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学齢期なのに、小中学校に通えない外国籍の子どもが国内に2万人近くいる可能性がある。文部科学省の初の調査で分かった。少子高齢化対策で政府が外国人労働者の受け入れを拡大し、外国籍の子は確実に増える。子どもが学ぶ権利は国籍に関係なく平等だ。国が主導し、自治体と共に早急に対策を講じるべきだ。
文科省が「不就学」の可能性があるとした外国籍の子は1万9654人。この年代は住民基本台帳には約12万人登録されており、16%を占める。このうち、就学していないことが明らかなのは千人で、残りは状況の把握すらできていないといい、その事実が事態の深刻さをうかがわせる。実際には住民登録していない子どももいるだろう。
日本も批准した国際人権規約は小中学校の教育を「義務的なもの」とし、「すべての者」に無償とするとしている。ただ、憲法が定める義務教育の対象は「国民」。外国人は対象外で、法律上は就学させる義務がないことが問題の背景にある。
調査から浮かぶのは、外国人への就学案内が不親切という実情だ。多くの市区町村が、保護者の希望があれば入学させるという待ちの姿勢で、積極的に働き掛けていない。
住民登録時に全員に就学案内をする自治体は半数。義務教育年齢の子どもを登録する「学齢簿」に準じる書類を外国人全員に作る所も半数に満たない。小学校新入学の年齢の子がいる家庭に案内を送るのは63%、中学校は48%にとどまる。多くが日本語で記しており、理解が危ぶまれる。
驚くのは、就学状況が不明な場合の対応について、65%もの自治体が「特に実施していない」と答えたことだ。国は「通知などで対応を促してきた」というが、責任を押し付け合って済む問題ではない。文科省は今年に入ってようやく実態把握や対策を検討し始めたが、遅きに失した感がある。
外国人が住むのは東京都、大阪府、神奈川県、愛知県など都市部が多い。人数が多い自治体は把握が不十分な一方、国際結婚などで外国人が散在する地域は受け入れの経験が少なく、人手や予算もないという課題がある。
国がこの問題を自治体任せにしてきたために地域ごとの差が大きい。外国人労働者の多い浜松市は積極的に家庭への訪問を繰り返してきた。文科省はこうした先進事例を一刻も早く全国に紹介し、きめ細かな対応を促すべきだ。さらには制度を整え、自治体の財政支援に力を入れる必要がある。
文科省の別の調査では、日本語指導が必要な高校生の中退率は平均の7倍以上。卒業しても就職者の40%が非正規労働で、進学も就職もしない比率も高い。日本語が不自由なまま働いたり、きょうだいの世話をしたりする子どもの将来が心配だ。
制度からこぼれ落ちた子どもたちが犠牲になっていいわけがない。読み書きもままならずに大人になれば、貧困状態に陥る恐れが大きい。教育を受けて就職し、生活が安定すれば、結局は日本社会全体が利益を得る。
4月の改正入管難民法施行による新たな在留資格創設で、外国人労働者とその子どもは一層の増加が見込まれる。門戸を開いた以上、国として責任を持つべきだ。こんな恥ずかしい状況を放置したままでは安倍政権は国際社会に顔向けできまい。直ちに対策を実行する必要がある。(共同通信・池谷孝司)
佐賀新聞社説 2019年10月19日
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/443320
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