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「会社役員収賄罪」としての“犯罪性”に迫れるか〜関電金品受領問題、記者会見のポイント(郷原信郎が斬る)
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/170.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 10 月 03 日 01:32:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「会社役員収賄罪」としての“犯罪性”に迫れるか〜関電金品受領問題、記者会見のポイント
2019年10月2日 郷原信郎が斬る


9月27日朝刊で報じられた、関西電力幹部が高浜原発の地元の有力者から長年にわたって多額の金品を受領していた問題(【関電幹部、原発地元有力者から金員受領の“衝撃”〜「死文化」した“会社役員収賄罪”も問題に】)、同日午前中に、岩根茂樹社長らが記者会見したが、昨年9月に出ていた社内調査報告書の内容を公表せず、金品を受領した人物の名前も金額も明らかにしなかったことに批判が集中、本日(10月2日)午後、再び、記者会見が行われることとなった。

電力会社の原発事業の歴史上最大の不祥事と言える今回の問題に関して、本日の記者会見は、極めて重要な意味を持つ。前回の会見と、その後も報道によって明らかになった事実を踏まえ、主として、今回の問題の「犯罪性」と「コンプライアンス上の問題」を中心に、記者会見のポイントを指摘しておこうと思う。

9月27日会見での説明

まず、岩根社長の記者会見では、以下のような説明が行われた。

[1]昨年の国税局の調査により、当社の役員等が多額の金品を受領していることが確認され、各自が所得税を修正申告し、納付済み。

[2]昨年7月に調査委員会(社外弁護士3人、社内3人)を設置し、9月まで調査を行った。不適切だが違法という判断をしていないので、公表しなかった。

[3]金品の受け取りを強く拒んだが、返却困難な状況だったので、返却の機会をうかがいながら各人の管理下で保管していたことが確認された。

[4]2018年までの7年間に、物品等を渡された者が20名。金額の総額は3億2千万円(いずれも、儀礼の範囲内以外は返却)。

[5]誰がいくら受け取ったかは、回答は差し控える。

[6]本件の調査内容を受け、報酬返上を含む関係者の処分を行っている。社内的に再発防止策をまとめ、所得税を修正申告し、納付済みである。

[7]提供したのは地元の有力者、お世話になっているので、返すとか、受け取れないと言った場合、非常に厳しい態度で返還を拒んだ。

[8]森山氏が関連している企業に工事を発注していることはあるが、社内ルールに基づいて適切な対応をしている。

その後の報道によって明らかになった事実

その後、関電幹部に金品を提供した「元助役」が、高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)であることが明らかにされた上、以下のような事実が報じられた。

(1) 森山氏から、関電幹部にわたった3億円以上の金品の原資として、原発関連工事を請け負う「吉田開発」から森山氏へ支払われた手数料3億円が用いられた疑いがある。

(2)森山氏は、関電高浜原発の警備を請け負う高浜町の会社の役員を、97年の会社設立当初から務めていた。同原発のメンテナンスを担う兵庫県高砂市の会社でも87年の助役退職の数年後から相談役をしていた。

(3) 森山氏は、関電の全額出資子会社「関電プラント」(社長は関電出身者、八木会長が監査役を務めた)と30年以上にわたって非常勤顧問の契約をし、報酬を受領していた。

(4) 20人が受け取ったのは商品券や現金が中心。一方、ゴールドや数十万円相当のスーツの仕立券などもその中に含まれていた。

(5) 幹部らが返そうとすると、森山氏から「俺の顔をつぶす気か」などと怒られ、それぞれ自宅などで保管することが多かった。

(6) 森山氏と関係が深い吉田開発は、高浜原発関連の工事を受注していたが、18年8月期の売上高は21億8700万円と、13年8月期に比べて6倍超に膨らんでいる。

(7) 金品受領の役員のうちの4人は、税務調査開始後すぐに全部や一部の返還を始め、さらに受領から相当の期間が経過し、自身の所得に当たるとみなされる可能性があったため雑所得として税務申告もした。

(8) 調査の内容、および役員への処分を1年も取締役会に報告しなかった。コンプライアンスに関する社内委員会にも通していなかった。

(9)関電は、今回の問題に関して、外部者による「第三者委員会」を設置する方針。
「犯罪性」についての検討

そこで、これらの事実を踏まえ、まず、「犯罪性」について考えてみる。

今回の問題について、犯罪が成立する可能性があるとすれば、関電の役員らが、森山氏から金品を受領した行為が会社役員の収賄罪(会社法967条)に当たりうることは、【前回記事】でも述べた。もっとも、「贈賄側」の森山氏が、今年3月に死亡しており、対向犯である贈収賄について、贈賄側の供述なしに立件することは困難なので、実際上は、この犯罪で刑事立件される可能性は低い。

しかし、最終的に、刑事立件・起訴に至らないとしても、同罪への該当性がどの程度根拠づけられるかは、今回の金品受領問題の「犯罪性」「悪質性」のメルクマールになるものであり、森山氏の供述は得られなくても、それ以外の証拠により、同罪への該当性を評価することは、コンプライアンス上の評価に関しても重要である。

同罪の成否に関しては、「財産上の利益の収受」と「不正の請託」の二つの成立要件について考えてみる必要がある。

《財産上の利益の収受》

まず、「財産上の利益の収受」があったのか否かについて、関電側は、会見で、「金品の受け取りを強く拒んだが、返却困難な状況だったので、返却の機会をうかがいながら各人の管理下で保管していた」と説明している(上記[3])。しかし、各人が個人として受領する気が全くなかったのであれば、会社に申告し、会社に保管してもらえばよかったのであり、「個人の管理下で保管していた」ことは、財産上の利益を収受する意思があったことにほかならない。だからこそ、上記[1]のとおり、個人の所得として修正申告せざるを得なかったのである。

《「不正の請託」の有無》

最大の問題は、「不正の請託」があったと言えるかである。この点については、森山氏が、関電側から、前記(1)〜(3)のとおり、複数の企業への発注や子会社の顧問料支払等で森山氏側が利益を得ていたことについて、「不正」といえるものがあったか否かが問題となる。

巨額の利益が関電から森山氏側にわたっていたからこそ、その一部が、関電幹部への金品提供の原資になったと考えられる。その手段となったのが、前記(1)〜(3)の顧問料や工事発注だと考えられるが、顧問料の支払は、森山氏側が当該企業に貢献していた事実があるのであれば、その金額が不相応なものでない限り「不正」とは言い難い。

問題は、原発関連の発注によって、森山氏に関連する業者に過大な利益が上がるようにするという方法がとられていた場合だ。

前記1)(2)の関電の発注は、電力会社の調達として、本来、競争性・公正性の確保というルールに則って行われなければならない。原発事業の運営への協力・貢献に対して対価を支払うのであれば、発注とは別個の「支払」として経理処理されなければならない。工事や業務発注で過大な利益を与えることは許されないはずであり、もし、発注によって、森山氏の関連企業に過大な利益が上がるような措置をとっていたとすれば、発注の「不正」があったことになる。

関電は、2014年1月に、公正取引委員会が、同社発注の架空送電工事の工事業者及び地中送電工事の工事業者に対して排除措置命令・課徴金納付命令等を出した際、

工事発注に当たり,同社の設計担当者の多数が,当該現場説明会の場等において,工事業者の営業担当者の求めに応じて,契約締結の目安となる価格を算出する基となる『予算価格』と称する設計金額又はそのおおむねの金額を,非公表情報であるにもかかわらず教示したり、工事業者の営業担当者に対し,予算価格が記載された発注予定工事件名の一覧表を,非公表情報であるにもかかわらず提供したりしていたこと、関西電力の購買担当者が,地中送電工事の発注に係る指名競争見積等の参加者の選定に当たり,各工事件名における参加者の組合せについて事前に特定の工事業者に相談していたこと、工事業者間で受注予定者を決定する話合いを行っていた者の中には関西電力の退職者が29名おり,このうち少なくとも14名は,関西電力の設計担当者から予算価格等の教示を受けていたこと

などを指摘された。公取委から、これらの事実が「独禁法違反行為を誘発し,又は助長したものと認められる」として「同様の行為が再び行われることがないよう適切な措置を講じるとともに,発注制度の競争性を改善してその効果を検証すること,同社のグループ会社において,今後,独占禁止法に違反する行為が行われないよう適切な措置を講じること」などの「申し入れ」を受けている。

この時、独禁法違反に対する「適切な措置」が関電力グループ全体で行われていれば、高浜原発の関連工事についても、発注者側が競争制限行為に加担することはなかったはずであり、ましてや、特定の業者に意図的に利益を得させることもあり得なかったはずだ。

岩根社長は、前の記者会見で、「社内ルールに基づいて適切な対応をしている」と述べたが、果たして、そう言えるのか、手続きが形式的に整っていても、実質的には独禁法違反を助長する「不正」があったのではないか、本日の記者会見で問い質すべき重要なポイントである。

コンプライアンス上の問題

コンプライアンスを「社会の要請に応えること」ととらえる立場からは、今回の最大の問題は、関電の原発への対応が、福島原発事故前、「安全神話」が定着し、原発の建設や稼働のために無制約に「地元対策」「理解活動」を行うことが許容されていた時代と、何一つ変わっていなかったことだ。

森山氏からの金品供与を拒絶できなかった理由も、返還できなかった理由も、結局のところ、「地元の有力者に頼って原発事業への賛成を確保する」というやり方において、森山氏が重要な存在だったからだ。そういう関係に頼って原発事業を進めようとすること、そのために不透明な金の流れを生じさせること自体が、コンプライアンス上許されない「時代錯誤」の考え方と言わざるを得ない。

そして、今回の関電の対応に関する「コンプライアンス上最大の問題」は、何と言っても、調査委員会による調査で関電幹部の金品受領の事実が明らかになっていたのに、1年にもわたって公表せず、隠蔽したことだ。それによって、森山氏が今年3月に死亡する前に、会社役員の収賄罪の捜査に着手することができず、「犯罪性」を刑事手続で明らかにすることが困難になった。

その点に関して、「刑事事件に発展する可能性のある重大な事実を隠蔽した」というコンプライアンス上の問題についても、徹底して事実を解明し責任追及を行う必要がある。

当然のことながら、調査委員会に「外部者」として加わった3人の弁護士には重大な責任がある。会長・社長を含む会社幹部が、原発に関連して多額の資金の還流を受けた事実が明らかになるという極めて重大な不祥事について、調査委員会に委員として加わり、報告書作成に関与した弁護士が、「不適切だが違法ではない」との理由で、公表せず隠蔽することにお墨付きを与えたとすれば、弁護士として到底許容されることではない。

記者会見での注目点

本日の記者会見で、社内調査報告書が公表され、前回の会見で回答を拒否した点についても説明を行うとされている。上記の関電幹部の金品受領の「犯罪性」と「コンプライアンス上の問題」に関する上記のポイントを踏まえて、関電から引き出すべき事項として、以下のようなものが考えられる。

《財産上の利益の収受について》

1 「返却の機会をうかがいながら」というが、どのような「機会」であれば返還可能と考えていたのか、税務調査が入る前に、実際に返還した者はいるのか。どのような機会に(拒絶されることなく)返還できたのか。

2 金品を受領していた多数の幹部は、それぞれ他の幹部も受領していることを認識していたのか。

3 個人口座に振り込まれていたケースもあるとのことだが、誰が森山氏に個人の銀行口座を教えたのか。振り込まれたお金は、そのままだったのか、引き出されたのか。

《不正の請託について》

4 森山氏の関連企業への発注について「社内ルールに基づいて適切な対応をしている」というが、競争性が確保された入札による発注だったのか。原発に関連する発注には、特別に競争性が求められていなかったのか(これらの点について、社内調査では、どのような調査が行われ、どのような結果だったのか)。

5 架空送電工事及び地中送電工事に関する公取委の排除措置命令等に伴う「申し入れ」を受けた際、原発関連工事に対してどのような措置がとられたのか。「原発関連発注」はその措置の範囲外だったのか。

6 ゼネコン等への発注の際、森山氏の関連企業に下請け発注するよう指示が行われたことがあるか。その点について社内調査で確認しているか。仮に、それがあったとすると、前記の公取委からの「申し入れ」に反する事実なのではないか。

《コンプライアンス上の問題について》

7 調査委員会の設置について、社内で、誰がどのように決定したのか。その際、取締役会、コンプライアンス委員会等への報告・了解が不要と判断したのは、どのような理由によるものか。

8 調査委員会委員の氏名、関電(グループ企業)との関係、支払われた報酬額を開示すべきである。

9 調査委員会の委員は、金品受領の事実や調査報告書の内容について、取締役会およびコンプライアンス委員会等への報告の要否、事実の公表の要否について、どのような意見だったのか。

10 「本件の調査内容を受け、報酬返上を含む関係者の処分を行っている」とのことだが、この処分は、社内でどのような手続で行われ、どのように実施されたのか。(人事部門、経理部門は関わっていないのか。)

11 今後設置する「第三者委員会」の委員長・委員はどのように選任するのか。

以上のような事項について、関電側が納得できる説明をすることで、本件についての事実関係・問題点は自ずと明らかになり、それを受けて、今後関電が何をすべきか及び金品を受領していた関電幹部に対して、どのような措置をとるべきかを検討するための材料も得られるはずだ。
九電「やらせメール問題」以来の原発に関する不祥事

福島原発事故後に、電力会社が原発に関して起こした不祥事としては、原発事故直後の2011年の九州電力「やらせメール問題」がある。私は、この問題で、第三者委員会の委員長を務め、委員会報告書で、問題の本質について、以下のように述べた。

問題の本質は、「不透明性」と「環境変化への不適応」にある。

公益を担う事業者として電力会社には、地域独占と総括原価方式による利益の保障という民間企業としての特殊な経営環境が与えられており、それに伴って、事業活動の透明性の確保が強く求められる。

しかし、これまで、電力会社は、電気の安定供給と施設の安全性の確保という面で地域社会からの信頼がベースとなってきたことから、透明性の要請が顕在化することは必ずしも多くなかった。電力会社の事業の透明性の要請は潜在化していたと言うべきであろう。

そのような電力会社をめぐる状況が徐々に変化してきたのが、21 世紀に入る前後頃からであった。電力会社をめぐる不祥事が相次ぎ、電力会社に対して社会の批判の目が注がれることが多くなり、各社は、それらの問題への対応を求められた。

また、その頃から、日本社会においても、政府や一企業のみが決めて実行するのではなく、社会の側から決めていくという、ソーシャルガバナンスの時代になりつつあり、特に公益事業においては、そのような変化に対応することが求められるようになった。

そして、その状況が、さらに激変したのが東日本大震災、福島原発事故の発生であった。同事故の発生により、日本の多くの国民は、電力会社が行う発電事業のうち原子力事業がいかに大きな危険をはらむものであり、一度事故が起きれば、多くの市民、国民の生活を破壊し、社会にも壊滅的な影響を与えるものであることを痛感し、電力会社の事業活動、とりわけ原発の運営に対して重大な関心を持つようになった。

それ以降、原発施設の安全対策が客観的に十分なものと言えるのかに加えて、原発事業を運営する電力会社が、いかなる事態が発生しても安全を確保するための万全の措置をとり得る能力を有しているのか、信頼できる存在なのかが、社会の大きな関心事となった。

そのような環境の激変に伴って、電力各社は、事業活動の透明性を、以前とは比較にならない程強く求められるに至ったのである。

今回の一連の問題は、このような原発事業をめぐる環境の激変に適応し、事業活動の透明性を格段に高めなければならなかった九州電力が、その変化に適応することができず、企業としての行動や対応が多くの面で不透明であったところに問題の本質があると言うべきである。


しかし、残念ながら、九州電力幹部は、この第三者委員会報告書で、佐賀県知事の発言が「やらせメール」の発端となった旨の指摘を行ったこと等に反発し、委員会報告書提出後も、第三者委員会側と九電側とで激しい応酬が続いた【第三者委員会は企業を変えられるか〜九州電力「やらせメール問題の深層」】(毎日新聞社:2012年)。

私は、父が中国電力の社員だったこともあり、コンプライアンスの啓蒙活動の中で、電力会社のコンプライアンスには、思い入れを持って、深く関わってきた。全国の電力会社のほとんどで会社幹部に対するコンプライアンス講演を行い、関電でもコンプライアンス講演を行った。中国電力の「土用ダム問題」を受けて設置されたアドバイザリーボードの委員長も務めた。そういう私にとって、東電の福島原発事故の発生と、それに関する東電の対応の杜撰さは、衝撃であった。九州電力の第三者委員会の委員長に就任した際には、私としては、「原発事故後の電力会社のコンプライアンス」に貢献できるよう、問題の本質に迫る調査と報告書作成に全力で取り組んだ。しかし、その指摘に九電幹部が反発して対立が生じたこともあり、その後、電力会社からのコンプライアンスに関する私への依頼は、全くなくなった。

私が九州電力第三者委員会報告書で指摘した「問題の本質」が受け入れられることなく、それとは真逆の、コンプライアンス不在の状況から、今回の関電の問題が発生したとすれば、誠に残念と言うほかない。

今回、関電が設置する第三者委員会において、上記の九電第三者委員会で指摘した「原発事業の透明性の要請」という観点も含め、問題の本質に迫る調査・原因究明・再発防止策の提言が行われ、それによってコンプライアンスが抜本的に是正されることが、関電の信頼回復にとって不可欠である。


















 

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コメント
1. 赤かぶ[32994] kNSCqYLU 2019年10月03日 01:34:02 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23064] 報告


2. 赤かぶ[32995] kNSCqYLU 2019年10月03日 01:35:05 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23065] 報告


3. 赤かぶ[32997] kNSCqYLU 2019年10月03日 02:00:02 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23067] 報告

関電報告書の詳細判明 1億円超受領でも厳重注意のみ
https://digital.asahi.com/articles/ASMB23TF7MB2PLFA00L.html
2019年10月2日12時40分 朝日新聞


八木誠会長


岩根茂樹社長

 関西電力の役員ら20人が、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2千万円分の金品を受け取っていた問題で、関電が昨秋にまとめた社内調査報告書の詳細が分かった。役員のうち2人の受領額は1億円を超えていた。受け取った金品は現金や商品券、米ドルなどで、数千万円単位のケースもあった。これに対する社内処分は、報酬の一部返上などにとどまっていた。

かったのは鈴木聡常務執行役員で約1・2億円。福井県美浜町にある原子力事業本部で本部長代理を務める。現金で約7800万円、3・5万米ドル、金500グラム、スーツ14着などを受け取っていた。前の本部長である豊松秀己元副社長も約1・1億円を受け取り、内訳は現金約4100万円、商品券2300万円、7万米ドル、金杯1セットなど。

 本部長の経験がある八木誠会長にも金貨約60枚、金杯7セットなど800万円超が渡っていた。現在の本部長である森中郁雄副社長も4千万円超を受け取っており、不適切な金品の受領はこうした原子力畑の役員を中心に広がっていたことが明らかになった。岩根茂樹社長は金貨10枚で150万円だった。

 関電によると、同社にはこうした贈答や接待について「節度をもって良識の範囲内にとどめるように」と定めた社内ルールがある。関電は、幹部らが受け取りの日時を記したメモを貼り付けるなどして個人で保管し、「儀礼的な範囲を除いて全てを返却した」としているが、いったん受領したことは社会通念だけでなく、社内ルールにも違反している可能性が強い。

 また、報告書によると、関電は森山氏との面談で、原発関連工事について工事概算額などの規模感について資料を手渡すなど手厚い対応をとっていた。今回の問題の資金元とされる土木建築会社「吉田開発」が森山氏に随行したこともあった。だが、情報提供時には席を外しており、関電から吉田開発に直接情報提供はしていなかった。森山氏は情報提供を受けなかった面談でも、かなりの頻度で金品を持ってきていたことなどから、情報提供は森山氏からの金品の見返りとは認められないとしている。

 関電はこうした実態を税務当局の指摘を受けて調査し、昨年9月に報告書の作成と役員の処分を行った。ただ、処分の内容は会長、社長らが月額報酬の2割を1〜2カ月返上することにとどまり、受領額の最も多かった鈴木氏は「厳重注意」だけだった。調査や処分の内容は取締役会にも報告せず、社内の一部だけにとどめていた。

 関電は2日午後2時から、大阪市内で八木会長と岩根社長が出席して会見を開く。社内調査報告書を公開し、役員20人の氏名や金品の内容、額などを原則すべて公表する。また、報告書自体の妥当性や、他原発や他部門で同様の事案がないかを調べる新たな第三者委員会を設置する方針も示す見通し。(西尾邦明、室矢英樹)

調査報告書の骨子

・役員ら20人が受領した金品の総額は約3億2千万円分。主な内訳は現金1億4501万円、商品券6322万円、金貨365枚(4949万円)、スーツ75着(3750万円)、米ドル1705万円相当

・大半は返却したが、3487万円分は未返却だった。内訳は、スーツ61着、商品券297万円、現金が170万円

・金品を返却した時期は2017年末までが約1億2千万円、18年が約1億6千万円

・菓子などの土産物の袋の底に見えないように金品を入れて渡されるケースが多く、昇進祝いの場合などは金品を包んで手渡されるケースもあった

・元助役に対しては、年始会や花見、誕生日会などを実施する慣例があり、幹部が多数出席した

・元助役には、工事物量や工事概算額などの規模感を記した資料を手渡すなどの情報提供をしていた。ただ、金品の見返りとしての発注関係の情報提供は認められなかった

・受け取った金品は、明らかに良識や社会的儀礼の範囲を超えている。元助役との関係を悪化させると原子力事業運営に悪影響を与える懸念がある中で、返却を押し通すのは困難だったが、コンプライアンス上は不適切との評価を免れ得ない

・問題発生の背景には、原発の立地地域の有力者である元助役との間で問題を起こすと、原子力事業に影響するという意識があった

・社内処分は、八木誠会長と豊松秀己元副社長が報酬の2割を2カ月返上、岩根茂樹社長が2割を1カ月返上。ほか3人に厳重注意

関西電力幹部が受け取った主な金品

 名 前         合計額   (主な金品)

八木 誠会長        859万円(金貨63枚、スーツ2着)

岩根茂樹社長        150万円(金貨10枚)

豊松秀己元副社長   1億1057万円(現金4100万円、7万米ドル、金貨189枚)

森中郁雄副社長      4060万円(商品券700万円、金貨4枚)

鈴木 聡常務執行役員 1億2367万円(現金7831万円、金貨83枚、金500グラム)

大塚茂樹常務執行役員    720万円(現金200万円、商品券210万円)

ほか14人あわせて計約3億2千万円
















4. 赤かぶ[32998] kNSCqYLU 2019年10月03日 02:00:47 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23068] 報告


5. 赤かぶ[32999] kNSCqYLU 2019年10月03日 02:01:22 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23069] 報告


6. 赤かぶ[33000] kNSCqYLU 2019年10月03日 02:02:33 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23070] 報告


7. 2019年10月03日 07:06:53 : myJmO9sK9c : QnZLQmppeUlwMDI=[749] 報告

 暴力に屈した関電の首脳陣が

 暴力男 森山に「原発の安全」をゆだねた
 
 原子力委員会は 底の抜けた 理不尽な「原発の運用」の関電の「行状」は 知らない

 ===

 一事が万事 この「底の抜けた安全」が 福島の事故を起こした

  

[スレ主【赤かぶ】による初期非表示理由]:その他(アラシや工作員コメントはスレ主が処理可能)アラシ。過去に場違いコメント多数でアラシ認定。

8. 2019年10月03日 07:22:54 : myJmO9sK9c : QnZLQmppeUlwMDI=[750] 報告

 福島の津波事故にしても

 津波の危険性を 盗電の経営陣が 予想出来たか 予想出来なかったかが 争点になったが
 そもそも 経営陣が 津波の危険性を判断すること自身が 間違っている

 ===

 地震で倒壊する送電線 津波で水没する予備電源などなど 
 本来は 原子力委員会が 安全の「お墨付き」を出したことが「本質」だ

 ===

 東電の幹部が 津波の危険性を しかるべき場所で 検討させて
 その検討結果を 安全基準に 記載して その通りに 意思決定する必要がある

 その意味で 東電の幹部は 「業務怠慢」という失態を犯していて 
 人々の安全を脅かしたのだ
 
 ===

 東電は 安全運転という 最大の任務を 放棄していたが

 今 関電も 原発の安全運転を 根底からぶち壊している様だ
  

[スレ主【赤かぶ】による初期非表示理由]:その他(アラシや工作員コメントはスレ主が処理可能)アラシ。過去に場違いコメント多数でアラシ認定。

9. 赤かぶ[33048] kNSCqYLU 2019年10月03日 11:11:15 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23118] 報告

元助役から原子力部門中心に金品 関電、情報提供で便宜
https://digital.asahi.com/articles/ASMB256R3MB2PLFA011.html
2019年10月2日20時14分 朝日新聞

 
 関西電力幹部が受け取った金品一覧

 関西電力は2日、役員ら20人が高浜原発のある福井県高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2千万円分の金品を受け取った問題で、昨秋まとめた社内調査報告書を公表した。原子力部門を中心に2006〜17年に現金や金貨がばらまかれ、うち2人には1億円超が渡っていた。八木誠会長と岩根茂樹社長は会見で謝罪したが、辞任は否定した。

 報告書によると、鈴木聡常務執行役員が約1億2千万円、豊松秀己元副社長が約1億1千万円を受け取っていた。共に福井県にある原子力事業本部で要職を務め、高浜・大飯両原発の再稼働にも力を注いできた。本部長の経験がある八木会長にも金貨や金杯など800万円を超す金品が渡り、岩根社長も150万円分の金貨を受け取っていた。約3億2千万円の大半は返還したが、仕立ててしまったスーツや、返還の機会を逃した現金など計約3500万円分は返せていないという。その後の調査で、20人以外にも送配電部門の3人が計250万円分の商品券やスーツの仕立券を受け取っていたことが分かった。

 役員らは森山氏から頻繁に面会を求められ、手土産や昇進祝いなどの形で金品を渡されていた。関電側も面会の際に、発注予定の原発関連工事の概算額が書かれた資料を手渡すなど、情報提供で便宜を図っていた。

 森山氏は原発工事を請け負う地元の土木建築会社「吉田開発」の顧問を務めていた。同社関係者が面会に同席し、その場で金品を渡したこともあったという。報告書では「(情報提供が)不用意であった」「公平・公正に関し疑義を招きかねない行為」と指摘したが、関電は吉田開発に直接情報提供をしなかったことなどを理由に「金品提供の対価的な意味合いはない」と結論づけた。

 岩根氏は会見で「不適切ではあるが、金品の受領と工事は直接の関係はない」と違法性を否定。八木氏は「(受領を)断ると厳しい言葉で激高されたので過剰に反応した。原子力の事業にも影響が出るとの思いが強かった」と釈明した。

 金沢国税局の税務調査では、吉田開発が裏金約3億円を捻出し、森山氏に渡していたことが判明。会見では、「原発マネー」が役員らに還流したのではないかとの質問も出たが、八木氏は「金銭の出どころはわからない」と明言を避けた。

 関電はこの日、18年9月25日付で、八木氏と豊松氏が報酬の2割を2カ月返上、岩根氏が2割を1カ月返上、鈴木氏ら3人を厳重注意処分にしたことも明らかにした。だが会見では八木氏も岩根氏も「原因究明と再発防止策を図ることで、経営責任を果たしたい」などと述べて辞任を否定。高浜原発以外でも同様の事案がないか調べるため新たな第三者委員会を設置し、年内に結果を報告するとした。八木氏は地元財界の関西経済連合会の副会長、岩根氏は大手電力10社でつくる電気事業連合会の会長を務めるが、いずれも続投する意向を示した。

 一方、関電の姿勢に対する批判は強い。

 岩根氏は問題が発覚した先月27日の会見で「個人情報が入っている」ことを理由に詳細な説明を拒んでいた。ただ、経済産業省や筆頭株主の大阪市から批判を浴びると、一転して公表することになった。この日の会見直前に開いた臨時取締役会でも、社外取締役から「組織として対応できていない」「なぜ森山氏との関係を切れなかったのか」「公表が遅すぎる」などと批判が相次ぎ、経営責任を問う声もあったという。



10. 赤かぶ[33049] kNSCqYLU 2019年10月03日 11:11:49 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23119] 報告


11. 赤かぶ[33050] kNSCqYLU 2019年10月03日 11:13:57 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23120] 報告


12. 赤かぶ[33051] kNSCqYLU 2019年10月03日 11:14:27 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[23121] 報告


13. ひでしゃん[2270] gtCCxYK1guGC8Q 2019年10月03日 11:30:27 : hjTsd0XdN2 : cjBvbUFUQmVNSUE=[166] 報告
金を返金するのに
相手方が受け取り拒否する場合
法務局に 供託 出来る
個人で預かるというのはバレなければ懐に入る腹積もり

贈賄側の森山氏は3月に亡くなっているが 事件性 は無いのか?
過去の関西電力に関する様々な事件では関係者の不自然な死が多い
反原発だった高浜町の元町長も狙われていたというから
森山氏の死で安堵した連中は多いはず
普通国税で悪質なモノは検察に通報されるのだが今回は?
それとも関西電力の件では検察もビッビッタのか?

14. 2019年10月03日 17:21:56 : ZzFD62qoa2 : WTlNR3Z4eHEzZ0k=[133] 報告

 言葉の遊びで犯罪を許していいのですか?
15. 2019年10月03日 19:22:02 : cbaI4Tc28E : WXlyNGtuZkZZMXM=[44] 報告
杜撰でも 罰は受けない ケ・セラ・セラ
16. 2019年10月03日 21:15:22 : Qd3gsJfrvM : T1FqYmFkV0FDLm8=[1] 報告
犬HK馬鹿ニュースウオッチ9昨日そして今日もトップニュースは北朝鮮ミサイル
しかも長々と報道おまけに安倍と菅の醜いツラをアップで映す
17. panbet37[1945] gpCCgYKOgoKChYKUglKCVg 2019年10月04日 18:21:12 : vA4QFYUaS6 : YzRNWHU2ZFo1Y3M=[213] 報告
僕は、10年来、検察官出身者で郷原信郎さんだけは、心から信頼しています。

 本件は、まぎれもない大疑獄。韓国検察ほどとは高望みしないけど、たまには、少しは、日本の検察も、悪党を捕まえてくださいよ。お願いしますよ。

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