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飲み会帰りのタクシー代を公金で支払っているのでは? 下関市長、市議会議長の公務用タクシー券使用について
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/13102
2019年9月15日 長周新聞
下関の夜の歓楽街で生業を営んでいる関係者やタクシー運転手たちから、「下関市長や下関市議会の議長、副議長ときたら、夜中に自宅へ帰るのにタクシーチケットを好きなように使っている」「いったいどうなっているのだろうか?」という疑問が寄せられたため、本紙は4月から半年間かけてこの実態調査を進めてきた。取材過程で事態を問題視し、解明のために協力を申し出てくれた有志と記者たちで調査チームをつくり、広く市民にもわかるように調査報告書を作成したので紹介する。この連載は情報公開等によって現在進行中の調査もあるため、その都度明らかになった事実を公表し、「私用で使ったタクシー代を市民の税金で支払っているのではないか?」との市民が抱いている疑問が払拭されるまで検証していく。
調査の発端
市長や市議会議長等の公務用タクシー券使用について、おかしいのではないかという情報が複数の市民の方から寄せられた。その要旨は
▽市や議会のトップが公務で使用すべきタクシー券を私用に使っているのではないか。
▽夜遅く飲んで帰るのに税金(公務用タクシー券)を使っている。このようなことは許されないはずだし、許すべきではない。
▽公私混同で許されないことであり、事実を調査して不正が確認されたら(正しく使ったことが証明できないなら)そのお金は市に返還させるべきである。
▽議長、副議長以外の人が公務用タクシー券を使っているようである。
▽徹底的に調査し、当事者の意見も聞いたうえで市民に公表してほしい。
などであった。
このような市民の疑問、意見に応えるため、市に対し公文書の閲覧請求と関連課所等への聞きとり調査などをおこなった。
今回、市長、副市長、議長、副議長、教育長分の調査をおこなったが、まず、議長、副議長分について調査結果を公表することとした。
なお、この記事をご覧になられた市民、関係者、読者の皆様の率直なご意見ご感想をお待ちしています。是非、お寄せください。
T)議長、副議長の公務用タクシー券の使用について
現在、議長、副議長は職務上、常勤に近い勤務が求められているため、それぞれに専用の公用車があり、専任の運転手(市職員)がついている。
「自宅〜市役所〜会議・会合等の公務場所〜自宅」と、通勤や公務のための移動には基本的に公用車を使用している。
公務用タクシー券は、やむを得ない理由で公用車が使えない時、あるいは公用車を使うよりタクシーを使った方が効率的である等の場合に使用するもので、公用車の代わりに使用すべきものである。
使用基準については成文の規定はないが、議会事務局は「公務(市役所の行事等)と用務(議長として他団体と会うなどの仕事)に使用する」ということであった。「公務と用務に使用する」という説明は「用務」の定義が不明確である。「用務」とは「議長として他団体と会う」ということだったが、それは公務と考えても問題はないと思うし、それで公務以外のケースがあるのだろうか。他団体とはどのような団体を指しているのか。他団体の内容によっては問題が生じることもある。公務用タクシー券を幅広く利用しても良いようにしようとしているように思える。
いずれにしろ、議長、副議長の公務用タクシー券使用の実態が明らかになったとき、それが公務・用務として市民の理解を得られるものなのか。とくに、「用務」の実態がどのようなものであるか。その点が今後の焦点であり、最大の問題点である。
また、タクシー券の交付について議会事務局は「その日に必要と思われる枚数を正副議長の運転手に預け、運転手が帰る際に毎回渡すようにしている」とのことである。
U)議長、副議長等のタクシー券使用の実態とその問題点
議長、副議長の使用状況を確認するため、市議会に対して「公務用タクシー券使用に関する公文書」の閲覧を請求した。これに対して「市議会事務局借上自動車使用内訳」と、その基となる使用済みタクシー券を閲覧し、確認することができた。また、公務・用務に使用されたかどうかを確認するために「公務及び用務に関連して使用したことが確認できる市議会議長、副議長及び市会議員に対する案内(出席依頼)の文書等の閲覧請求をおこなった。これに対しても、文書の閲覧ができ、文書を確認することができた。
情報公開で出てきたタクシーチケットの一部
さらに、公務・用務に関連して使用したことに漏れがないよう、「文書はないが公務・用務に使用したことが分かっているもの」があれば公務・用務名等を教えてもらいたい旨要請した。これに対して、議会事務局から次のような要旨の回答があった。
「案内文書等がない日はすべて用務をおこなった日である。用務については議会を代表して各種団体(JCなど)との意見交換、要望、それらを聞くことも議会の重要な用務と考えている。その用務については議長としての用務であり、公務ではないのでスケジュール管理までする必要はないと考えている。従って、案内文書がない日はすべて用務をおこなった日であるが、用務の管理まではおこなっていないため回答できない」。
議会事務局として、苦しい答弁をせざるを得なかったのかもしれないが、驚くべき答弁である。スケジュール管理をしていないのなら私用に使ったかもわからないのに、なぜそれが用務のために使ったといえるのか。使用目的が分からないのに、なぜ用務に使ったといえるのか。理解できない回答であった。
この回答ではよくわからないので、再度、議会事務局に「議長、副議長の公務以外のスケジュールは管理していないというのにどうして用務と判断したのか。議長、副議長に聞いて確認したのか。用務と判断した根拠を知りたい」旨を質問したところ、次のような回答であった。
「用務は把握していないが、公金なので私用に使わないでほしいということはお願いしている。ご本人も自覚されているという前提で判断している。もう一点は、迎えに行って送り届けるというのが大前提にある」。
要するに、「議長や副議長が公金でタクシー代を支払っているから私用ではないはずだ」ということのようで、本末転倒である。下関市議会では、このような理屈がおかしいとは思わないのだろうか。これでは市民の誰もが公務用タクシー券が私用にも使われているに違いないと思うだろう。
議会事務局とすれば精一杯の苦しい回答をしたのだろう。しかし、「用務」がせめて月に1〜2回程度なら議会の言う「用務」も多少は理解できるが、以下にのべるように14カ月間で69回分、約49万円ものタクシー代が使用目的も分からない「用務」という名のもとに支払われているという使用実態と考え合わせると、とても市民の理解は得られない。
また、議長として他団体等と会って話をしたり要望を聞くことも重要だと力説するが、そのことを全否定はしない。重要性も時によって、あるいは相手によってあるだろう。しかし、議長は日中、時間もある、車もある。他団体から来てもらうこともできるし、行くこともできる。夜の10時、11時に会わなければならない必然性はないはずだ。
議会事務局の説明にある「迎えに行ったから送り届けるというのが大前提にある」という考えが、公用か私用かが問題になっている本件タクシー券使用問題に関して、どのような説明になるのかよく理解できない。今の下関市議会の体質、あり方からすると、「迎えに行ったから送り届けなければならない」というような考え方を持ち出すことによって、不適正な支出を容認し、拡大することにつながるのではないかと危惧(ぐ)する。今の下関市議会では、変な理由をつけて例外的、特例的にでもいったん認めると、それを一般的な例として悪用することにつながっている例が多多見受けられる。
議会としては、議長、副議長にとっての「用務」の重要性を力説したいようだが、平成31年4月に本件調査に入ってからの林議長の用務件数がどのような推移を見せるのか興味深いところである。議長として重要な「用務」が、タクシー券の使用状況を調査されているからといって、減少するようなことはないとは思うが。
下関市議会の公務用タクシー券に対する考え方とその使用状況をみると、公金支出の適法性、適正性の前提条件となる用務の判断が、まったくできていないことがわかる。
また、このようなあいまいな概念を持ち出すことが、議長、副議長の公金の適正な使用を阻害し、不適正支出拡大の原因になっているのではないか。
議会から提出された上述の諸資料を基に、正副議長のタクシー券の使用実態をまとめたものがこの調査報告書である。
平成31年2月27日に正副議長の交代があった。調査期間(平成30年1月分〜令和元年8月分)のうち、平成31年2月27日までの14カ月間は戸澤議長、亀田副議長で、その後は林議長、吉田副議長に交代している。
このため、まず戸澤、亀田正副議長分の使用実態を調査、公表し、その後に林、吉田正副議長分について調査、公表することとした。
1 戸澤、亀田前正副議長の使用実態について
戸澤、亀田前正副議長の使用実態をまとめたものが別表1である。14カ月分の掲載は紙面の都合上無理なので、平成30年3月分、6月分、9月分を示すこととした。
タクシー券は別表1の使用目的欄に記載されている会合等に出席した、いわゆる「公務」にともなって使用したものであるということである。使用目的欄に記載がないものはすべて「用務」のために使用したものであるというのが議会事務局の説明である。
@戸澤前議長の使用の実態と問題点
戸澤昭夫・前議長
戸澤前議長の平成30年1月から31年2月27日までの約14カ月間の使用実績を集計したものが別表2である。
▽使用回数と使用金額はいくらか。また、それは公務・用務(以下「公務等」という)に関連して使用されたのか。
使用実績を見てまず驚くことは、議長専用車があるにもかかわらず、その使用回数と金額の多さである。約14カ月間で約82万円。月平均で約5万8000円である。月額8万円をこえる月が4カ月もある。そして市民にとってもっとも重要であり、最大の関心事である「公務等のため」に使われたことが確認できる文書等があまりに少ないことである。
使用目的を確認することができなかったもの、即ち公務等で使用したことが確認できなかったもの(議会の説明による「用務」)が、使用回数114回のうち69回(61%)、支出金額82万2130円のうち49万2900円(60%)となっている。回数でも金額でも約6割が公務等に関連して使用したと確認できないまま公費で支出されていることになる。
また、たとえ公務等を証する文書があったとしても、乗車区間や乗車時間の如何によっては、公務等との関連性が薄くなる。場合によっては、公務等とは無関係と考えざるを得ないケースもあり得る。そこで、乗車区間と乗車時間をみてみると、
▽乗車区間、乗車時間はどうなっているのか。
戸澤議長の乗車区間と乗車時間は、豊前田や唐戸から夜遅く乗車しているものが大部分である。
(つづく)
※紙面にて連載が終了した後に続きは掲載します。
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