2019年ノーベル化学賞は素晴らしいことです。 しかし残念ですが情報が少し古いような気がする。 同じリチウムイオン電池ですがこちらが本命だとされている。 業界が期待するのはこちらの方面。 既に量産化が始まり太陽電池の電力保存用にも使用されている。 ミリタリーでは衝撃に強く発火しないので無音の潜水艦用途らしい。 リチウムのセルに弾丸を撃ち込んでも燃え上がらい。 沢山情報が出てきますが例えばこれなんかどうでしょうか。********************************************** 全固体電池の実用化目前!私たちの生活を変える新時代の電池とは? 東京工業大学 科学技術創成研究院 全固体電池研究ユニットリーダー 物質理工学院応用化学系 菅野了次教授 https://emira-t.jp/ace/5178/ 研究者間でも難しいと言われてきた超イオン伝導体の発見 現在主流となっているリチウムイオン液体電池の仕組みをおさらいしておくと、正極(リチウム酸化物)と負極(炭素など)の間はリチウム塩有機溶媒という液体電解質で満たされ、セパレーターというミクロの穴が開いた壁で隔てられている。放電時、負極にため込まれたリチウムイオンは電解液中に抜け出し、セパレーターを通り抜けて正極の結晶構造内に入り、リチウムに戻る。その過程で電子をやり取りすることで、外部に電流が取り出せる仕組みだ。 一方、これから実用化を目指している全固体リチウムイオン電池は、電解質が液体ではなく、文字通り固体でできている。 これまでのリチウムイオン電池を上回る性能 菅野教授らの研究グループは、近年において3度大きな発見を成し遂げている。 2011年にゲルマニウムを用いた組成の固体電解質では液体電解質に匹敵するイオン伝導率を達成。さらに2016年には塩素を組み込んだ材料を発見し、液体電解質の2〜3倍という高いイオン伝導率を示した。そして昨年のスズ、ケイ素を含む新組成の発見で、より安価で合成しやすい、つまり実用化に適した全固体電池の材料を見いだした。 「安全性の高さやエネルギー密度の高さは以前から期待されていましたが、私が2011年および2016年に発見した新材料では、出力密度についても液体のリチウムイオン電池以上に高められることを証明しました。固体電解質は抵抗が大きく、大きな出力は得られないと長年言われてきましたが、本質的にイオン伝導率を高められる、出力を増やせることを示せたのです」 では、電解質が固体になることでどんな恩恵があるのか──。 一つはもちろん安全性だ。リチウムイオン液体電池は他の電池に比べて出力密度、エネルギー密度とも高いため小型軽量で大きな電力が得られることが特徴に挙げられる。そのため急速に普及したが、可燃性の電解質が使われているため、液漏れや発火の危険性が内在している。全固体リチウムイオン電池ならこうした現象が構造上、発生しない。これはEVやスマホなど身近な電化製品に使われる上で大きなメリットといえる。だが、他にも特筆すべき点はたくさんあるという。 「固体なら積層が可能なので、エネルギー密度を既存のリチウムイオン電池よりもさらに高めることができます。イオン伝導率の高さから大きな出力が得られることは前述のとおりですが、これは充電も短時間で行える可能性を示しています。 さらに?30℃〜100℃でも安定した性能を発揮できるなど、温度変化にも著しく強い。まだ固体電解質の特性を最大限に生かせる電極材料は何なのか、などの課題は残っていますが、以前に比べると見通しはかなり明るくなってきました。実用化された暁には、これまでのリチウムイオン電池をはるかに超えた特性が期待できるでしょう」 ********************************************** 2019年06月19日 HOME新・電子立国の基盤村田製作所が全固体電池を量産へ、容量は“業界最高レベル” 2019年06月19日 村田製作所が全固体電池を量産へ、容量は“業界最高レベル” 野洲事業所にラインを新設 村田製作所は2019年度内にセラミックス技術を応用した全固体電池の量産に乗り出す。野洲事業所(滋賀県野洲市)の電池関係の生産棟に量産ラインを新設する。当面の生産能力は月10万個を予定する。試作品の容量は他社製品と比べて100倍の10ミリアンぺア時強と業界最高レベル。17年にソニーから買収したリチウムイオン二次電池事業を含め、注力するエネルギー関連市場への展開を加速する。 電解質にセラミックス材料を使った面実装タイプの「セラミックス全固体電池」を量産する。積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製造設備を転用するほか、数億円を投じてドライルームなどの付帯設備を整える。 次世代の全固体電池をめぐり、各社が開発、量産を急ぐ。TDKも村田製作所と同様のセラミックス型全固体電池を開発。年内にもIoT(モノのインターネット)機器向けなどへ量産を目指す。トヨタ自動車とパナソニックが20年末までに共同で設立する新会社でも電気自動車(EV)向け全固体電池の研究開発を進める計画だ。 調査会社の富士経済(東京都中央区)によると全固体電池の世界市場規模は17年が21億円に対して、EV向けがけん引して35年は2兆7877億円となる見通し。
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