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文化庁が、開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に対し、約7800万円の補助金全額の不交付を決めた。
問題視したのは企画「表現の不自由展・その後」だ。元従軍慰安婦を象徴する少女像などに抗議が殺到し、中止に追い込まれた。
文化庁は「申告すべき事実を申告しなかったという手続き上の理由」との説明に終始した。
しかし、芸術祭の数ある企画のうち、一つの企画を理由に全額不交付とするのはあまりに乱暴だ。
いったん補助事業に採択しながら開幕後に不交付にするのは極めて異例であり、事後的な「検閲」とみられても仕方がない。
文化芸術活動の萎縮を懸念する声が上がるのは当然だ。文化庁は丁寧に説明を尽くす必要がある。
不交付は補助金適正化法に基づいて決定された。文化庁は、芸術祭側が円滑な運営を脅かされる事態を予想しながら、申請時に申告しなかったことを重視した。
事業の実現可能性などを十分審査できず、現に申請通りの展示が行われていないというわけだ。
だが、展示を妨害したのは、意に沿わぬ表現を不当な攻撃によって排除しようとした人々だ。
河村たかし名古屋市長が、少女像を巡って実行委会長の大村秀章愛知県知事に中止を要求し、批判を浴びるなど、政治家の言動もこれを助長する格好になった。
その揚げ句の不交付である。結果として、事態を政府が容認したと内外に示したに等しい。
しかも決定前日、県の設置した検証委員会が中間報告を公表し、リスク回避や展示方法の改善などの条件を整え、速やかに再開するよう提言したばかりだった。
文化庁の決定は、再開阻止を狙った疑いが消えない。
中間報告は、このまま閉会すれば「悪(あ)しき前例や自主規制を誘発する」とも強調した。
展示再開を目指す大村知事は、不交付の決定は「表現の自由」の侵害に当たるとして文科省を提訴する考えを示している。
文化事業は独立採算が難しく、各種の助成に頼らざるを得ない。攻撃による混乱を理由に補助金を不交付とする例を示したことは、企画段階での萎縮を招こう。
それは、実質的な展示内容への介入にほかならない。
「文化芸術立国」を目指して一昨年に改正された文化芸術基本法は、前文に「表現の自由の重要性」が初めて盛り込まれた。文化庁は、法の理念に立ち返るべきだ。
北海道新聞社説 2019年9月28日
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/349205?rct=c_editorial
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