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れいわ・山本代表、「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」を呼びかける
https://hbol.jp/204097
2019.10.15 横田一 ハーバー・ビジネス・オンライン
消費税廃止したマレーシアを視察、データをもとに聴衆に説明
9月24日、札幌市内で街頭演説をする山本太郎代表
参院選で2議席を獲得して脚光を浴びた「れいわ新選組」の山本太郎代表が、北海道を第一弾にした全国ツアーを9月18日から開始。「消費税5%減税」を目玉政策にした「安倍政権打倒」を呼びかけ始めた。
9月24日の札幌駅南口での街頭記者会見には、約1000人が集まった。
「民主党政権の誕生前を彷彿させる熱気と聴衆の数でした。聴衆からの質問にていねいに答えながら、データをもとに消費税廃止などの政策を説明していく発信力は、小泉進次郎環境大臣以上でしょう」(札幌市民)
そんな熱気が最高潮に達したのは、「政権交代の旗印として消費税5%減税を掲げよう」と山本代表が訴えたことに聴衆が呼応、大きな拍手が沸き起こった時のことだ。
山本代表の訴えの特徴は、政策の裏づけとなるデータを示しながら説明していくことだ。消費税廃止(減税)の説明で用いたのは、立憲民主党の中谷一馬衆院議員から誘われて8月下旬に視察したマレーシアの経済指標だった。
マハティール首相が消費税廃止を掲げて政権交代を果たした同国では、実質国内生産(GDP)が2019年四半期で前年比4.9%も上昇していたのだ。これに対して、日本は1.2%増と低迷している。同時期の個人消費を見ても、マレーシアが7.8%増に対して日本は0.7%増と、差は歴然。消費税廃止の効果は明確に現れていたのだという。
「マレーシアにできた消費税廃止が日本でできないはずがない!」と強調
8月に視察したマレーシアの経済指標データを示し、消費税廃止のメリットを紹介
ただし、消費税廃止に伴う課題についても山本代表は説明。「マレーシアは消費税廃止による税収減を埋め合わせようとして、高級品購入に対してかかる間接税(SST)を復活させた。しかし、これだけでは税収減を補填しきれないので、さらなる所得税強化を検討している」ということも解説した。
そして、消費税廃止後の消費の推移をグラフで示したうえで「マレーシアの消費税廃止は正しい政策選択であった」と山本代表は結論づけた。
「消費税廃止で増えた消費は、間接税復活で減ったが、再び上昇に転じた。注目点は、間接税復活で減ったとはいえ、底(消費税廃止後、最も下がった時期)の消費額は消費税廃止前よりも大きいこと。税収不足分はさらなる所得税アップや、消費が増えたことによる将来の税収増で埋めることが可能だろう」
一連のデータを説明したうえで、山本代表は「マレーシアにできた消費税廃止が日本でできないはすがない!」と強調したのだ。
マレーシア視察報告をしながら消費税廃止を訴えるのは、山本代表の“定番ネタ”となっていた。札幌に続く翌25日の旭川での街頭記者会見でも、同じデータを大画面に映し出して説明。北海道ツアーを終えて、消費税が10%に上がった10月1日の新宿街宣でも、同じパターンで紹介していた。
「消費税5%減税」を野党結集の旗印に、次期総選挙での「安倍政権打倒」を呼びかける
札幌駅前での街頭演説には、約1000人がつめかけた
次期総選挙での「安倍政権打倒」に向けた現実論をセットで語るのも、山本代表のもう一つの特徴だ。「れいわ新撰組」の目玉政策である消費税廃止の目標を掲げつつも、早期政権交代を実現するための“妥協案”も提示していたのだ。
「消費税廃止にすることができるのは『れいわ新選組で政権取れるまで待つのかよ』という話です。消費税を廃止することを目標にもって、まず少なくとも減税を目指していくのが大事ではないでしょうか。『5%に減税する』と、野党がまとまって選挙を戦えば、政権交代できると思いませんか?」(山本代表)
最終目標としての消費税廃止を放棄するのではなく、そこに近づく第一歩として実現可能性の高い「消費税5%減税」を野党結集の旗印(共通政策)にして、次期総選挙での「安倍政権打倒」を呼びかけたのだ。
札幌でも旭川でも新宿でも、約2時間の街頭記者会見が終わった後も、聴衆の高揚感がすぐに消え去ることはなかった。山本代表とのツーショット写真撮影の希望者が長蛇の列を作り、近くに設置されたポスター提供とカンパ募集、ボランティア登録ができるコーナーにも、多くの人だかりができていた。
これから九州行脚へ、山本代表の全国ツアーは続く
9月25日の旭川駅前での街頭演説にも、約400人の聴衆が集まった
北海道から始まった全国ツアー(街頭記者会見)は“れいわ旋風”を各地に起こす役割を果たし、支持者拡大へと確実につながっている。結党から約半年の「れいわ新選組」がすでに野党第二党の国民民主党を上回る政党支持率を記録しているのは、山本代表の存在感と期待感の賜物といえるだろう。
旭川でのツーショット撮影が終わったのは、開始から2時間半後の21時すぎ。気温10℃以下の寒さの中で囲み取材が始まった。「消費税5%減税で野党が一致できるのか」との問いに、山本代表は自信たっぷりにこう答えた。
「(いち早く賛同した)共産党だけでなく、『消費税5%減税を旗印にすれば、次期衆院選挙で政権交代できる』と話す野党議員は何人もいます」
北海道に続く全国ツアー第2弾は九州(10月15〜20日、24〜28日)へと向かうという。「消費税5%減税」を旗印に「安倍政権打倒」の狼煙を上げ始め、いまや永田町の“台風の目”のような存在となっている山本代表から目が離せない。
文・写真/横田 一
横田一
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
山本太郎 北海道総集編 全国ツアー 2019年9月 ありがとう!
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