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司法が「絶対的安全」を否定 この判決で原発再稼働の狂気
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262181
2019/09/21 日刊ゲンダイ 文字起こし
3年前には廃炉作業要のベストを着るパフォーマンス(C)共同通信社
原発国家の三権は原子力ムラの腐臭塗れ |
台風15号が直撃した千葉県のインフラ寸断は3週目に入ろうとしている。安倍首相は「内閣総理大臣の最も重要な責務は、国民の命を守り、平和な暮らしを守ることであると考えています」などとペラペラ言っているが、安全・安心な国民の暮らしは置き去り。改めてそれがハッキリしたのが、東京電力福島第1原発事故をめぐり、東京地裁が東電の旧経営陣3人に言い渡した無罪判決だ。海抜10メートルの原発敷地を超える高さの津波を予見し、対策を取ることで事故を防げたか――。公判の争点について判決は、「結果の重大性を強調するあまり、予測に限界のある津波について、あらゆる可能性を考慮して措置を講ずることを義務づければ、原発の運転は不可能になる」などとし、検察官役の指定弁護士側の主張をことごとく退けた。
弁護士が指摘「判決は論点ずらし」 |
「福島原発告訴団」のメンバーで、被害者参加代理人として裁判を見届けた海渡雄一弁護士は「証人尋問の結果とは全く反する。都合の良い部分だけをつまみ食いした」とし、「これほどひどい判決が出るとは予想していなかった。絶対に取り消されるべきだ」と批判。さらに、フェイスブックでこう喝破している。
〈問題は原発を停止させるべきという意見があったかどうかではなく、推本長期評価を取り入れた対策を実施するべきだったかどうかなのです。判決は、まず、ここで論点をずらしています〉
どういうことか。
判決は、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測の「長期評価」で〈三陸沖から房総沖のどこでも巨大地震が起こり得る〉とした見解の信頼性を否定。事故を防ぐには原発の運転停止しかなかったという前提で結論を導き出している。被告3人が巨大津波の情報に接した08年6月〜09年2月ごろから浸水対策や電源の高台移転を始めても、3・11までに完了したかは不明だと指摘。事故防止にはあらかじめ11年3月初旬まで運転を止めるしかなく、生活・経済を支える原発の「有用性」を踏まえれば、当時の安全基準に照らした慎重な判断が必要だったというのである。原発稼働ありきの発想に立っているのがアリアリだ。
海渡弁護士はこうも書き込んでいる。
〈対策を辞めた理由について東電の酒井GMは、日本原電の担当者に「柏崎が止まっているのに、これに福島も止まったら経営的にどうなのかって話でね」と説明しているのです。判決の論理はめちゃくちゃです〉
東京地裁判決後に会見した海渡雄一弁護士ら(C)共同通信社
原発問題はこの国に巣くう病理の象徴 |
経営コスト重視で安全対策は二の次、三の次。それで国民生活をメチャクチャに破壊しても誰ひとり罪に問われない。立法、司法、行政。原発国家の三権は原子力ムラの腐臭塗れでもあることも浮き彫りになった。
政治評論家の森田実氏は言う。
「モンテスキューが『法の精神』で主張しているように、三権分立は民主主義社会の基本。戦後日本の三権分立はインチキで、司法は権力の手先だと訴えてきましたが、その姿が露骨にあらわれたのが東京地裁判決です。これほどの苛酷な事故を起こし、国民を不幸にしても、不問に付すなんて不真面目にもほどがある。自由な社会を支えるのは責任です。それなのに、判決は歯止めがかからない無責任社会にお墨付きを与えてしまった。東電上層部にはキッチリと責任を取らせないと、この国は腐りきってしまう」
エネルギー政策に詳しい立教大大学院特任教授の金子勝氏(財政学)はこう言う。
「東電旧経営陣3人は東京地検に不起訴処分とされましたが、検察審査会の議決を経て強制起訴された。一連の流れを見て思い起こされるのが、元福島県知事の佐藤栄佐久氏が収賄額ゼロ円で有罪となった贈収賄事件です。佐藤氏は1988年の知事就任直後に福島第2原発事故に直面。その後も東電のデータ改ざんや事故隠しが相次いだためプルサーマル許可を凍結し、03年4月に県内の原発10基が全停止となった。佐藤氏は06年10月に収賄容疑で逮捕され、取り調べを担当したのが当時東京地検特捜部検事だった森本宏特捜部長です。原発稼働の邪魔は許さないという体質は一貫して変わらないということなのでしょう。とりわけ、経産省と一体化した安倍官邸は原発の再稼働、海外セールスにこだわっている。裁判の過程で科学的知見やデータのないがしろも明らかになった。原発問題はこの国に巣食う病理を象徴していると言っていい」
災害列島の司法が自ら否定した「絶対安全」。この判決で原発を動かし続けるのは、狂気にほかならない。
安倍政権の原発固執が加速させる産業衰退 |
東電経営陣無罪判決で分かった驚くべき司法の忖度、国の地震予測をも退けるご都合主義、原発再稼働ありきの国策。野党はなぜ一致団結して挑まないのか。連合傘下の電力総連の支援を受ける国民民主党の玉木代表は、「東電は無罪にほっとせず、安全対策強化につなげてほしい。(津波の)予見可能性が本当になかったのか、しっかりと検証していくべきだ」と言っていたが、お茶を濁している場合なのか。原発推進に固執する安倍政権は国民生活を危険にさらすばかりか、この国の産業衰退を加速させている。
「イタイイタイ病、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくの4大公害訴訟は負の清算の側面がクローズアップされがちですが、新たな産業を生み出す契機にもなった。司法が良心を示したことで被害者救済の道が開かれただけでなく、企業が環境改善に努力する流れをつくったのです。排ガスや排液規制が広がり、燃費の良い低公害エンジンとして知られるホンダのCVCCエンジンが開発され、韓国にお株を奪われてしまった有機ELパネルも世に出た。原発事故をきっかけに自然エネルギーが見直され、生産コストはいまやタダ同然。にもかかわらず、安倍政権はエネルギーの大転換を拒み、産業革新を妨げている。日本を滅ぼそうとしているようにしか見えません」(金子勝氏=前出)
東電は福島第1原発の賠償や廃炉で約16兆円の負担を抱える。毎年3000億円の経常利益を確保する必要があるが、18年度は2765億円。経営再建のアテが原発再稼働なのである。再建計画によると、柏崎刈羽原発の再稼働などで27年度以降は経常利益を年4500億円に積み増すという。
一方で、テロなどに備えた安全対策費の高騰で発電コストも膨らむ。原発推進はリスクを増大化させる危ない自転車操業なのだ。
「原子力規制委員会の審査に合格した9基がすでに再稼働し、6基もパスして地元同意や安全対策工事を急いでいる。12基は審査中という状況です。来月4日に召集予定の臨時国会で野党は決起し、キッチリと議論をしてもらいたい」(森田実氏=前出)
原発事故発生から8年半。福島では県内外で4万人以上が避難生活を余儀なくされている現実から目をそらしてはいけない。
司法が「絶対的安全」を否定 この判決で原発再稼働の狂気 https://t.co/KDEx4iNjJU #日刊ゲンダイDIGITAL
— ie1230 (@ie1230) 2019年9月21日
【司法が自ら否定した「絶対安全」】この判決で原発を動かし続ける狂気 東電経営陣無罪判決でわかった驚くべき司法の忖度と、国の地震予測をも退けるご都合主義、原発再稼働ありきの国策に野党はなぜ一致団結して挑まないのか 原発国家の三権は原子力ムラの腐臭塗れ(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/nzD2RXXRLP
— KK (@Trapelus) 2019年9月21日
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