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10月 15, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<今回の台風19号では、国が13日夕までに「堤防決壊」を確認した21河川のうち、7河川が国管理の大規模河川だった。広範囲で大量の雨が降ったことにより、複数の支流から大量の水が一気に流れ込み、一般的には整備が進んでいるとされる大規模河川の堤防の対応能力も超えてしまった。国土交通省は、近年相次ぐ大規模災害を受けて緊急対策を進めているが、堤防整備が間に合っていないのが実情だ>(以上「毎日新聞」より引用)
台風19号で全国各地の河川の堤防が決壊した。濁流が市街地や農地に流れ込み、深刻な被害を与えている。
なぜ堤防が氾濫ではなく、決壊するのか。それは堤防に芯が入ってないからだ。ただ土を積み重ねただけの堤防では短期的な増水には耐えられても、時間をかけた増水には耐えられないからだ。
土を積み重ねただけの堤防は時間とともに堤防の土に水が浸透して対水力が著しく低下する。大量の水を含んだ土は自重で崩れるように、堤防も脆くなる。
そうした水を含んだ「ドベ」に還る堤防が崩壊するのを防ぐために、土を積み上げただけの堤防に芯となるコンクリートの壁を入れなければならない。そうすれば増水しても「氾濫」で済み、「決壊」にはならない。擁壁工事で用いられるL字型のコンクリート壁を入れていれば「氾濫」で市街地側が抉られても「芯」が倒壊することはない。
そうした工学的な検証はこれまで充分に行われて来たはずだし、土木工事の専門家から行政に再三指摘されて来たはずだ。それでもなぜ堤防の「強靭化」をして来なかったのだろうか。
各地の決壊した堤防の断面写真を見る限りでは、いずれも土を積み固めただけのものだ。それでは増水の時間の経過とともに堤防は脆弱になり決壊するのは自明の理だ。なぜ安倍自公政権は政権発足当時の「国土強靭化」を公約通りに実施しなかったのだろうか。
外敵により日本国民は戦後一人も亡くなってはいないが、自然災害では何万人も亡くなっている。今回の台風19号だけで数十人が犠牲になり、多くの家屋や田畑が濁流に呑み込まれた。戦争は自然災害という形で毎年のように繰り返され、毎年のように犠牲者が出ている。
なぜ国土強靭化は公約通りに実施されなかったのか。なぜ公共事業費は削りに削られたのか。政権与党は江戸時代さながらの土を積み固めただけの堤防を放置している現状を国民に説明する義務がある。
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