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撤回で済むのか 二階幹事長「まずまず」発言は自民の本音
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263350
2019/10/16 日刊ゲンダイ
どこが「まずまず」なのか(発言を撤回する自民党の二階幹事長=左)。堤防が決壊して冠水した長野市(右)/(C)共同通信社
台風19号の記録的な豪雨と暴風による被害が拡大していた13日21時。NHKは「東京ブラックホールU 破壊と創造の1964年」なる番組を放送していた。その内容は災害頻発の今の世にも通じる歴代自民党政権の弱者への冷酷さを浮き彫りにしたものだった。
俳優の山田孝之が演じる現代の若者が、前回の東京五輪が開かれた1964年にタイムスリップ。「日本に夢と希望が最もあふれていた」とノスタルジックに語られがちな時代だが、現代の若者が見たのはオリンピックという“巨大な引力”がもたらした今に至る社会矛盾の種だった。
地方からの出稼ぎ、集団就職と東京への人口流入が急激に進み、都の人口は1000万人を突破。終戦直後から700万人も激増したが、政府の方針は生活環境の整備よりも産業振興最優先。
東海道新幹線や首都高速などインフラ整備も含めた五輪関連事業に投じられた予算は約1兆円。当時の国家予算の3分の1にあたる。五輪に向け都心の表通りはきらびやかに整備されたが、路地裏に一歩入れば水道などのライフラインすら手付かずの不衛生で劣悪な住まいに押し込められた人々であふれていた。
人々の生活向上を後回しにして五輪だけにカネをかけているとの政府への批判が強まり、この年6月のNHK世論調査で今年一番関心のあることを問うと、オリンピックと答えた人はたった2・2%。開催まで4カ月に近づいても人々は五輪に無関心だった。日々の暮らしに追われ、それどころじゃない人が大半だったのだろう。同じ調査で「オリンピックに費用をかけるくらいなら、今の日本でしなければならないことはたくさんあるはずだ」と聞くと、賛成は58・6%に上った。
公害問題の深刻化、東京一極集中に伴う地方の過疎化の加速、農村と都市の所得格差――。
社会の「ひずみ」を放置しているとの批判に、同年6月、当時の池田勇人首相はこう言い放った。
「初めから“ひずみ”が起こっちゃ、いかんということになると、日本は先進国にまでなかなか行きにくいんだ。“ひずみ”を心配しながらやりおるから、成長が伸びないんだ。すると、いつまで経っても先進国の仲間入りはできない」
経済成長のためなら、生活者の犠牲もいとわない。社会の“ひずみ”を放置してでも、世界に見えを張りたい――。この歴代自民党政権に根付く弱者、過疎地切り捨ての“DNA”こそが、目を覆う激甚災害となった台風19号の爪痕をもたらしたのではないのか。
五輪よりも…(C)日刊ゲンダイ
受け継がれてきた経済最優先社会の闇 |
台風19号により決壊した堤防は少なくとも7県52河川の73カ所に上る。被害の全容はなお見通せない状況だが、決壊した脆弱な堤防の場所は、ほぼ過疎地に集中している。13日夜のフジテレビ系「Mr.サンデー」で橋下徹元大阪市長は次の趣旨の発言をしていた。
「治水行政はシビア。下流域の都市部で氾濫したら被害が甚大になる。大阪で淀川が氾濫しそうになったら上流の瀬田川で止めて滋賀で氾濫させる」「大阪と奈良の県境の所も川幅をわざと太くしていない。いざとなったら奈良に水があふれていくようにしてある」
大都市を守るためなら地方を犠牲にするという橋下の“暴露”は、1964年から脈々と受け継がれてきた「経済最優先社会の闇」をうかがわせるのに十分である。
「昨年の西日本豪雨でも堤防決壊が相次ぎ、甚大な人的被害につながりましたが、その後、安倍政権が危険な堤防の緊急対策を施した形跡はない。今回、決壊した長野市の千曲川の堤防も急激に川幅が狭くなる地形的リスクが長年、指摘されていました。しかも既に安価で早く決壊しにくい堤防技術はできているのに、その工法を国交省は一度認めながら、取りやめてしまった。利権や天下り先の確保に結びつくダム建設優先で堤防強化は二の次。相次ぐ堤防決壊は政権の怠慢と利権構造が招いた“人災”なのです」(千曲川の被災現場を取材したジャーナリスト・横田一氏)
台風19号の避難判断についてテレビのニュースを頼りにしても、伝えるのは台風の進路予想や降雨量や河川の増水のグラフなど「大ぐくり」な災害規模だけ。いくら「命を守るための行動をしてください」と呼びかけられても、具体的にどう行動すべきかはチンプンカンプンだ。
自己責任を強調するような突き放した物言いを繰り返し聞かされても、「我が家は大丈夫なのか」「実家の祖父母は避難した方がいいのか」という切実な問題への答えは出ず、結局は各自治体のHP任せ。パソコンやスマホで「情報を取りにいく」しかないのだが、各市町村ごとの情報収集や整理、それをウェブサイトやSNSなどで発信する能力にはかなりの格差が存在する。
ましてや、パソコンやスマホを持たない、使えないという高齢者ら“情報弱者”はどうすればいいのか。メディアは「住民同士で声を掛け合うのが大事」と簡単に言うが、その近隣の住民さえ周囲に存在しないのが過疎地の実情である。
情報インフラの未整備、情報格差の放置、さらに住民の助け合いすら困難な過疎地の深刻さをもたらしたのも、歴代自民党政権の「弱者切り捨て」の責任ではないか。
効率化を求め命を数で測る人権軽視政権
さらに今回の被災地には「平成の大合併」を選択した旧町村地域も少なくない。小泉政権時代の財政優遇策で国が市町村の合併を促し、全国の市町村の数はほぼ半減。平均面積は逆に倍増したが、全国の地方公務員数は18年4月現在、約273万7000人とピーク時の94年から55万人も減ってしまった。
当然、編入合併地域の「支所」は旧町村役場と比べて職員数が激減し、情報伝達能力や即応力も低下。避難勧告など防災の権限も支所長にはない。広域合併により災害対応力が落ちた役所が、非常に広域な地域を所管することになったのだ。
「平成の大合併によって身近な住民の声が届きにくくなり、住民の災害への危機感や要望の対応も鈍っています。台風15号の被害に見舞われた千葉南部では職員不足で罹災証明書の発行すら、ままならなかった。いざ災害が起きても、住民は行政に頼れず自己責任を押し付けられたようなものです。平成の大合併は『スリム化』『効率化』に名を借りた地方の切り捨て策に過ぎなかったのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
自然の猛威が頻発する災害列島で切り捨てられる弱者と過疎地――。こうなると、台風19号の被害に関する自民党の二階幹事長の「まずまずに収まった」発言はやはり見過ごせない。
二階が見ているのは大都市のような光の当たる世界の被害だけで、過疎地のような社会の負の側面には目もくれていないのではないか。単なる表現の問題ではなく、あくまで自己責任を強調し、弱者に冷酷な政権の本音が透ける。前出の五十嵐仁氏はこう言った。
「たとえ亡くなった人の数が想定よりも少なかったとしても、一人一人の命は重い。人の命を数で測る人権軽視の発想は許されませんが、現に今の政権は社会保障など人命に関わる予算を削っています。東京五輪に巨額の税金をかけ、資材や人員不足に陥った東日本大震災の復旧や福島第1原発の廃炉は後回し。度重なる自然災害の猛威で塗炭の苦しみを味わう被災者を尻目に災害対策は二の次で、米国から兵器を爆買いです。その上、首相本人は改憲に躍起ですから、国民が望む予算の優先順位を明らかにはき違えています」
オリンピックにカネをかけるくらいなら、今の日本でしなければならないことはたくさんあるはずだ――。1964年の問いかけは、日本の政治と国民の関係が55年前から何ひとつ進化していないことを物語るのだ。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) 2019年10月16日
【災害列島で切り捨てられる弱者、過疎地】
『見過ごせないのは、二階幹事長発言は本音だからだ』
「脆弱な堤防、情報インフラの未整備、情報格差の放置は歴代自民党政権の責任ではないのか」
「被災者を尻目に東京五輪に巨額の税金をかけ、自己責任を強調し…ー」
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撤回で済むのか 二階幹事長「まずまず」発言は自民の本音 https://t.co/nfDWqYIk13 #日刊ゲンダイDIGITAL
— いたにのりお (@je3gnu) 2019年10月16日
【災害列島で切り捨てられる弱者、過疎地】見過ごせないのは二階幹事長発言は本音だからだ 頻発する自然災害のたびに塗炭の苦しみを味わう被災者を尻目に東京五輪に巨額の税金をかけ、自己責任を強調し、弱者に冷酷な政権の本音が透ける幹事長発言(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/3OrTx1hxPp
— KK (@Trapelus) 2019年10月16日
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