それを利用する政権の思惑について国民がマトモに考えないまま『天皇万歳』に乗っかっていれば、歴史は繰り返す。今度は米国の奴隷兵として戦争に駆り立てられることになりかねません」(斎藤貴男氏)
即位礼の当日、NHKは安倍に最も近い記者と呼ばれる岩田明子解説委員が出ずっぱりで、関連儀式について解説していた。即位礼は政治マターだとゲロっているようなものだ。即位礼の直前に雨が上がって虹がかかったことも独自ニュースとして報じ、識者に「エンペラーウエザー」などと言わせていた。まるっきり神話の世界である。公共放送がニュースでやることなのか。
たしかに、「神の国」や「天皇の奇跡」などという言葉の魅力に身を委ねる刹那は心地いいかもしれない。閉塞感あふれる日常においてはなおさらだ。だが、この先も続く即位関連イベントで政府の演出にのみこまれてしまったら、無邪気な明治への憧憬が行き着く先は、悲惨な国民生活でしかないことは肝に銘じておいた方がいい。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) 2019年10月24日
“「即位の礼」「饗宴の儀」「パレード」「大嘗祭」とこれでもか”
【安倍流演出 薄気味悪い明治への憧憬】
『これぞ不気味な政権が7年がかりで目論んでいる「明治礼賛国家改造」の総仕上げ』
「前例踏襲の一言では片づけられない“一同こぞって天皇万歳」
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「天皇万歳」の安倍首相 いよいよ鮮明な「明治への憧憬」 https://t.co/hH5SWYlGjb #日刊ゲンダイDIGITAL
— 茂 (@richard__99) 2019年10月24日
即位の礼、饗宴の儀、パレード、大嘗祭とこれでもか【安倍流演出】薄気味悪い明治への憧憬 新しい天皇像を模索することなく時代を逆戻りさせるようなイメージの固定化が議論もなく推し進められているが、これぞ不気味な政権が7年がかりで目論んでいる「明治礼賛国家改造」の総仕上げ(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/QhXsEyBENa
— KK (@Trapelus) 2019年10月24日
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